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セービーの行方(2)

一時ほど経って、ボブロが戻ってきた。

こんなにも時が経つのが遅く感じたのは、初めてだった。


『…それで!?』

『手掛かりあったの?!』


扉を閉める隙も惜しんで、ボブロへ詰め寄る。


『…まぁ落ち着け』


ボブロは、俺とホーマを片手で押し戻す。


『……少しは休んだかの?』

『…いや』

『ソワソワしちゃって。ホーマは何か作ってたし』

『……フフフフフ。セービー様をさらった罪は重いわよ~?』

『お主…なんじゃそれは』

『ウフフ♪爆弾♪』

『ばっ…?!』


手のひらサイズの小さな鉄の塊。まさか爆弾だとは思わず、少し後ずさりしてしまう。


『大丈夫~!そんなに威力はないから♪』

『で?どうだったの?何か情報あったの?』

『うむ。スラムの仲間に手伝ってもらって、噂をかき集めてきた。どうやら、ワシが睨んだ通りかもしれん』


◇ ◇ ◇ ◇


ボブロの話では


バスラは、闘いの街なだけあって、あちらこちらでいさかいが起きやすい。

そこで、治安を維持する【保安隊】なるものがあり

その保安隊のトップが、ゾディアという男だ。


ゾディアは、バスラの首長の甥で、とにかく金にがめつい。


そして、ゾディアにはよからぬ噂がある。


保安隊を使って女をさらっては売っている――と。


ゾディアがかなり上玉を仕入れたらしいとか

仕入れた女を売る為に近々パーティーを開くから、街に金持ちが集まるとか。


商売人の間では、書き入れ時になりそうだと、まことしやかに噂が広がってるそうだ。


『その上玉って…』

『タイミングからして、セービー殿の可能性はあるのぅ』

『ゾディアーーー!』

『お、落ち着け!』


今にも飛び出しそうなホーマを

抱きついて押さえる。


『で、どうするの?』

『あくまでも噂じゃからのぅ。確信なく飛び込んでハズレじゃったら…マズイからのぅ』

『でも十中八九、そいつで間違いないだろ?!』

『突撃あるのみーーー!』

『落ち着けって!』


爆弾を持って立ち上がるホーマを

羽交い締めにする。


そこに、ごく小さなノック音がして『いるか?』と微かに声がした。


『おるぞ。…ちょっと待っててくれ』


ボブロがゆっくり立ち上がり、外へ顔を出す。


『…なんじゃと?!』

『どうしたの?何かあった?』

『…ゾディアの家で何かあったらしい。騒いどるようじゃ』

『…もしかして!?』

『行きましょう!』

『セービー様ぁぁぁ』


俺達は押し合うように部屋を出た。




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