シルブプレ
「何か全部 0なんだけど・・・」
冷や汗まじりにオッチャンの方へ目を向ける。
「Lv0ならあり得るかもな、おれも初めて見たもんな Lv0なんて!ま〜 Lvなんてモンスターと闘う為に必要なだけだから、大丈夫じゃねえ〜の?」
パンパン背中を叩いてくる。
元気づけてくれようとしている様だが、ニヤニヤしてるのがイラッとくる。
「ステータスも見た事無いとは、お前どうしたんだ?記憶喪失か?それともアホか?」
頭に?を浮かべながらたずねてくる。
「まースキルのはずれを引いたら記憶が飛ぶって話しは聞いた事があるがな、Lv0は聞いた事無いな?」
スキル?気になるワードがあったものの、記憶喪失か悪くないな、のっかっとこう。
「ハイ、キオクソウシツカモシレマセン」
カタコトの日本語しゃべりになっちゃった。
「そうかー何か覚えている事はないのか?」
心配そうな顔で尋ねてくる。
ここで自分の事を何も話してないことに気付く。
「ヨルノトキ レイジ 日本から来たような気がします」
チョット際どいワード " 日本 " を放り込んでみた。
「ん〜日本か〜、聞いた事無い村だな〜」
どうやら村の名前と思ったようだ。
「名前はヨルノトキ レイジってのか、漢字で読めなかったからな、でもそれじゃこれから困るだろう。もーこの際 Lv 0、ステータス0、名前もレイなら "ゼロ "って名にしておけ!」
オッチャン何言ってるの?オッチャンが何を言ってるのか分からない。
「いや、どういう事?」
「ステータスの名前あるだろう、そこをタップしてみろ」
そっと指で触れると文字が点滅し始める。
おおー、すごいファンタジーだ。
「で、点滅したら、あだ名 "ゼロ "と言ってみろ」
言われるがままに言ってみる。
「あだ名 "ゼロ"」
文字が光り、点滅が消えた。
【ゼロ(夜乃刻 零児)】
と名前が変化した。
すごい本当に変わるんだ、でも " ゼロ " って・・・。
「おう、いいじゃねえか、しっかり "ゼロ "に変ってるぜ!」ブッププッ
クッ笑ってやがるじゃねえか、まーまた後でカッコイイ名前に変えおくか。
オッチャンは笑いをこらえながら、さらに続ける。
「ちなみに、あだ名を付けれるのは一度だけだぞ、ブプーーーッ」
大笑いしている。
えっマジか、スーッと頭の中が真っ白になりつい、いつもの癖が出てします。
「ゼロから始まるシルブプレってか・・・」あ、サブいな・・・・
バシーンと壁を叩く音が響き渡る。
「おい!お前今何て云った!!」
俺はビビりながら答える。
「ゼロから始まるシルブプレですか?」
「シルブプレだと!!」
両手で "ガシッ "と俺の肩を押さえ付ける。
何だ?何かまずい事を言ってしまったのか?
「なんだ、どういう意味だ !!」
オッチャンは興奮して怒鳴りつけて聞いてくる。
「え、え〜と、よろしくお願いします、みたいな感じです。」
オッチャン、アイーンの顔をしようとしてるな。
「ビックリだな、あいさつみたいなもんか?」
「よろしく、シルブプレ」
「お願いします、シルブプレ」
「よろしくお願いします、シルブプレ」
ブツブツ独り言を繰り返している。
「あの・・・・」
たまらず声をかけると "バッ "と目をキラキラさせてこちらを向く
「お前さっきから、こう、琴線にビシビシ触れる言葉ばかりいいやがるな!」
「こう何て言うか、興奮して胸の奥から込み上げてくるドキドキを・・・」
オッチャンがしゃべっているのに被せて言い放つ
「そういう時は "オラ、ワクワクしてくっぞ!って言うんですよ。」
オッチャンは目を丸くし、ハッと " アイーン " のポーズをとる。
あ、これ俺が驚いた時って言ったからか。
自分でふざけといてあれだけど、何かイラッとするな!