怪獣のいる日常?
ロボットに挑みたくなりました。
更新は超不定期です。
「なぁ。おい、なぁ。」
「俺の名前はなぁじゃないぞ、えーと…」
「焔翼だ。」えんよく
「そうそう。焔翼焔翼、そして俺の名前はフラシドだぞ、二度と忘れんなよ。」
「お前ブーメラン刺さってるぞ…」
こんな軽口を叩いているが今俺達は仕事の真っ最中である。
「暇だな」
「だな」
仕事と言っても事が起きるまで実際にやることは待機だ。
今は暇を紛らわすために設置された30枚のモニターで各教室の授業の様子を見ている。
「にしてもここほんとでかいよな。」
「そうだな、まぁ、こんなに生徒がいるんだ。そりゃ金はあるだろうな。そうでもなきゃ俺達はこんな高待遇受けられないしな。」
「そうだな…専属の整備部の人達も丁寧だし、部品も高品質!オイルなんて大手の最高級品じゃねぇか。至れり尽くせりだな、ガハハハ!」
「まぁ、それだけ期待されてるってことだ。」
俺はこいつと色んなとこで務めてきたが、ここまで丁寧な扱いを受けたのは初めてだ。
あ、整備の話ししてたら。ひどいとこのこと思い出したな、
「あそこに比べたら天と地の差だな」
「そうだなぁ。あれは酷かった。やり合ってる途中に黒いオイル吐いたときは「俺が一機目かよ」って思ったわ。」
あれは、酷かった。あそこ見栄を張るためか、俺達を雇用するので資金を使い果たしたから。それで満足してくれ、とか言いやがったから。雨ざらしで整備もせずに仕事できるかってんだよ。ああ、イライラしてきたな。
「昔のこと掘り返して、むしゃくしゃしてんじゃねぇよ、漏れてるぞ、雪が」
「これは失礼」
イライラしていたら、無意識のうちに魂力を使ってしまっていたようだ。
「うぅ寒。お前のそれほんと凄いよな、お前と組んでから怪獣の装甲割りやすくて助かってるわ」
俺はこいつの魂力、「焔」との相性が良いらしく、なんやかんやで3年くらい一緒にやっている。
「なぁ。おい、なぁ。」
「俺の名前はなぁじゃない。フラシドだ。それと気づいてるぞ」
先程から僅かではあるが嫌悪感を感じる。例えるなら、部屋にGがいる気がする。みたいな感じのやつだ。
「巡検をしたいから、ハッチを開けてくれ!」
相方がそう言うと、教室の様子を写している、(中にはたまに見るような抱腹絶倒ものの漫才を教室でしている)モニターとその奥のハッチがゆっくりと上っていく。
それと同時に肩を押さえるようにして固定していたアームが外れ、点検用の通路が横にズレていく。
「出るぞ、仕事の時間だ」
「さっさと終わらせるぞ、犠牲は0名だ。」
ハッチが完全に開き外から、むわっとした空気が流れ込んでくる。今は夏か。
「なぁ、聞こえるか?」
「あぁ、はっきりと聞こえる。奴らの音だ」
夏特有のセミの鳴き声の他に、「パキパキ」という現実では聞かない様な音がする。
何度聞いてもなれない奴らの這い出る音
「何度聞いても嫌な音だ。そしてうるさい音」
「しょうがないさ。生身じゃこの音が聞こえないから、こっちの音で知らせないといけないんだし。」
先程の音に加えてよくあるサイレンが鳴り響く。それ合わせて、校舎から聞こえていた話し声がピタリと止み、早歩きの足音だけが聞こえるようになる
「徹底してんなぁ、流石は名門様といったところか?」
「無駄口はここでおしまいみたいだぞ、このサイズは初めて見るな…ぁ……?」
空を割って現れたそれ、怪獣は3本指の足を持った一般的な怪獣と俺達は認識していた。が、直後続いてでてきたものに絶句する。
「でかすぎんだろ、おい!」
「分かってる!クソッ!繋がらねぇ!」
現れたものそれは肘あたりで二股に別れた腕でしかなかった。目測で、70Mはある巨大な腕、それが今体を出そうと空を叩いている。
「おい!まだか!?早くしろ!」
「だめだ!どこにも繋がらねぇ!くそっ何がどうなってやがる!」
それを、腕と認識したその時から、応援を呼ぶために本部に呼びかけているのだが一向に繋がらない。
ここでふとある可能性に気づく。
「もしかして本部が、通信回線がパンクしているのか?」
「何ふざけたこと言ってんだよ!個別に用意された回線がパンクするなんて、そんな事あるわけ…嘘だろ…そんなことがあるのか?」
「「大侵略」?」
考えたくない可能性しかし、過去の記録と今の目の前の景色、そして、本部と通信が繋がらないこと、それが、まるでその可能性が、事実であるように感じさせる。
その日、鎧が作られてからの初の被撃破者が生まれた。
ただ、一般人への被害が出なかったのは不幸中の幸いだろう。
文才…語彙力…ヨコセ…