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第三十八話

 そして、アラバはレフィーユがいるであろう暗がりを感覚的に見ると、目をこらしてしまう。


 「?」


 そこには彼女はいなかったからだ。


 そして、アラバは感覚的に…。


 「ふん!!」


 暗闇から伸びたレフィーユの攻撃を避けた。


 「ほう、アレに反応できるか?」


 「いきなり、何をするんですか…」


 彼女は自分の細く長い指を、握っては離したりして答えた。


 「ふっ、お前は偽者だ」


 「何を唐突に?」


 先の攻撃がよほど殺気があったのか、アラバは空間から先ほどの様に闇をかき集めて球体を作る。


 だが、レフィーユは明らかに視界に入っているというに、こうも言う。


 「根拠はある。


 こんな時間に、ここでトレーニングのは禁止されている」


 「なら、貴女だって同じ事を言えるでしょう?」


 その指摘に彼女は、一回咳をする。


 「だったら学園の制服でトレーニングするのは、どうかと思わないか?」


 「全く、コレもトレーニングです…よ…」


 一瞬、顔をしかめるのも無理も無い。


 アラバは話ながら、レフィーユの捕縛術による足払いを避けたのだ。


 「軽々と避けてくれるモノだ」


 「絶対『来る』と思ってましたからね?」


 そこでようやくアラバは身構え、レフィーユと対峙する。


 「だが、お前にとっては制服を着ながらが、トレーニングだというのはどういう事だ?」


 彼女にしても、犯罪者を取り押さえる術を武器だけで行っているわけではない。


 捕縛術という柔術に似た体術もこなす。


 「この通り、敵に弱点をむき出しにするトレーニングなぞ聞いた事がないぞ?」


 あっという間に、アラバの右腕を取り、カッターシャツの襟を掴んで、足を引っかけて投げる。


 が、レフィーユは投げた相手に向かって、不機嫌そうになる。


 「何故、毎度、投げれん?」


 「タイミングはわかってますからね。


 私が身構えている間は、まだ貴女には投げられてあげる気はありませんよ」


 「コレでも、捕縛術はAクラスなんだがな?


 だが、トレーニングをするのなら、適した服装をする事だな。


 動きにくい状態で鍛錬を積んだトコロで、結果はたかが知れている」


 「私は、現場が待ってくれませんからね…。


 突然の出番だとか、いちいち着替えていられないでしょう?」


 指摘されたかのように見えたのか、レフィーユは一旦、自分の服装をチェックするようにスパッツを伸ばしてみせた。


 「なるほど、そういう意味合いでの動きでもあるか…」


 ちなみにこの間も、レフィーユは攻勢に出ているのだが、アラバは捌いていた。


 「だったら、普段はどうしているのだ?」


 その中で、ようやく投げられもする。


 「…準備もする事もあるだろう。


 というより、普段、何を着て行動しているのだ?」


 だが、ゴロゴロゴロと明らかに狙って転がって立ち上がるので、彼女には不機嫌が混じる。


 「誰もが気になる法衣の下ですか?


 普段は、黒のTシャツですね。


 ズボンは普段と代わりありませんよ」


 「準備しているのなら、動きやすいモノを履いておけば良いだろう?」


 その指摘に答えるようにアラバは手を出した。


 「確かに、その辺は昔は気を使ってましたよ。


 当時にしても、軍で使っていた迷彩服の、動きやすいモノを履いていたのですよ」


 それをレフィーユが手で払い、足を取ろうとするが、アラバは自分の膝を浮かせて『コレが来ますよ?』素振りすると、二人は一旦、動きを止め。


 「するとですね。


 切れた布きれから、購入先まで調べる人がいたのですよ」


 アラバは意味合い込めて言った。


 「もしかして、お前がそうなったのは、私の所為か?」


 さすがに原因の元凶を指摘するのは、アラバは避けたのが視線でわかったのかレフィーユは顔をしかめる。


 「あそこまで調べる人がいるとは思いませんでしたがね」


 しかし、それは重要だったので、アラバはこうも答えた。


 「ですが、逆にそこまで調べないと、治安なんてモノは守れないのでしょうね?」


 「だが、今は、その機能が失われようとしている」


 「イワトさんの件ですか?」


 「あの件で、おそらくみんなはミーアを探すのに躍起になるだろう」


 「ですが、ミーアさんは姿を隠すでしょうね?」


 「そうだ誰もがミーアを怪しんだ時、深く調べるモノがいるだろうか?」


 アラバは静かにレフィーユを見ていた。


 「漆黒の魔導士を、その通り、躍起になって調べに調べた。


 その結果、どんな事になったか…。


 アラバ、お前は知っているだろう?」


 「みんなには、私の様になってほしくない。


 だからこそ、私は、今回は一歩下がったトコロで捜査をしてかったのだがな」


 彼女は自分が取る行動を、アラバは言った。


 当然、アラバはこう答え。


 「私は出るべきはないと思いますよ」


 言葉とは裏腹ににアラバは、開始線で身を屈めていた。


 「ふっ、対立はいつもの事だろう?」


 レフィーユは手にサーベルを作り上げたが…。


 「いや、だからこそ、答えなければならんのだろう」


 それをやめて身構えて見せた。


 そして…。


 「姉さん、こんなトコロにいたの?」


 数分後、レフィーユが気配がしたのでそこに向くと、セルフィが入って来ていた。


 「まあな、それで何の用だ?」


 「姉さんが見当たらなかったから、探して回っていたのよ」


 「すまんな、ここのトコロ、外にも出れなかったのでな。


 トレーニングをしていた」


 「トレーニング?」


 「ストレスもたまる」


 そして、レフィーユは先の事を誤魔化すため、出て行こうとするが


 「トコロで姉さん…」


 セルフィに止められた。


 「アレは何?」


 そこにはアラバがうずくまっていた。


 「気にするな、ただの暴漢だ」


 だが、セルフィは怪しんだのも無理も無い。


 「レフィーユさん、コレは酷くないですか…」 


 お尻を押さえて、うずくまっているのだから…。

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