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EP29異世界とイメージと

★☆  検索ワードは 【野草飯】  ☆★

タイトル忘れてもこれで見つかります!


田村は小鍋で唐揚げを揚げ、皆に振る舞う。

ビールも用意し、屋台の面々と酒宴が始まる。

ポンチョが登場し、勝手にビールを飲み干す。

唐揚げの旨さにポンチョが、包丁作りを約束。

和やかな雰囲気で宴が続き、皆が唐揚げを絶賛。

しかしその肉は「ジャイアントラット」と聞き、

田村は衝撃を受ける。

市場の奥で店主達が美味い唐揚げに喜ぶ。

ドワーフのポンチョも酒に喜ぶ。

現代人田村は、ネズミ肉に泣く。

・・・鶏肉だと思いたかった。

田村がそうぼやいていると、

「田村よ、ホレ出来たぞ。」

言いながら、ポンチョが筋切り器を持ってきた。

現代でもある筋切り器。

構造は簡単で、剣山のような物を肉に刺す道具だ。

刺さった肉は筋が切れて柔らかくなる。

穴が開くので、味も染み込みやすくなるのだ。

ポンチョはほんの数時間で作ってきてくれた。

でも、なんか違う。

これ、武器だよな。


持ち手の柄がある。

しっかり握れるようにかなり太めだ。

手が滑らないように柄頭までついている。

・・・まあ、少し重そうだが許そう。


その上につばがある。

普通、鍔は相手の剣から、手を守るものだ。

・・・何をここで守るんだ?相手は生肉だ。


鍔から4本、細い小さな剣の刃が突き出てる。

ちょっと長めの両刃ナイフくらいの刃。

・・・4つ刃がついた・・片手剣?


刃刃刃刃

||||

||||

鍔鍔鍔鍔

柄  

柄頭

 

なんだこの特殊な剣は?

筋を切るより、モンスターを切り刻むものでは?

熊の爪で切り裂く感じになりそうな・・・武器?

店主達が、ドワーフ製の武器?に興奮する。

元冒険者の店主はダンジョンで試そうと言う。

「ドワーフ製の武器だぞ。ロマンだろ。」

何度か振り回して、使い心地を試していた。

それは、調理器具のはずだ。


「おい、ポンチョ。これはなんだ、筋切り器か?」


田村もそれを試す。

筋切りならばと、まな板の上で筋切りの素振り。

まな板に少し刃先が当たった。

まな板が熊の爪痕のように4つに切れた。

「どうじゃ、凄い切れ味じゃろ。」

自慢げなポンチョ。

筋も切れるが、使ったらまな板ごと切れるだろ。

切った肉も細切れになるだろ。

・・・イメージとは大切なのだな。

田村は学んだ。

おやじ達と話しているポンチョを呼んだ。

まな板の残骸をみせる。

思案気に考えるポンチョ。

「おい、ポンチョ。これは武器か?」

「うむ、武器にもなりそうじゃな。」

ダンジョンに行きたそうだった店主の目が輝いた。

・・・いや、いや、いや、そうじゃない。

「おい、ポンチョ。俺は武器を頼んだか?」

「武器にもなる、筋切りじゃ。」

店主の目がさらに輝く。

もう、ダンジョンで使いたくてしょうがない。

剣を振って見せる。

新しい武器の誕生である。

その名も、熊爪短剣?

その武器で斬られた相手は、瞬時に細切れだ。

「ハハハハ。」

もう、笑うしかなかった。

確かに、筋も切れるし、

相手の命すらも斬れることだろう。

筋切り兼武器を持った店主が相手を突き刺して、

仕留める仕草をする。

思案顔になる、田村とポンチョ。

武器だ、もう武器にしか見えない。

「ポンチョよ、試作2号機と、いこうか。」

「・・・うむ。」

また地面に絵を書いて、説明する田村。

今度はちゃんときっちりと説明した。

形、用途、材質、注意点、全部。

イメージ共有、大事。

会社で新人の頃、課長にアレやっといてと言われ、

ポカーンとしていた。

・・・アレがわからん。

イメージ無し、知識無し、経験無し。

その後、慌てて先輩にいっぱい質問したあの頃。

思い出すよ、社会人一年目。

・・・ポンチョよ、俺が悪かった、許せ。

ポンチョに謝り、試作2号機に向けて会議をした。


「明日もあるんだ、今日はお開きにしようか。」

ララがみんなにそう告げた。

田村はポンチョとの会議を終えたばかりだった。

明日にはろ過機もできるそうだ。

仕事が早くて、本当に助かる。

田村も帰宅しようと荷物をまとめていると、

「明日もよろしくな。」

ララから声がかかった。

「そういえば、ララ、甘いものは嫌いか?」

田村はララに通りすがりに、質問した。

異世界名物の甘味事件が発生していない。

女性たちが現代甘味に驚く、恒例のアレだ。

「え、甘いもの?」

「そう、ケーキとか、今日のシュークリームとか。」

「なんだい、それ?」

・・・?

「あげただろ、昨日も?」

・・・?

お互い、合わない意見。

「昨日のあげただろ、白いの。」

「え、珍しい置物だろ、教会に持ってた。」

「お、お供え物。」

「うちじゃ、飾る場所なんかないからな。」

持ってこられた教会も困るだろ。

「なんか、神官が喜んでたぞ。」

・・・まさかのお喜び。

そういえば、渡しただけで教えてなかった。

そうか・・・イメージ共有、ほんと大事。

食べ物であると真実をララに伝えた。

「食べ物?あれが?あんな白いのに?食べ物?」

・・・確かにな、白いし綺麗だしな。

異世界人たちとのズレを感じるな。

今日渡した手土産のシュークリームも、

甘くておいしい食べ物だと伝えた。

シュークリームを手荷物から出すララの姉御。

食べてみろと促す田村。

「食べられるのか?この茶色の塊。」

「もちろん。甘くておいしいぞ。」

躊躇いながら食べるララ。

1秒後。

・・・むさぼり食べるララ。

1日遅れの異世界甘味イベントの発生である。

「甘いな、美味いな!」

口の周りにクリームがついてる。

小さい子が食べたあとのようだ。

「昨日あげたケーキも、甘くて美味いぞ。」

教えると、弾丸のように教会へ飛んでいった。

・・・返してもらえるといいな、ララよ。

明日の甘味を考えながら帰途に就いた。

うーん、めちゃくちゃ難産。

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