魔石
「何でスライムから魔石が出るんだ?」
魔石?マロさんの手にある玉を確認する、一つはモンスター玉と一緒で青色の玉で中に白い粉が入っている、ステータスは【スライム粉】
やっぱり説明はないみたいだな?名前しか分からない。
そしてもう一つ、黒い玉だ、大きさはパチンコ玉位で灰色っていってもいい位の黒だな。
名前は【魔石E10】あ、これは名前の横にE10?何か出てるな。
「何かまずい事でも起きたんですか?」
今だアイーン顔のマロさんへ話しかける。
「いやな、すごくいい事が起きたんだが、”レジスト”では普通一つのアイテムガチャ玉に変るもんなんだが・・・ベテランか、解体スキル持ちならまた違うんだが、一般的には一つになる。Lv20を超えるモンスターは、素材もあるから2〜3個になるんだがな。」
驚き顔で自分の手の中にある魔石を見つめる。
「スライムから魔石が出たのはおれの知る限り初めてだな。」
初めて、初めて、マロさん今日初めてだらけだな。
「よし、さっきのスライムのモンスター玉とスライム粉はやるから魔石のことは内緒にしてくれ!」
そう言って2個の玉を俺に渡して魔石を懐にしまう。
「え?ありがとうございます、じゃあ内緒ついでに俺が言った色々変な事も内緒にして下さい。」
「いや、待て、お前の個人情報に関しては、おれは言わない、そもそももう覚えてない。だが、だがしかし、素晴らしき言葉達は勘弁してくれ!!」
マロさん頭下げてるよ、何でそこまで必死なの?
「はい、それはもう称号にもなってるし、あきらめているのでいいです。」
"パァー "と顔が輝く。
玉をしまおうとポケットに手をつっこむと薬草が出て来た、忘れてたな。
「お前、それどうしたんだ?薬草じゃないのか?」
いや、薬草だろうね、薬草って出たからね!
「そうですね、そうだと思います、森で迷ってる時に見つけました。」
アイーン、もう本家より使用頻度高いんじゃないか?
「探してもなかなか見つかる物でもねえんだがな。」
薬草が?薬草って初歩の回復アイテムじゃないの?
「薬草がですか?」
「薬草はポーションと違って、病気にも効くからな、ちなみにポーションは回復と傷の治療な。
売れば銀貨20枚にはなるからな、1か月位食ってく事が出来るぞ!」
おお、ラッキー銀貨20枚の価値は分からないが、1か月食べれるなら 5〜6万の価値があるのかな?
「ゼロよ、お前は運がいいのかもしれないな、薬草にしてもこの魔石にしてもな!」
懐から魔石をのぞかせウインクしてくる。
そんな40代のオッサンてどうなの?
いやでも実際、モンスターから逃げられたり、マロさんに最初に出会えたのも運がいいからかもしれない。
「まあ、それはさておき交代の時間だ、次の奴が来やがった。」
マロさんが門の方へ手を振っている、視線を移すと茶色の髪を頭上で一本にまとめ、マロさんと同じ皮の鎧に身を包んだアマゾネスて言葉が似合いそうな 30代中盤ほどの女の人が手を挙げている。
俺より背が高そうだ、目力があって筋肉隆々で怖そうだが、冷たい雰囲気は感じられない。
”女性博愛主義者”の俺にとっては大好物です。
あ、でも性格は大事だよ、性格によっては女と認めないからね。
あの人が守衛の時に来ていたら、こうなんかもう、もっとピンクぽい事とか何とか、かんとか・・・ホワンホワンホワン
"ドンッ "と背中を押された。
「おいどうした、クネクネして、いくぞ!」
マロさんに至極もっともな事を言われてしまう。
アイ、ツイマテーン!ふう、今回は何とか口に出さずに済んだな。
そそくさと後についていく。
「よう、マルロ景気はどうだい。」
気さくに話しかけてくる女性
チョーしどろもどろなオッサン
「おー?おう、おう景気は上々・・いやいやぼちぼちでんがなまんがな」
怪訝なまなざしで見つめられている。
オッサン慌て過ぎだ、いつもの挨拶じゃないのか?普通にしろよ。
「どうしたんだ?マルロおかしいぞ?」
「いや何でもないぞ、交代だろ、ちょっくらギルドに行く用事があってな。」
え、それではぐらかしてるつもり?
「ふ〜ん、ギルドに用事ってのは後ろのボーヤ関係かい?」
急に話しを振られ、品定めするような視線、魅惑的な笑顔。
"ニヤッ "としただけと言う人もいるかもしれないが俺にとっては笑顔です。
あ、何かいい匂いがする気がする。