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滅びたニンゲンモドキ

作者: 小雨川蛙
掲載日:2026/04/11

 

 近年、化石として見つかった絶滅種ニンゲンモドキは現在繫栄している我々人類にとてもよく似ている。

 化石はもちろん残っていたDNAから再現された生前のイメージも全てそっくりだ。

 いや、そのものと言っても良いかもしれない。


 ニンゲンモドキは人間との生存競争の果てに敗れてしまったらしい。

 早い話が人類に滅ぼされたのだ。


「しかし、このニンゲンモドキ。実は我々よりも大きく優れた脳を持っていたらしい」


 ニンゲンモドキ研究の第一人者はそう結論付ける。


「それどころか現代の我々よりも優れた機械を作っていたのではないか……なんて思ってしまうよ」


 第一人者は一人呟く。

 なにせ既に滅びた古代文明のいくつかは本来は人類ではなくニンゲンモドキが築き上げたのではないか――なんて思うこともあるらしい。


「ここまで人類に近く、それどころかひょっとすると人類より高度な文明や文化を持っていたかもしれないニンゲンモドキ……彼らは何故滅びたのだろうか」


 第一人者はそう言って一人考え込む。

 いつだって。

 すぐに浮かぶ答えはある。


「……いや、それはないな」


 そして、今日もまたそれを振り払った。

 振り払ってしまう故に彼は生涯、答えを知りながらそれを受け入れることは出来なかった。



 ……だが、それも無理はない。

 なにせ、人類よりも遥かに『愛情深く、慈しみ深い』故にニンゲンモドキは戦争ではなく滅びを受け入れたなんて。

 そんな馬鹿げた結論を誰が受け入れられるというのか。


 いずれにせよ、今日も人類あらためニンゲンは様々な生物を苦しめ、時には滅ぼしながら繁栄を続けている。

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― 新着の感想 ―
ニンゲンモドキ、そこでニンゲン1種だけを淘汰して、他の生物への負担を軽減するのが、愛情深く慈しみ深い行動だったのに。
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