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近づく危機(2)
全く油断してしまった。
疲れと魔力不足で、普段よりも注意が散漫だった。
それに人も多くて、きっと気付いても咄嗟に魔法が使えたかも疑問だ。
いや、きっと魔力不足で使えた魔法なんて無かったかもしれないな。
…まず何が起きたのかすら理解していないが。
セービーは自問自答を繰り返していた。
自分に早く魔力を補充させてあげようと、足早に歩くジャン達に付いていけず、あっという間に離された。
ボブロにすら追いつけなかった。
少しずつ遠くなる三人の背中を見ていると
少しめまいがした。
汗が吹き出し、目に染みる。
服の袖にしまってあるハンカチを取り出そうと、目線を下ろした時。
突然、目の前が真っ暗になった。
次の記憶の始まりはここ。
暗くて冷たい、この部屋だ。
持っていた魔物入りの箱が、側に落ちていた。
手と足は、ご丁寧に拘束されている。
どうしてここにいるのか、ここが何処なのか
皆目見当もつかない。
天井は幾分か高く、手の届かない位置に小さな窓が一つある。
扉が目の前に一つ。
広さは、人が五人も入れば窮屈になりそうなくらい狭い。
キョロキョロと周りを見回していると、扉の外から話し声がうっすらと聞こえた。
ガチャリと重そうな音が響き、扉が開く。
『…あ』
薄い光に照らされたそこには
男が立っていた。




