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第23話 魔法の極意

 エイガが大方話し終えるとオーリアは顎に手を添えながらムムムと声を漏らした。


「いやいや、まずそもそも魔力が霧散すると……ふーむ不器用さんですねぇ」


「俺昔っから不器用で……」


「いやーそれだけではない気がしますが」


 ふとオーリアは噴水から立ち上がった。


「もしかして魔法はお嫌いですか?」


 指を頬に添えながら、まるで子供を相手にするように座っているエイガの顔を覗き込んでくる。


「嫌いっていうよりできるイメージができないっていうか」


「なるほど、なるほど。そりゃ使えないですよ〜、そこで躓いてる人は初めて見ましたが」


「うっ」


無意識の言葉の矢がエイガの心にクリティカルヒットした。

それに気がついたのかオーリアは慌てて口を開く。


「あ、ご、ごめんなさい!だ、大丈夫です! え、えっと……そう!ちょっとセンスがなかっただけです! 魔力があるなら魔法は誰でも使えますから」


慰めているつもりなのだろうが慰めになっていない気がする。

エイガが落ち込みだしたので、オーリアはうまく回りきっていない口で話題を変えた。


「憧れ!憧れを探してください!」


「憧れ?」


エイガが反応したのでオーリアは気まずくなった空気を取り直すようにゴホンと咳払いをして改めて杖を軽く振ってみせる。


「好きな魔法を決めましょう、それが魔法を使う第一ステップですよ」


「好きな魔法?」


 エイガが首を傾げると、オーリアはその場でくるくると回り出す。するとオーリアの持っていた杖の先から光の粉が出てきた。

 綺麗だ。

 風に靡いて光の粉が空に舞う。

 昼に太陽の光を反射しながら金色の光が青空に映える。

 でも何だろう、すごい既視感を感じる。

 あぁそうだ、ノーマンさんがよく出している蝶の粉に似ているんだ。


「いやいや、そうです!まずは好きな魔法を使おうって頑張るんです」


エイガが既視感の確認をしている内に、オーリアはもっと粉を出し始める。


「憧れというものはとても強い原動力になりますからねぇー。好きな魔法を思いつくもので、私が使えるものならお見せしますし、教えますよ」


オーリアがスッと杖を横に振れば、光の粉は消えてしまった。


「好きな魔法……」


 オーリアは杖を横に振りながらエイガの答えを待っている。

 ふとエイガの頭によぎったのは2つの魔法だった。

 アレーシアが使っていた氷の魔法とノーマンが使っていた治癒魔法。

 それしかエイガは知らないし、正直今モイが使っているような地味な魔法が使えたら嬉しいだろうが好きかと聞かれたら微妙だ。

 四天王が使う魔法だし、多分どっちも難しいんだろうが――


「俺は――」


 そうエイガが言いかけた時だった。


「キャー!!」


 何処からともなく悲鳴が聞こえた。

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