表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゼロから始まるシルブプレ  作者: new castle
3/110

怒られた

 しばらく走ると林を抜けた、目の前に広がるのは草原と湖、その湖に隣接して町の壁が立ててあり、木で出来た門の様な物もある。

 草原にはスライムが”プニプニ”していたり、さきほど見たトンボが飛んでいたりしている。

 とりあえずスライムを確認しておく。

【スライム Lv1】

 スライムはやっぱり雑魚の様だ。

 でもさっきはダメージを与えられなかったけどな?

 何か異世界のルールがあるのかもしれないので、モンスターはスルーして町まで逃げ込む事にした。

 逸る気持ちを抑えて街の門をくぐろうとする。

「オイ!!お前何やってんだ!」

 門の横にある守衛所のオッチャンに怒られた。

 人だ、言葉もわかる、日本語だ!!

 日本語を話す外人だ、40代前半のプロレスラーが皮の鎧を着ている感じだ!

 デカイな 190センチ位あるのか?

 目も髪の毛も赤く無精ひげ面によく似合っている、それでも人は人だ!

 喜びと安堵からその場にへたり込んでしまう。

 そんなおれを見てオッチャンはまだ怒っていた。

「お前見ない顔だけど街に入る時のルールは守らないと駄目だろ!」

「あ、すいません」

「とりあえず、そんなところに座ってたら邪魔だから横にどけ」

「あ、すいません」

 そそくさと立ちあがり横に退くと街の中からガラガラと音を立てながら馬車が出てきた。

 馬いるんだなあ、でかかったけど・・・・。

「気をつけて行けよー」

 守衛のオッチャンは気さくに手を振って見送っている。

「で、お前だ」

 くると振り返り俺を凝視している。

 ふと、俺の頭の方へ目が向く

「お前、何だその名前は?漢字ばっかりで読めねえよ、しかもお前 Lv0って何だよ!」

 ブプッと口に手を当てて笑っている。

 そうか人間相手でも目を凝らせば調べる事が出来るのか。

 オッチャンを見てみると

【マルロ】【Lv8】【称号:守衛】と出た。

 俺にも出てるんだよな?自分では見れないのかな?

「あの、俺はその・・・・」

 口を開くとオッチャンは被せて話しかけてくる。

「あー称号にま、まよい・・まよい・・ひと・・迷子か、お前迷子か?」

「え、俺迷子なの?」

 すっとんきょうな声が出てしまう。

「まー迷子ならルール知らない奴もいるな、怒鳴って悪かったな」

 オッチャンは気さくに肩へ手を置きしゃべりかけてくる。

「いや、あの・・・・」

 どう答えたものか、しどろもどろしていると、オッチャンいわく。

「でもお前見た所まだ成人したて位だろ?格好も変ってるし・・・手大丈夫か?怪我してるのか?」

 心配そうな顔でいろいろ聞いてくる、が・・・・

 今何て言った?成人したてって?俺が?

 この世界の成人がいくつからか知らないが・・・。

「あの、鏡、鏡ありますか?」

 他にも聞きたい事は色々あるが順番に処理していかないと付いて行けない!

 でも、最初の質問がこれってどうなんだろ・・・。

「おう、守衛所の中にあるぞ、身だしなみは大切だからな !」

 親指を立てて、何か歯を光らせている。え?その無精ひげは・・・?

 とりあえず無視して守衛所の中を覗き込むと、内側に鏡があった。

「ガビーン!」

 あまりの衝撃につい口走ってしまう、悪い癖だ・・・・。

 ほほを引っ張る "痛い "確かに自分だ、確かに自分だけど・・・

 16〜17歳、童貞バリバリの自分の姿が映っている・・・。

「オイ!今何て言った!」

 オッチャンが何か叫びつけてくる。

 俺もパニックっていたのか適当なことを言ってしまう。

「アイーンですか?」

 と、顎をシャクリ手をあごの下に構えながら説明する。

「アイーンだと、どういう意味だ!」

 なんだ、殴り掛からんとする勢いだな。

「え〜と、ビックリした時に使う言葉ですね」

 適当に適当を重ねてしまった・・・。

「ふう、なるほどな・・・アイーンか・・」

 一人でぶつぶつ言った後、オッチャンは俺の背中を叩きながら

「お前、おもしれえ奴だな!」

 満面の笑みだなオイ!

 いやいや自分は今それどころじゃない・・・だって俺は・・・

 日本では36歳、独身貴族、ダンディーになってきた自分を気に入っていたのに、今の姿はどう見ても高校生時代の自分だ・・

 でもなぜか七三分けになってる、こんな髪形した事無いのに、高校時代だと 170センチ 55キロってところかな、なんでだ?

 異世界効果か?

 それでオッチャンはガキ扱いしてきているのか、チェリーくさいもんな。

 色々合点は行くが、聞きたい事がどんどん増えていくな・・でもまずは

「あの、自分のプロフィールは見れないんですか?」

「プロフィール?聞いた事がない言葉だな、方言か何かか?」

 オッチャンは考えながら答えてくれているが、言葉が全部通じる訳じゃ無い様だ。

「自分の Lvや名前とか、その・・称号とか見たいんですが」

「ああ、ステータスの事か!そんなものステータス見たいと思いながら "ステータス"て言うだけじゃねえか」

 そんなことも忘れてるの?って感じで目を見開いて、なんか顎をシャクろうとしているのが気になったが、ステータスのが先だ。

「ステータス」

 目の前にステータス画面が浮き出る、向こう側が透けて見える半透明の板だな、空中に止まっている。

【夜乃刻 零児】【Lv0】【称号:迷い人】

【攻撃:0】【防御:0】【体力:0】【敏捷:0】【知力:0】

【スキル:-】

【ユニークスキル:?】

 全部0だ・・・

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ