有志の進行
地上のゴブリン王を殺そうと思っていたら、
すでに逃げ出してしまったようだ、
まぁ…仲間の入っていった穴の奥から
悲鳴が聞こえてきたら、そら逃げるだろうよ。
ともかく今回の戦闘により、
俺のダンジョンは3000Pの利益を叩き出した。
しかし多くのゾンビが死んでしまった…
いや、もともと死体だったから…
まぁもうややこしいからそこには触れないで
おくか、
するとソードマンが何かを感じ取ったようだ、
………何かイヤな予感がする、
ソードマンには戦闘の準備をさせよう。
…これは……殺気だ
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彼等、有志達は怪物の巣窟へとたどり着いた
ダンジョンが出来た影響かは定かではないが、
大蝙蝠が襲いかかって来たり、
温厚な槍鹿が槍角で刺そうとしてきたり、
魔物全般が凶暴化している…
このような現象はかつて起こった事があるが…
ここ最近では見られない。
魔物の行動は脳から流れる魔力を体が感受し
動かす、と言うものらしい。
魔物細微学はまだまだ課題が多く、
魔物の行動は把握しきれない。
恐らく、ダンジョンから発せられる魔力によって
脳の魔力信号が変異し、興奮状態に陥ると
多くの研究者は考えているが…
「おい、リスラエル!いつも見たいに思案に溺れるのはいいが、前見たいに敵の目の前で考え出すのはやめてくれよ!」
「あ…あぁ分かっているよ。
今回のダンジョンがマトモじゃないのは……」
今回俺達が挑むのは、
今多くの人の命を奪い、今この時も成長を続ける
恐ろしいダンジョンだ。
「では作戦内容を話す」
銀の鎧を纏った男が作戦を話しだす。
「強敵は冒険者に、我々王国兵士団は雑魚を倒し
、主に後方支援をする!」
冒険者、兵士共々がゆっくりうなずく。
「では進行する!」
そうして彼等は魔物の巣窟の、
おぞましきすべてを呑むような入り口を通った。
前衛には大盾を構えた兵士と
黒金の冒険者、ラリクが居る
中衛には魔法学者であり軽銀の剣を扱う、
上級の傭兵でもあるリスラエル、
彼は有志、では無いがよく共に冒険をする
ラリクの良き友だ。
そして剣を構えた兵士が8人。
後衛には
大弓を担いだ美しいハイエルフ、カルン
そして弓兵だ。
全員が十分過ぎるほどの装備だ、
普通なら負けるはずはないだろう。
先に進むと奥から、金属音が聞こえ始めた。
カルンが奥に向かい矢を一つ、放った、
カツーン、何かすこし抜けるような金属音と
矢が空を切る音がし出したのはほぼ同時の事で
あった。
前衛の大盾がその矢を弾き、前に向かって突進する、
そして何かと行き良く衝突した
前を覗くとそこに居たのは、
鎧を着込んだ骨魔だった。




