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EP11異世界と料理と

★☆  検索ワードは 【野草飯】  ☆★

タイトル忘れてもこれで見つかります!


市場で謎肉串・腐臭キノコ・熱汁を順に試す田村。

強烈な臭いと味で、まさに修行のような食事。

無心で耐え、悟りを開く勢いで腹を満たす。

異臭をまとい、人々が避けて通るレベルに到達。

食べ物ではなく、精神修行と化した3日間。

田村は毎回、手を合わせ、静かに帰路につく。

給料日まで・・・あと4日間。

先は長い。


もう・・・限界、限界がきた。


田村は準備を始めた。

会社の昼時間。

皆が休んでいる。

昼食後、スマホをいじる人、寝る人、読書する人々。

しかし、田村は昼休みに入るとすぐ外へ出た。

・・・準備だ、準備が必要だ。

近場にある公園の水飲み場の水でがぶ飲みする。

空腹を紛らわせるためだ。

ゴクゴクゴク。

ギュルルギュルル。

腹が減り、胃が鳴った。

・・・辛酸舐めまくりだ。

公園の草むらに入る。

四つん這いになりながら、探す。

「なにあれ?なにしてんの?」

遠くから陰口をたたく、OLども。

無視だ、無視しろ。

今こそ修行の成果を発揮しろ!


・・・無心。


これで、OLどもの陰口は聞こえなくなった。

邪魔な声を消し去ってやった。

作業に没頭する。

あった、野草!

見つけたぞ、食料!

何種類かの野草を持ってきたコンビニ袋に詰める。

よし、大漁。

これで準備は整った。

帰宅すると、荷物をまとめる。

自宅にある各種調味料。

必要と思われる調理器具。

炭水化物になる小麦粉。

なけなしの金で買った食材たち。

これらをもらってきた段ボール箱の中にぶち込む。

夜を待つ。

いざ出陣!!

よし、今回も無事に市場に到着。


戦場は市場の隅にあり!!


やや異臭が立ち込めている市場の隅の一角。

腐臭キノコ、血生臭い謎肉。

原因はお前らだ。

今日は修行なんぞはやらんぞ。

屋台を見て回る。

焼きキノコ屋台から、腐臭キノコを売ってもらう。

同様に、謎肉串屋台からも、謎肉を。

これで材料はそろった。

市場の片隅で準備をし始める。

会社の昼休み。

羞恥と空腹を堪えながら積んだ野草たち。

ノビル・・・ネギやニンニクの仲間で、独特の香り。

ヨモギ・・・香り強め、すがすがしい草系香味野草。

オオバコ・・・クセが少ない青菜系、少し粘り気有。

野草と、手持ちのお金でショウガともやしを買った。

しめて税込み143円。

もう、所持金7円。

なにも買えん。

市場の片隅にレジャーシートを広げる。

正座しながら調理を始める。

まず、肉!

お前血生臭ぇー!

塩水にはいっとけ。

鍋に塩水を作り、謎肉をドボン。

次、キノコ!

お前も入っとけ。

別の小鍋に塩水を作り、薄切りキノコをドボン。

しばらくしたら、謎肉を引き上げる。

水を切り、塩と刻んだヨモギでもみこむ。

またしばらく放置。

キノコにもヨモギをすりこむ。

その間タレ作り。

醤油、みりん、刻んだノビル、少量の砂糖。

そして、すったショウガを混ぜて、タレの完成。

持ってきた携帯ガスコンロでお湯を作る。

お湯に塩を入れ、オオバコをさっと湯通し。

ヨモギをすり込んだ肉をさっと洗う。

なるべく薄く肉をスライスしてタレにつける。

キノコも洗い、タレにつけしばし待機。

フライパンでもやしを炒め、塩と化学調味料を振る。

それを先に皿に盛り付けた。

続いてタレごとフライパンに謎肉とキノコを炒める。

調味料をササッとふりかける。

辺りに、醤油タレの焦げる香りが立ち込める

火が通ったら出来上がり。

謎肉とキノコともやしの炒め物。

フライパンでナンみたいな物を軽く作る。

副菜にオオバコの和え物を添える。

これで全部。


・・・ふう。

火を止める。

煙とともに芳ばしい香りが静かに立ちのぼった。

香りが風に乗り通りへ流れていく。

いつのまにやら周囲には人影が増えていた。

誰もが、田村の料理の匂いを嗅ぎ、見つめていた。

どこからともなく声が上がる。

「なあ、おい、あんちゃん。それを一口・・・。」

「誰にもやらん。」

食い気味に見物人に応える田村。

声を上げた男は、希望を失ったかのように天を仰ぐ。

さっさと食べよう。

持ってきた箸で料理をたいらげていく。

見物人達は喉を鳴らし、涎を出しながら見ている。

一皿食べきるたびに落胆の声が上がる。

「・・・おう、神よ。」

そんな事をよそに、田村は味を追求する。

・・・謎肉はよし、臭みは消えた。少し硬いか。

・・・キノコ、お前はまだ少し匂うな。だが食える。

残っていたタレまでナンできれいに食べあげた。


食い終わるとギャラリーは残念そうに散ってゆく。

そんな食後に田村は声をかけられた。

「あんた、どこでその水を手に入れたんだい?」

長い黒髪を後ろでまとめ、革エプロン姿の女性。

腰に手を当てながら、田村を見下ろしている。

へェ、水?

水道水をペットボトルに入れて持ってきただけだ。

返答に窮する。

「今は乾季。雨水は貯蔵分なんざ底を突いてる。

水ギルドが料理用に使う許可出したのも、

スープ屋の一軒だけさあね。」

そういうと顔を田村に近寄せた。

「いったいどこでちょろまかしてきたんだい。」

迫力に押され、田村はいいかえせない。

「おい、誰か、衛兵をよびな。水泥棒だよ。」

「ちょ、ちょっと待ってくれ。これは家から・・・。」

「へぇ、家ね。まあいいさ、じゃあ、塩はなんだい。」

塩の入った小瓶を手に持つ姉御。

「白くて交じりっ気のない綺麗な塩なんざ、

ここのところ、さっぱり拝んでやしない。」

「それも、家から・・。」

「また、家。あんた。お貴族様のぼんぼんかい。」

残った見物人から、ひそひそと疑念の声が上がる。

疑惑が田村を窮地に立たせた。


スマホで見やすいように、

2025年5/10に書き直しました。

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