プロローグ
いつもと同じ帰り道。
むせ返るほど暑い。
遠くの方に蜃気楼が見える。
ミーンミンミンミンミーーン
首から背中へとつーーっと汗が落ちる。
「あっちぃ…」
アイスでも食べて帰ろう。
そう思って家の近くのコンビニに寄る事にした。
「いらっしゃいませー!」
涼しい、エアコンの風が体の火照りを冷やしてくれる。
アイスクリームにするか、シャーベットにするか…うーん。
「ありがとうございました!」
ウィーーーン
シャク、シャクとソーダ味のアイスを貪り食う。これぞ夏の醍醐味。
「おっと…」
財布を落とし、拾おうと屈んだ時、目の前が真っ暗になった。
ドンッ
鈍い音と鈍い痛みが体を走る
じわぁっと暖かい何かが体を湿らせる
なんだか、とても眠い。
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「翔…お前の大事な物、一番好きな物とお前の命を交換だ…」
「…はぁ?あんた…頭イカレてんじゃねぇか?」
「このまま…死んでもいいなら話は別だけどな、覚えてるだろ?ここに来る前に何があったのか」
「訳わがわかんねぇよ…お前…なにいってんだよ…夢だろ?なぁ!おい!」
「選べ翔。選択の時だ。」
「翔。睡眠と食欲と性欲。どれがお前にとって一番大事だ?」
「…欲……すい…みん欲…」
「OKだ、契約成立だ」
「う、わぁ!」
ブオオオン!
「あっぶねぇっ」
ドンッ!と後ろに尻餅をつく。
「あちゃー…財布引かれちゃった…」
ーーーズキン
あ…れ…頭が痛む…今…俺は何をしていたんだ…?
思い出せない。
「あぁ…暑い、帰ろう」
何か大事なことを忘れてる気がするけど何も思い出せない。帰ったら寝てしまおう。
「ただいま…」
「おかえり!遅かったわね!」
「うん、ちょっと昼寝してくる…」
ぼすん、と体をベッドに沈める。
うと…うと眠気がやってきた




