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第25話 治癒師の四天王

 ノーマンはすぐにエイガに気づいて、目を丸くする。


「お前なんでここにいる」


「え、えっと」


 どこから説明したものかと悩んでいると後ろからオーリアが叫ぶ。


「ノーマン様!こっちです!」


「!!容体は!」


 ノーマンはエイガを置いてすぐに子供の元へ駆け寄った。

オーリアは敬礼をしながら今の状態を簡潔に伝える。


「約10分間の出血です!治癒魔法はかけましたがおそらく3分の2以上を失ってます!」


ノーマンはそれを聞くとチッと舌打ちをした。


「わかった、お母さんですね、少しお子さんを預かります」


 ノーマンが母親の腕の中にいる子供に手を伸ばすが

 ぎゅっと母親はそれに反して子供を抱きしめた。

 小刻みに震えながら、力強く抱きしめている。 

 オーリアが母親の腕を優しくよかそうと手を置く。


「お母さん、不安なのはわかりますが今は一刻を争います――」


「あの、うちの子は治るんですよね?」


 彼女の声を遮ってそう母親が言った。

 エイガに母親の気持ちはわからない。

 しかし今ノーマンに任せる以外助ける方法がないことはすぐにわかる。

 そんなことを言う前に預ければいいのにと冷たいながらもエイガは焦る気持ちからそう思った。


 ノーマンはこの状況をどうするつもりなのか。

 いつものノーマンなら怒鳴りそうだが――

 ちらりとノーマンを見ると、そこにはいつも見せるような気怠げな顔ではなく、真剣な顔つきでまっすぐとその母親の目を見ていた。

 エイガはその今まで見たことのないノーマンの顔から目を逸らせなかった。

 ノーマンはオーリアの肩に手を置き、無言で手を離させる。

 しゃがんで蹲っている母親と膝を折って目線を合わせ、その手を子供を抱いている母親の手に自分の手を重ねた。


「お母さん、必ず治します。ですからお子さんを私に預けていただけませんか?」


 そうノーマンがまっすぐと母親を見つめる。

 ノーマンが見つめ続けていれば、母親はふと子供を抱いていた太く大きな手を緩ませる。

 ノーマンはそこからそっと宝物を取り出すように子供を抱きかかえた。


 「さぁ始めるぞ」


 ノーマンはそう言って杖を手に出現させたのだった。

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