EP35異世界と価値と
現代で仕事を終えて帰宅した田村。
急いでホームセンターに行き、塩を買い込む。
今日は10kg を買い込んだ。
地味に痛い出費だ。
現代の方の資金を考えないといけない。
今日は考えがある。
自転車で再度、河原方面へ走らせる。
会社での休み時間中、
何気なくろ過機の事が気になっていた。
・・・あの血生臭いの取れないかな?
スマホで水質改善と検索した。
検索一覧に、「水質改善 貝」と出てきた。
何気に調べてみると、シジミなどの貝類は
水質改善してくれるとのことが書いてある。
近場の川にでもいないか、と検索すると、
漁業権だの、数が減ってきているなどと
書かれていた。
閉じようとしたその時、タニシでも改善すると、
書かれているのを発見。
タニシならと思い、河原に行くことにした。
川ではなく、水門や小さな用水路にいるらしく。
陽が落ちないうち、急いで捜索にかかる。
いた!小さな用水路のU字溝のコンクリートの
側面にへばりついているのを発見。
10匹ほどが採れた。
まだ、生息しているのだな、と驚いた。
捜している途中にドクダミを採取
本当にどこにでも生えている、ありがたい。
自宅に帰り、異世界への準備だ。
塩5kg
ドクダミ
水 18L
タニシが入った袋
重いのでキャリーカートに乗せて、
早めに今日も異世界に入った。
本日も市場から1環街離れた場所に出る。
昨日と同じような場所だ。
市場が見えてくる。
「来たよ!」
遠くから女の声がした。
3人組が駆けてくる。
・・・逃げる準備!
キャリーカートから手を放す。
後ろを向き、走り出そうとした。
瞬間、
「ちょっと、待って。あんた、田村でしょ!」
声がかかる。
もしかして、知り合い?
もう一度振り向く。
手に何かを持ってぶんぶん振り回している。
・・・ん、何だあれ?カップ?
「お茶、お茶、欲しいんだけど!」
先頭の冒険者風の女がこちらに叫んでる?
「違うでしょ!今日は護衛でしょ!護衛!」
後ろの女冒険者に怒られた。
・・・なんだ、あれは?
田村は逃げる足を止め、立ち止まった。
近づいてくる3人組の女達。
あ、あれはハム子率いる女冒険者。(EP17参照)
手荷物の場所に戻り、挨拶を受けた。
「商業ギルドの依頼を受けて、
あなたの護衛にきた
『回輪の星』のパーティーよ。
この3人であなたの護衛を受けるわ。」
護衛?
先頭のハム子は剣ではなく、
デカカップを持っているけど。
「・・・よろしく。」
リーダーはサキと名乗った背中に小さな弓と
矢筒を担いでいるボイッシュな感じの娘だ。
次にナイフを左右の腰につけたマントの娘、
名はシホだそうだ。
そして、最後にまだデカカップを持っている、
田村の中の通称ハム子は名をハムナという。
とても覚えやすい。
・・・だが、ハム子でいいや。
ハム子は背中に小型の盾と腰に短剣を刺している。
・・・ハム子よ、お前は挨拶でカップ出すな。
リーダーのサキに叩かれている。
ハム子はしぶしぶカップを下げた。
三人を伴って市場に入る。
市場の奥の屋台にいくと、
すでにララが待ち構えていた。
「田村、その子たちは?」
商業ギルドの護衛だと、言うとララも見知った顔。
お茶を賭けた小石投げ合戦の時に、
ある程度実力はわかっていたそうだ。
「ギルドも本気だね、
田村一人に三人も護衛をつけるんだから。」
気分は大統領とか要人のようになる。
・・・ただのサラリーマンなんだが。
そう思っていると、横から商人ギルドの職員
と名乗る男が契約書を田村に渡した。
商品の受け取りに来たそうだ。
とりあえず、今日分の水と塩を渡す。
水の一部はこの市場の水瓶に移された。
「さあ、始めるよ!」
ララの威勢のいい声が市場に響く。
屋台のおやじ達が威勢よく応じながら、
肉を瓶に入れ始めた。
その間、田村は契約書を確認する。
いろいろ書いてあるが、金額で驚いた。
水 1L 銀貨 120枚
塩 1kg 銀貨 4枚
という事はすでに銀貨で
水 12L 銀貨1440枚
塩 5kg 銀貨 20枚
しめて、銀貨1460枚の稼ぎ!・・・?
いったいこれ高いのか?
そばに立つハム子に宿代を聞いてみた。
「私は安めの宿で1日銀貨5枚くらいかな。」
・・・なに、宿代銀貨5枚。
肉串は1本銅貨3枚。
3本も食べるとお腹がいっぱいだ。
牛丼並みを食べたくらいか?
では、牛丼500円=串3本銅貨9枚 では、
銅貨1枚 60円くらい
銅貨10枚=銀貨1枚=600円 だから、
本日の売り上げ 日本円で87600円!!
恐ろしい、恐ろしすぎる、異世界価格!
現代の価格では、
ミネラルウォーターで
12L 1000円いかないでしょ。
ましては中身は水道水。
塩なんて、500円くらいだよ。
世界が変われば価値もかわる。
田村は驚愕した。
商業ギルドの契約について、
仕事の合間にララに聞いてみた。
「明日から、血抜きしない、塩味の無い肉を
売るか?それとも、大幅に値上げするか?」
そうなるらしい。
ララとの水の契約は今日までだ。
今後どうするか?田村次第だと言われた。
ララの目はいつになく真剣だった。
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この作品とはまったく異なる雰囲気ですが、
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『 異世界で始める籠城生活 』
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こちらも楽しんでいただければ幸いです。




