レジスト
これは特別だと嫌だから聞きたくなかったが、そうも言ってられそうにない。
「あの、ユニークスキル?ってのがあるんですか・・・」
「おっ、ユニークスキル出てるのか」
あ、普通なんだ・・・
「それはな、まあまあの人に出てはいるが発動条件がみんな違ってな、一生?のままなんてのがザラなんだ」
「なるほど・・・」
ガックリ肩を落とす。
「この町では一人ユニークスキル持ちを知っているがな、持っていても黙っている奴はいるかもしれないがな」
不安な表情でマロさんにお願いする。
「マロさん次にスライムがまた来たらって、あれ、今来てる奴、あいつ俺に倒させてくれませんか?」
ちょうど今、向こうから近づいてくるスライムを指差しながら言う。
「ん、いいぞ、でもガチャ玉をスキルスロットにはめてないとモンスター玉は出ないぞ?」
「はい、モンスター玉は無駄になりますが、俺自分が戦えるか試したいんです!」
真剣な目でマロさんを見つめる。
「おう、いいぞ、お前には素敵な言葉を教えてもらったからな!」
キラキラの目で親指を立ててくる。
「よし、おれがターゲットを取ってやるから攻撃してみろ!」
そおいって腰の剣を抜き放ちスライムの前に躍り出る。
"グニッグニッ "
剣の面の部分でメッチャスライムを地面に押し付けてるわー。
「よし、やれ!」
「はい、いきます!」
後方へ回り込み殴りつける、殴りつける、殴りつける。
「はい、ワンツーワンツーワンツー右ストレート!!」
マロさんは目を見開きながら顎をシャクッている。
ごめんね押さえ付けさしててポーズとれなくて。
「お前、何でそんな動けるんだ?」
え、俺また変な事したの?
「いや、押さえ付けてもらってるんでね?」
「う〜ん、そういう問題じゃないんだがな、まあ詳しくはギルドで聞いてみろや」
マロさんがこちらに気を向けた隙を突いて、スライムが剣から抜け出しタックルしてくる。
見えてるからよけるよね?よけていいよね?
"スッ "と横にズレてかわす。
「やっぱり、お前 AFの影響を受けないみたいだな」
AF?何の事か分からないが、影響ないなら気にしなくていいのかな?
でもAFって日本でいうあれか、いや今関係ないし違うよな・・・
「Lv1でも普通よけれないぞ、耐えるだけだ」
あ、だめな方だった?AF耐える、卑猥に思えるのは俺が変態なだけ?
再びマロさんがスライム押さえ付けてくれる。
「よし、止めを刺せ!!」
「はい、いきます!」
渾身の一撃、力を目一杯溜め込み殴りつける。
"バシーンッ "
今までにない手ごたえの一撃だ !
これはクリティカルヒットいただきました。
・・・スライムは平気な顔をしている、とテロップが出そうなほど何事もなかったかの様にマロさんの剣に押さえ付けられている。
「正直、お前の攻撃効いてないわ」
やっぱりそうなんだ・・・。
「ちょっと、さすがに倒すからな」
"ザシュッ "と剣一閃でスライムは玉に変わる。
「すいません、付き合ってもらって。」
「いや、いいんだがちょっとこの玉持って ”レジスト”って言ってみろ」
マロさんは今しがた倒したスライム玉を拾い上げ、俺に渡しながら言う。
「え?はい”レジスト”」
シーン・・しかし何も起こらなかった・・・。
「何も起きませんね?」
「そうだな、何も起きないな・・・」
何とも言えない表情をしているな。
「よし、貸してみろ」
俺の手からモンスター玉を取り、叫ぶ。
「”レジスト”」
"ホワッ "と一瞬白く光ったと思ったら、マロさんの手の中に玉が二つになってる?
俺は驚いてマロさんへ声をかける。
「すごい ”レジスト”で二つに増えるんですか?」
マロさんの手元から顔へ視線を移すと・・・・。
恒例のアイーン顔だ、え?何でアイーン?