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第三十六話

 「どおりで貴方の入院場所を、調べるのに骨が折れたワケですね」


 アラバのため息も、セルフィを黙らせるのには十分だった。


 「お仲間に、仕事場、この病院、独特の警戒がありましたからね。


 察せはしますよ」


 「アラバさん、アンタもだ。


 偽者なら、この程度は仕草、真似る」


 あまりのハマダの警戒にセルフィは向かって行き。


 「近づくな…!!」


 そんな事を言われてしまうが、セルフィは苛立つように答えた。


 「そんな事を言っても、話が前に進まないでしょう!!


 アンタだって、頭をはっていたなら…」


 先に喧嘩チームという前置きがあって、さらに年下というのに怯む事ない。


 それを止めたのは、


 「駄目ですよ」


 言いがかろうとしたハマダではなく、アラバだった。


 「一度、警戒されれば、就職なんざ容易じゃねえ…。


 でしたね?」


 「お前…」


 「アンタ、だからってね。


 このままじゃ、調書も取れない。


 ここに来た意味だって・・・」


 「私はただ見舞いに来ただけですよ」


 セルフィは呆れるが、アラバは構う事なく答える。


 「まあ、色々と聞きたかったのも事実ですがね」


 「お前が本物だって保証もないからな」


 アラバは苛立つセルフィを抑える様に言う。


 「どこで襲われたのか、教えるくらい出来るでしょう?」


 「ああ、それならな…」


 「セルフィさん、お願い出来ます?」


 セルフィは慌てて、メモを取る。


 おかげで意図のつかめないハマダは聞いてきた。


 「そんな事を聞いてどうする?」


 「こちらでも、ミーアさんを疑い出していますからね。


 事実関係を調べて起きたいのですよ」


 「シュウジ・アラバは、治安部じゃない。


 そこまで聞く事はないだろう?」


 「あいにくとレフィーユさんが、外出禁止状態ですのでね。


 それに事態は結構、最悪なんですよ」


 「ちっ…」


 ハマダは何度目か舌打ちをするが、アラバに向けられているモノではなかった。


 「アラバさん、アンタ…」


 「それにこれは予感なのですが、遅かれ早かれ、ミーアさんは姿を隠すのでしょう?」


 それにはセルフィが思わずアラバを見るが、アラバは呆れたように言った。


 「あの子もチームの一員ですからね。


 ハマダさん、貴方はボスらしく、それなりの指示を出すだろうと見ているのですよ」


 「じゃあ、俺が、本物か偽物かわからない状態なのに、言うと思うか?」 


 不安からか、ハマダの身構えていた。


 「ふん、今から飛びかかろうとするなら、その花瓶が飛んできそうね?」


 セルフィの皮肉はアラバに対しても『気をつけろ』という意味合いもあるのだろうが、先に警戒を解いたのはハマダの方だった。


 「これが偽者に襲われるって事なんだろうな。


 さっき言ったように、どこで襲われたのかくらいで勘弁してくれないか?」


 「治安部を甘く見ない事ね。


 どこに匿ったなんて調べれば簡単に判明できるわよ?」


 セルフィがそう言うが、ハマダは平然として答えた。


 「治安部を甘く見ない事か、だが、今、気をつけるべきはお前らの方だと思うぞ?


 俺は」


 「どういう事よ?」


 「あいつ等は、別の手段でお前等に向かってくるって事だ。


 多分、レフィーユ以外の人物で接触を図って来たら、防ぎようが無いぞ?


 お前等が、どれほど信頼しあっているのか知らんがな。


 俺はそういう連中に襲われたんだ。


 口を開かない理由は、そういう事なんだよ」


 ハマダは毅然と話す気はないのがわかったのか、セルフィがアラバに視線を送るので、アラバは答えた。


 「わかりました。


 では、もう二度と面会には来ません」


 「アンタね、それじゃどうするのよ?」


 「別の人をよこします。


 さらに次に来たときは、さらに別の人が来る事にしますよ。


 決して私とセルフィさんが、二度と来ることはありませんからね」


 「そうか、じゃあ、さっさと戻る事だな」 


 「ええ、それでは今度、私の偽者に出会ったら、叩きのめしてあげてください」


 病室を出て、ハマダはポツリと言った。


 「悪いな…」


 

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