XVIII.寝て起きて逃げたら落ちちゃった
僕は散乱しているモンスターの死体を集めていた。しかも、状態や種類をそれぞれ分けてまとめている。
モンスターの仕分けが終わると荒れ果てた草原の地面を均しておいた。
「これだけ派手にやっといて人間の死体は焼骨しかねえのか。これだけ地面割っといてくそ雑魚ども以外の死体が転がってないとはな」
そんなこと呟きながら地面を均していた。
「そっか、君みたいな子供にあんな芸当ができないと思いたいが、仕方ない。危険な芽は早めに摘んでおかないといけないな」
男はそう言ってイリの首筋に刃を振るった。
パキン——————
俺が咄嗟に男の刀を踏んで刀身を折った。男は折れた刀身を見て目を見開いた。
「名前知らないからクズ野郎って呼ぶけどいいよね? おまえはいまこども一人殺そうとしてたんだぞ」
俺は威嚇しながらそう言った。
「これも依頼だ。お前は冒険者ギルドに来なかったが、Dか? いや、Dランクごときに俺の刀を止められるはずがないよな。お前何者だ?」
男は俺の目を睨みつけて言う。
「ランクはたしかCだよ。まあ、自由に行動しても良いって言われてるし俺に招集は来ないよ」
「へー、どんな大金貢げばそんなの貰えんだ? Cランクで自由なんざ聞いたことねえよ」
男は折れた刀の先を俺に向けて聞いた。人にものを聞く態度というものを知らないらしい。
「『大束樹』 鑑定妨害強すぎない? 情報が何も見れないんだけど?」
俺は男を縛り付けて言った。
「これは、精霊魔法⁉ 何で人間が精霊魔法を使えてんだよ。それに、鑑定妨害を見抜くってことは鑑定持ちか」
「もう戦う気力ないし置いて行くね。頑張って抜け出してね」
そう言って俺達は街に向かった。
僕が草原を整備しているところにアイト達が歩いてきた。
「確かアイトだっけか? 僕はゾーノだ。お前ならこれくらい一人でも対処できそうだと思ったがな」
ゾーノ 人間 全職者
称号:over Zランク冒険者
魔法:全属性魔法 全効能魔法
スキル:各種妨害
耐性:全種攻撃耐性
「妨害使わなくていいの?」
「鑑定持ちか。珍しいな」
「そんな珍しいの? でもみんな知ってるからそんなマイナーじゃないでしょ?」
「ああ、別の世界から来たものは全員持っているようだが、この世界で生まれたものが取得できるのは稀だぞ。お前そんなも知らないのか?」
「そーなんだ。じゃあ俺はこの世界では珍しい部類なのか。じゃあ、また会うことがあったらよろしく?」
アイトはそう言って街に向かった。
僕は仕分けたモンスターを引きずって付いて行く。
私はゾーノが大量のモンスターを引っ張ってくるのを見て街の前まで迎えに行く事にした。
「ゾーノ君それは?」
帰って来たゾーノ君に対して私はモンスターの山を見て行った。
「草原に転がってたやつらだけど。大体の等級で分けたつもりだから」
「そうか。これだけ査定するのは大変だぞ。そもそも解体にどれだけ時間がかかるんだか」
私は頭を抱える。ゾーノ君が動く時の後始末が久々過ぎて忘れていた。
「できるかわかんないけどやってみようか?」
横から話を盗み聞きしていたアイト君が言った。
「お前解体とかできるのか?」
ゾーノ君がアイト君に目を向けて聞く。
「できるかわかんないって言ったよね? 確証はないけど、もしかしたらすぐ終わるかもしれないよ? そんな事よりこの街って病院とかある? イリの腕がめっちゃバキバキのボキでグチャグチャのバコだからさ」
私もゾーノも目が点になる。
「よく分からないけど、取り敢えず冒険者ギルドで診てみようか」
私は整理を付けながらそう言った。
「アイト兄ちゃん、僕もう疲れたよ」
そう言っては獣人娘がその場で気絶するかのように眠りついた。
「ちょ、イリさん?ここで寝られても俺担げないんだけど?」
アイト君は森人と獣人娘を何度も見直しながらそう言う。
「ったく、ちゃんと面倒くらい見ろよ」
ゾーノ君はそう言って獣人娘を抱え上げた。
「え?」
「持てないんだろ。ギルドにくらいなら連れてってやるよ。どうせこいつらここに置いて行くしかないだろうし」
ゾーノ君はモンスターの山を指して言った。
「そっか。じゃあよろしく」
「ああ」
私は臨時の依頼の報酬の準備を忙しなくしていた。
「リーノさん大丈夫ですか?」
たまたま冒険者ギルドに戻って来た冒険者さんが私が忙しなく動いているのを見て声をかけてくれた。正直邪魔なので声かけないでほしいです。
「いえ、大丈夫です」
私はそう言いながらずっと作業をしている。冒険者さんはその様子を見て空いてる席に座って静かになってくれた。
俺達が冒険者ギルドに戻ってくるとリーノさんは急いでカウンターから出てきた。
「ロノスさん申し訳ありません。査定の準備がまだ整っていないのですが」
「それに関しては後にしよう。取り敢えず医師はいるか?」
「まもなくいらっしゃる筈です」
「そうか。なら屋外査定用の準備をしておいてくれ。数が多すぎて置いてきたので外でして貰う事にする。人員も集めておいてくれ」
「はい!」
リーノさんはすぐに連絡を取りながら書類をまとめ始めた。
「アイトは何で冒険者になったんだ?」
「なんだよ急に」
ゾーノと俺はイリとルナをソファーに寝かせて近くの席に座って話していた。
「別に訳なんてないけどさ、連れが気になっただけだ。森人と獣人を連れてるから気になっただけだ」
「まー、なった理由はただの憧れみたいなやつだけど、二人を連れてるのは…まあ、形式だけで言えば奴隷?だけど仲間だよ」
「奴隷か。そうは見えないけどあの手の模様が証拠か。お前変わってるな」
「そうだね。力の解放のために奴隷にしたのと奴隷紋消すために奴隷にしただけだから別に普通の仲間だよ?」
「なるほどな」
話がひと段落したところで医師が来た。診た感じ普通の医師だと思う。
「お待たせしました。診るべき方はいますか?」
「こっちの二人をお願いします。獣人の娘は腕ボロボロだから気を付けて」
医師はイリとルナの様子を診た。
「なるほど、森人の娘はただの魔力切れですね。しばらくすれば動けるようになりますね。獣人の娘は腕以外は特に問題ないですね。腕はS級の回復魔法であれば大丈夫ですが、無理なら早めに手術しないと使えなくなりますね」
医師は二人の容態を俺に伝えた。
「S級か。分かった」
そう言って俺はイリの傍に寄った。
「俺が治してやるよ。『超越無限再生』」
イリの腕が元に戻った。少し形に違和感があったと思ったら肘がなくっていたみたいだ。ちゃんと治ったみたいでよかった。
イリの腕が戻ると俺は眠るように倒れた。
「イリの状態異常直ってるからこれで大丈夫そうだな。てか、俺も疲れた死寝る」
そう言って俺は眠た。
俺達は翌朝まで冒険者ギルドの一角で眠っていた。起きると三人ですごい勢いで食事を食べていた。
「イリそろそろ迷宮行かない? 俺が行きたいんだけど?」
「いいよ。昨日みたいなことなりたくないから」
「ルナは他にしたいことある?」
「いえ、大丈夫です」
「そっか。じゃあこれ食べたら行こっか」
「うん」「はい」
この前来たばかりなのに久しぶりに来た気がする。
「途中から行くのってあそこの機械に乗ればいいんだっけ?」
「えっとー、あの魔具に魔力を流せば置いてきたチップの場所に飛ばしてくれるはずですよ」
「じゃあ行こうか」
「うん」
俺達は一人ずつ別の機械の乗って魔力を流し込んだ。しかし、なかなか機会が動作しない。壊れてるのかな? その間に他の機械で三人ほど下りて行った。
俺達の機械がやっと動いき、三人は白い光に包まれて飛ばされた。
視界が戻ると、俺達は見たことも無いくらい所に飛ばされた。まわりはある程度見れるが、あまり広くは見えない。




