第十六話
「ふん、相変わらず。
とんでもない人ね」
「運動系以外、部費を必要としない部活には、ほとんど入部してて、よく先生に怒られませんでしたね?」
「それは幽霊部員ですからね。
吹奏楽部といった、真剣なノリの部活はさすがに入部は出来ませんが、というより避けましたが、基本、そうでないノリの部活でしたら、大体、可能なんですよ?」
「どおりで無駄に、チェスやら将棋やらルールに詳しいと思ったわ」
前方のアラバをつつきながら、市内を歩くのはセルフィとヒオトだった。
この組み合わせで歩く目的は、調査のためである。
「まあ、珍しい組み合わせよね」
セルフィは、ヒオトを見て言う、
「その通りです、どうして貴方と一緒に調査をしなければならないのですか?」
しかし、ヒオトは意味合いが違う、いらだちを見せる。
当然、セルフィはその事に関して黙る。
「アラバさん、わかってるのでしょうね。
本来なら貴方の立ち位置が、隊長なんですよ。
しっかり調査してくださいよ」
彼女の指摘通り、そこにはレフィーユの姿は無い。
その原因を作ったのは、彼自身アラバにあることもあるのだが、
「隊長に期待されてる貴方の腕前、どう調査するのか見せてほしいですね」
それに苛立ちを隠せないヒオトに、さすがにアラバは困っていた。
「どうしたのよ?」
「いえ、セルフィさん、どうやって調査すれば良いのですかね?
結局、学園内で事件が起きたとはいえ、何も起きてないワケですから…」
セルフィは呆れも見せるが、それはヒオトにである。
「ヒオト、確か容疑者は挙ってっていると聞いたけど、その話をしてなかったの?」
ヒオトは機嫌悪そうにしていたが、それはアラバにとって意外な事だったので驚いて見せる。
「そうなんですか?」
「私たちを甘く見ないでください」
ヒオトが携帯を取り出し、渋々といった感じだったが、そこに映った女性を見る。
「ミーア・ペンダブル。
この町に住んでいる東方術者です。
武装は鞭、付加能力は、言うまでもないでしょう?」
「それがパラサイターズのメンバーと?」
「いいえ」
アラバの質問にヒオトは首を振るので、そこで勘づく。
「それって、ただ付加能力が同じだから、調べるという事ですか?」
「誤解しないでください、根拠もあります」
経歴を見ろというので、経歴に目をやるとヒオトは言う。
「イエローテープなんですよ。
つまり…」
「犯罪を犯したことがあるから、調べるというのですか?
それだけの理由で身の周りを調べられたら、気を悪くしますよ」
「だから、身の周りから調べに掛かるのでしょう?」
毅然とした態度でヒオトは言うが、セルフィは察したのだろう。
「アンタの気持ちも、わからないでもないわよ。
でも、アンタにしても当てが無いのなら、付き合っても良いんじゃないの?」
そうしてヒオトに連れられて行く事になったのだが、そこはゲームセンターだった。
外見で物事を判断するのは良くないが、治安が悪そうなただ住まいにアラバは緊張を見せる。
「帰って良いですかね?」
「駄目よ」
セルフィが袖を引っ張る中、ヒオトは狙い通りと笑みを浮かべていた。
実際はもっと治安の良い場所もあるのだが、あえて治安の悪い場所を選んだのである。
「確か『N.O.N』というチームのたまり場でしたよね?」
「何を臆しているのですか、私たちは調査のために動いているのですよ?」
ヒオトは促すが、先頭はアラバがやるように促して。
つまり空気的にアラバがやらないといけなくなっていた。
「あの~」
そして、アラバが恐る恐る事情聴取を始めると、
「何…?」
アラバ達はあっという間に、囲まれていた。
「やはり貴方は役に立ちませんね」




