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EP17異世界とティータイムと

★☆  検索ワードは 【野草飯】  ☆★

タイトル忘れてもこれで見つかります!


異世界でドクダミ茶の効能が美容によいと好評。

次に、田村は、肉餅を作り始める。

見物人たちはその香りに引き寄せられ、

食欲を満たす為、次々と屋台に走り去る。

最終的に、年配婦人も食欲に負けて脱落。

田村の肉餅が完成し、

彼は異世界で初めての勝利を手にする。

女達が空腹を満たすべく一斉に屋台へ走り出すと、

市場は一気に華やいだ。

普段の男臭い喧騒に、

色とりどりの声と装いが混ざる。

市場の屋台にはいつも以上に人が群がっていた。

肉餅を堪能し終えた、さあ、次の準備だ。

しかし、田村直樹の優雅なティータイムは、

女達に狙われていた。

だが、今ならば、だれにも邪魔されずに、

優雅なひと時を味わえる。

田村の周りには誰も見物人、否、

お茶の効能に狂う女どもがいないためだ。

早速、手早く、お茶の準備にかかる。

本日はヨモギ茶。

自宅で洗ったが軽く、湧き水で洗う。

よし、溶けない。

確認が済み次第、ヨモギの葉を手で軽くもむ。

葉がまとまって、水分がにじみ出る。

水分から、青臭さが漂う。

揉んだ葉を小鍋に入れ、弱火でゆっくりと炒る。

焦げないように小鍋を振る。

最初は青臭い匂いが漂うが、

水分の蒸発とともに、少し甘い匂いがし始める。


お茶を作り始めた田村に、

夢中で肉串にかぶりついていた女性達が、

その匂いに気づき始めた。

最初に気が付いたのは、冒険者の女性陣。

日ごろの冒険者活動の為か、

匂いに敏感に反応した。

肉串を買ったのが早かった為、

もう食い終わりそうだ。

中には、串を食べながら、走ってくる人もいる。

片手に串、頬をモグモグ膨らませながら、

駆けてくる姿は・・まるでハムスター。

餌を口いっぱいに頬張り、

どこかに隠す習性がある、

かわいらしいハムスター。

まあ、冒険者風の女性はハムスターのように、

かわいらしいものではない。

目が血走っていて全然かわいくない。

その眼差しは明らかに狩人のそれ。

ハムスターのような女の後に続く、

冒険者女性達も皿を持っていたり、

肉串をくわえていたり。

ハムスター女冒険者を先頭に3人程が、

一心不乱に駆けてくる。


遅れて、冒険者女性の動向に気が付いた集団が。

若い娘集団4人衆だ。

「あ、抜け駆け!」

「ずるい!」

若い娘たちが、先を走る女冒険者たちに叫ぶ。

肉入りスープの器を持ちながら立ち上がる娘達。

急に飲み干してむせる者、

飲み欠けにしてそのまま後を追う者。

それぞれに、女冒険者の跡を追う。


上品そうな年配婦人と、その侍女たちの集団は、

今まさにテーブルについたばかり。

あくまで上品に。

そして気品高く。

食事中に立ちあがるなんて、みっともない行為だ。

だが、目だけは、田村の方を鋭く見据えている。

見据える。凝視する。睨みを利かす。

婦人の顔がピクピク引きつる。

上品なはずの動きが、

突然すさまじい加速を見せた。

超速食事作法、発動!

侍女達もそれに倣って一斉に速度を上げる。


「やったー。あたし、一番!」

早くも、ハムスター女冒険者が田村の前に陣取る。

カップを取り出して茶が出来るのを待つ。

・・・これは・・・。

・・・もうお茶を振る舞うしかない雰囲気。

田村一人が飲むようなので、ヨモギ葉は少ない。

お茶にすれば、五杯ほどは取れそうだ。

・・・仕方ない。

あきらめたように田村はお茶に目を落とした。

かなり水分が飛んだ小鍋のなかのヨモギ葉。

ダンジョン産湧き水を注ぎ入れる。

そのまま、弱火でコトコト煮だす。

「・・・間に合った。」

「到着!」

ハムスター冒険者の仲間たちが田村を囲む。

「ちょいと、あたしも入れておくれよ。」

いつの間にか、ララの姉御も参戦。

女冒険者3名

ララの姉御。

そして、田村。

以上5名。

定員は締め切られた。

田村へ女冒険者達とララが、

それぞれ4つのカップを差し出す。

ハムスター女冒険者だけ、・・・カップがでかい。

他の人の2倍だ。

「なんだいそのカップは。

・・・どこで買ってきたのさ。」

ララの姉御はあきれてる。

・・・よし、この女冒険者は『ハム子』と呼ぼう、

それで十分だ。

田村は表情を崩さずに、思うのであった。


「ちょっと・・・まった!」

若い娘4人衆がここで駆けつける。

「私達が、お茶をもらう事は決まっているの。」

「こういうのは多数決で決めるものでしょ。」

「そうよ。そうよ。」

人数で押す若い娘4人衆。

若い娘4人衆+田村=5名

事態が混沌としだす。

目の前で繰り広げられる押し問答。


ハム子率いる女冒険者達

VS 若い娘4人衆

VS ララの姉御


年上にとか、先着でとか、多数決が、とか。


そろそろ、お茶ができる。

・・・ハァ、・・・早く決めてもらいたいものだ。

ため息が漏れる田村。

火をそろそろ止めよう。

手をコンロに伸ばしたその時に、さらなる厄災が。


「あなたたち、ここで何をしているのかしら・・。」

凄みを効かせながら上品そうな年配婦人が参戦。

庶民はおだまりとか、なんてはしたないとか。

さらなる混沌。


突然、誰かがカップを投げた。

それが合図のように、次々と空を舞う器たち。

田村の頭の上をポンポンと通過して行く。

カップを投げ終わると、小石が通過しだす。

・・・もう無理だ。

事態の収拾はあきらめた。

田村のまわりに、いろいろなカップが落ちている。

適当なカップ5つにお茶を注ぐ。

女達の怒声と小石が飛び交う中、

田村は静かに片づけを始める。

リュックに手早く詰め込み、

ソーっと現場を後にした。

市場を抜けるまで、女たちの怒声がこだまする。

・・・君子危うきに近寄らず。黙して去るのみ。

食欲は満たされている。

ティータイム優雅なひと時まで望んだら、

それは贅沢というもの。

給料日まで、あと1日。

無事でいることが肝要。

・・・ここはひとまず、

お茶を飲まずに、平和な現代への帰路についた。



スマホでも見やすいように、

2025年5/13に直しました。

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