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第三話

 「みんなも知っている。


 そのじゃんけんだ」


 レフィーユは軽くグーチョキパーとさせていたが、周囲は当然困惑する。


 「確かにそれなら、完全に勝負を運任せにできるけど、少し幼稚すぎない?」


 的確な指摘にレフィーユは、微笑んで見せる。


 「おそらくセルフィの感情が、周囲の感情なのだろうな。


 わからんでもない。


 だから、こういった物を用意させてもらった」


 レフィーユは三枚のカードを取り出した。


 「じゃんけんカードだ」


 おそらく、いや、この場にいる全員が、


 ざわついていた。


 「姉さん、また、この人の作画が変わっているわよ」


 「放っておけ、もう説明する。


 察しはついている者もいるかも知れんが、このカードを使ってじゃんけんを行ってもらうという事だ」


 「何故、手の形が骨なのでしょうね」


 配られ手にしたカードを、アラバが適当に一枚を取り出し、眺めているとレフィーユが頷く。


 「だが、このカードが今回のイベントの要になる」


 そう言って、アラバに腕時計のような物を投げ、アラバは察したように言う。


 「これで脈拍を測り、相手の手札を読むのだな」


 相変わらず、作画を変えながら…。


 「アラバ、いい加減にしておけよ?」


 そう言いながら、レフィーユも同じような時計を持っており。


 スイッチを入れた。


 「これは昔、治安部が使っていた探知機を、私たちの学園の技術部にお願いして改造したものだ。


 このカードと連動して、これが個人の勝敗の有無を判別する事となる」


 どうやら自分を例に挙げたいらしいのが空気でわかったので、アラバがとりあえずカードを一枚取り出した。


 「あの、負けたら電気が走るとかないですよね?」


 「お前は私を何だと思っている?」


 レフィーユが、カードを呆れながら取り出す、当然、あと出しなので簡単に勝って見せる。


 「おや。腕時計が赤くなるだけですか」


 「負けたからな。


 負けた者は自軍の制圧ポイントに戻って5分間、待機しなければならないが…。


 ここで注目してもらいたい」


 彼女はカードを見せる。


 「レフィーユさんの使ったカードが、光ってませんね?」


 アラバは自分のカードを見せる。


 「負けた者は当然、このカードは使えなくなるが、勝った者も、その勝負に使用したカードが使えなくなる」


 「あいこの場合は、どうなるの?」


 ようやく幼稚さから、ゲームらしくなってきたのがわかってきたのか、セルフィが少し真面目に聞いて聞いてきたので、それに姉は頷く


 「使えなくなる。


 再び使いたければ、自軍の制圧ポイントに戻らなければ回復はしないという事だ」


 「なるほど、これなら、あくまで勝負は運任せ。


 みんなで攻める事が重要なゲームだというわけね?」


 「勝敗は各校のグランドに設置した旗をとる事とする。


 セルフィ、この旗を出来る限り、目立つ場所に設置してほしい」


 するとレフィーユは付け足すように言う。


 「ああ、それとそちらから参謀役として一人、こっち陣営に招きたい。


 お前も同じようにしてほしい」


 そうして、二校を挟んだ制圧戦が始まろうとしていた。


 「A、B、C、D、E、F、G、H、I、J…Tと、合計20ポイントの制圧ポイントですか、60人でやるとしては意外と拠点は少なくありませんか?」


 アラバの意見には、セルフィが呆れて答える。


 「30人対30人でやるのよ。


 まず私達が最初に半分の10ポイントを制圧するわよね。


 平等に人を振り分けて、三人しかいない計算になるでしょう?


 そこから攻撃に人を回してみなさい。


 どう頑張っても、頭数がたらない計算になるわよ」


 「なるほど、では前線を作る事が大事だと言う事ですね?」


 アラバはもらった腕時計型の探知機の機能を弄りながら、そう答えるがやはり気になっている事があった。


 「あの、セルフィさん?」


 「何?」


 アラバは一旦、周囲を伺う。


 だが、やはり自分が浮いていたので、改めて聞いてみた。


 「どうして参謀役が私なんですか?」


 数時間前、彼女の姉がやった事、この妹のやった事を思い出す。


 レフィーユがセルフィ側から、参謀役を選んだのにはワケがある。


 いくら見慣れた地理だとはいえ、確実にそれを把握するためだった。


 そこでセルフィを指名すると思ったのだが、彼女が選んだのはヒオトだった。


 そして、事は平等にとセルフィに一人を選ぶ事となり。


 そこで選ばれたのがアラバだったのだ。


 「あら、私は人選を間違ったつもりは無いわよ?


 あの中で一番、姉さんを知り尽くしているのが、アンタだった。


 それ以上の理由は必要?」


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