集まった五人(4)
『ホーマ、どんな感じ?』
サトとセービーはボブロの家へやって来た。
『やだぁセービー様♪お迎えに行ったのに~♪』
サトには目もくれず、すぐにセービーのもとへすり寄る。
『うむ。必要ない。用もない。働け』
『も~本当に冷たいんだからぁ~』
少しシュンとしながら、セービーから離れる素振りをして、すぐにグッと近付き
『そこがまたソソる♪』
そう言うと、作業台へと戻った。
セービーは小声で『いい奴だ』と呪文のように唱えている。
サトは飽きれてため息を吐く。
『私が用があるんだけど?』
『あたしは無いわよ~』
『矢じり!出来てる!?』
『出来てるに決まってるでしょ~?あたしを誰だと思ってるの?』
ホーマは、小さな矢じりを一つ取り出すと
サトへほいっと投げてよこした。
『ちょ!もっと丁寧に扱いなさいよね!』
『あたしの作品なんだから別にいいでしょ~?』
『ったく本当可愛くないなぁ…』
『お互い様でしょ~?』
ブツブツ言いながら、渡された矢じりを眺める。
『…スゴい。鋭い』
『もう金型作ったから。鉄さえ流せばすぐ作れるわよん♪』
『スゴい!ありがと!』
『一晩あれば簡単よ~』
『仕事早いな』
『そうなのよセービー様!分かってくれる~?』
『うむ。近付くな』
立ち上がろうとしたホーマを一言で制する。
『魔物も倒せる?』
『あぁ、あの粉練り込んでおいたからきっと大丈夫だと思うわよ?』
『ではサト。ちょっと試しに行くか』
『そうですね』
『え?街出るの~?』
『少しだけな。私は魔力を吸収しないと生きていけないんでな。少し魔物を取りに行きたいんだ』
『ま、魔物?魔力?!』
ホーマの目がまん丸になり、瞬きが増える。
『…あれ?ホーマに言ってないっけ?』
『な、何の話よ?』
『私は魔法使いだ』
『え?!本当にそうなの?』
『アヴェルは伝説通り、魔法の地だ。私はそこの首長だった。魔力で生きているんだ』
『そっそうなの?!』
『本当だよ?だから今から魔物狩りに、ね』
『あぁ行こう』
『ジャン達どこかな~?手伝ってもらえたら早いですよね』
『それもそうだな。声をかけてみよう』
口と目をぼーっと開けたままのホーマを残して、二人はさっさと出ていってしまう。
◇ ◇ ◇ ◇
『まだ甘いのぅ!剣を振り上げたら躊躇わずに突っ込んでこい』
『…はい!』
ジャンとボブロは、スラムの一番奥、人気のない行き止まりにいた。
『ジャン、ボブロ』
セービーが声をかける。
『…これはこれは。サト殿、セービー殿』
『…どうしたんですか?』
涼しい顔のボブロとは対照的に、ジャンは肩で息をしている。
『新しい矢じりが出来たので試し射ちに行こうかと思いまして』
『ほほぅ。どちらへ?』
『少し街を出て、魔物を狩ろうかと』
『…ハァハァ…もしかして、セービー用ですか?』
『そうだ。良かったら手伝ってくれるか?』
『あ、はい。その方が効率いいですよね?』
『何の話かの?』
『あ、セービーは魔物を吸収して生きてるんですよ…ハァハァ』
少しずつ息が整ってきたジャンが
額の汗を手で拭う。
『な、なんと!?』
『それで魔物が必要なのだ。良ければ魔物集め、手伝ってくれぬか?』
あまりに驚きすぎたボブロの目からは、今にも目玉が転がり落ちてしまいそうだった。




