第一話
「ふ、やああ!!」
ひと際甲高い声と、共にセルフィは姉に対して攻撃をするが、
「相変わらず、お前の攻撃は踏み込みを許さないな?」
セルフィは少しムッとするのも、次の台詞で感じ取れるだろう。
「ふん、だったら一つくらい攻撃をかすらせてほしいわね。
姉なら、妹に、花を持たせる事くらい考えなさいよ!!」
再び、セルフィが木槍を振り回し、構えとけん制を両立させた遠心力で、もう一度攻勢に出る。
はたから見れば、とても模擬戦闘とは思えない光景だったが。
レフィーユは軽やかに避ける様には、余裕すら感じ取れ、反撃には力強さを失ってもない。
「っ!!」
その攻撃を受けて、セルフィの動きが止まり。
ブゥゥゥ!!
ブザーが鳴り、響いていた。
それは模擬戦闘の終わりを告げていたが、さっきの攻撃はブザーに合わせた一撃だとセルフィにはわかった。
未だ届かぬ自分の実力に、再度、彼女は苛立ってみせるが、その気持ちを察した、レフィーユは優しく微笑む。
「言っておくが、余裕などないぞ。
東方術でやり合っていれば、軽々と倒されていたであろう場面が何度もあった。
さすがとしか言いようのない。
それはお前が良い鍛錬をしている証拠だ」
歓声の中、もう一人、熱く視線を送る者もいた。
「さすが隊長です。
セルフィさんを、こうも簡単に…」
かつての治安部員のヒオトは一際、尊敬の眼差しでレフィーユを見て、胸にある想いをつぶやいていた。
「やはり戻ってくるべきなんです」
当然、それは気づくわけのない距離にいるが、セルフィは汗を拭きながら聞いてきた。
「ところで、姉さん。
あの人は?
さっきから見かけないけど?」
「ああ、さっきまでいたのだがな…」
姉の態度が、不機嫌になるのが見て取れる。
よほど自分の活躍する様を見せたかったのか、先ほどの模擬戦にも見せない表情を見せる。
そんな真似が出来るのは、アラバというのがセルフィにとっては面白げでもあった。
姉と一緒に、辺りを見回すと発見は出来たが。
「うわ、機嫌悪そう…」
偶然だがセルフィとアラバの視線が合う。
「……」
アラバはただじっと見ていた。
その際に負のオーラが充満しており。
この視線の問いかけに答えられるのは当人だろう。
「わかってるわよ。
でも貴方にも原因があるの、わかってるわよね?」
そうは言うセルフィを尻目に、自分の姉を見ると上機嫌になっていき。
セルフィが、もう一つの『負』に目が向くのは自然な動作だった。
ヒオトである。
『貴方には、負けません』
言葉にすればそんなモノだろうか、
言ってみればアラバは、彼女の視線から『負』を注入されていた。
「まったく、どうしてこういう事になってんのよ?」
今日は白鳳学園が招いた。
リスティア学園との学園交流会である。
まずは彼が招いた。
レフィーユの上機嫌を語り。
ヒオトの不機嫌を語るとしよう。