X.冒険者ギルドで門後払いされたら、厄災がやって来た
俺達は冒険者ギルドに入った。すると、音がなくなった。周囲からの目線がいたい。さっきの戦いが噂に為っているのかな?有名人ってこんな気分だったのかな?
俺達は真直ぐ受付まで進んで行った。
「ようこそ、冒険者ギルドへ」
「冒険者になりたいんだけど」
俺は受付にいた青味掛かった黒髪の女性に言った。スラっとしていて奇麗な人だ。名札には、リーノと書かれている。
「では“推薦証”を見せてください」
「推薦証? 何それ?」
聞いたことないこと言わないでほしいものだ。この世界に来てまだ数十日だよ?
「お師匠から貰っていないのですか?」
「師匠? 俺に師匠なんているの? 知らないよ?」
リーノは呆れたような困った表情を浮かべる。何でだろう? 俺は本当このことを言っただけなのに。
「推薦証が無い者は冒険者にはなれないんです。そういう決まりですので」
「えー、冒険者倒したって実績じゃダメ?」
「ランクによりますね。それに、貴方が倒したという証明が出来なければ駄目ですよ」
リーノは呆れ果てたように言った。
「Aランクならさっき5人くらい熨したよ。なんかボロボロのダラダラで死んじゃったんだよ? 街の人達も見てたけど」
「Aランク⁈ それに、目撃者が居る上で…」
リーノは手元の資料をすごい勢いで確認する。ちゃんと見れているのか分からないくらいの速さだった。うん、俺は見えない。てか見えにくい場所だし。
「ダメだったら今此処にいる冒険者ボコってもいいよ? その方が証明できるでしょ?」
「いえ、結構です。お引き取り下さい」
リーノは手元の資料をパタリと畳んでそう言った。
「なんで?」
「戦教を受けていない者には冒険者証を発行してはならい規約ですので」
「そうですか! だったらいいよ。冒険者の依頼勝手にやるから」
「冒険者でない者には報酬は出ませんよ」
俺は依頼の一覧を凝視する。スクショができないか試してみた。何故かできた。
「依頼が無くなるのが先か、俺が諦めるのが先か、どっちだろうね」
俺はそう言うと歩きだした。
「あ、そうだ。ここに来るまでの一本道に転がってる死体も早く片しちゃってよ。子供が見たら泣くよ? てか、泣いてたし」
そう言って俺は外に飛び出した。リーノは慌てて外の様子を確認しに行った道明といてあげて正解だった。想像以上の速さだった。
「依頼を受けると言っても、ルナたち何も見ていませんよ」
「それならさっき確認したときに保存したよ。これが一覧だよ」
俺は掲示板のスクショを紙として出した。創造が出来るかどうかの確認も踏まえてだったのだが、昔の宝地図見たな紙に印刷してしまった。
「どれがいい?」
「んー、これがいい!」
イリが指さしたのは『迷宮攻略【C】+』と書かれたものだった。
「ダンジョンか。いいな、ルナはどれがいいとかある?」
「ルナは何でもいいですよ」
「じゃあダンジョンで決まりだな。あのでっかい建物かな?」
街のはずれにすごく大きなドームの様な円柱状の様な建物があった。俺達はひとまずそこに向かって歩き出した。
私は逢兎が言っていた道を走っている。
少年が言っていた通りに無残な死体が転がっている。
「噓でしょ。これをあの少年が一人でやってのけたというの?」
「信じられないと思うけど本当だよ」「逃げ足が竦むくらいに残虐非道だったな」「あいつは人の皮を被ったバケモノだ」
見ていたであろう街の人たちが口々に愚痴を開ける。ボソボソとした声が少しの間響き渡った。こんなに大勢の人が見ていたなんて。
「あの少年が、これをしたというの。そんなの、一人で、こんな事してのけるなんて、嘘でしょ…」
「信じられなくても事実だよ」「Aランクが聞いて呆れたよ。冒険者って、実は弱かったんじゃね?」「あり得るな」
「そんなはずありません。ここにいる皆さんはたしかに強かった。危険な依頼も数多くこなされてきた優秀な方々です。あの少年にもう一度会って話を聞く必要がありそうですね」
私は冒険者ギルドに戻った。片付けの依頼書を張っておかないと。
俺達は目指していた大きな建物の元までやって来た。
「冒険者ギルドカードを見せてください」
俺達が建物に入ろうとしたら好青年が入り口でそう言った。ぜった2月14日の主人公だ。
「なんで?」
「ここは迷宮ですよ。冒険者以外は入れません。ですのでこうして確認してるんです」
「そっか、じゃあ入るね」
俺は聞く耳持たずに入ろうとした。すると、兵隊に槍を向けられた。入れてくれてもいいのに。
「止まれ。しっかりと受付してから入れ」
「受付も何もすることないじゃん。俺たち冒険者ギルドカード?っての持って無いんだし」
俺はキッパリと言い放った。門前払いならぬ門後払いだったんだよ?
「冒険者でない方はここでお引き取り下さい。ここから先は危険が多いですので」
俺達は摘まみ出された。
「ケチ! 入るくらい別にいいじゃん!」
俺がそう言っても誰も返事しない。それどころか冷酷な眼差しが増えた。
「アイトさん、取り敢えずここは一旦辞めておきましょう」
「そうだよ。無理してはいらなくてもいいじゃん。ここがダンジョンだって分かったんだから。冒険者になってからでもいいじゃん」
俺達は少し移動して他の依頼を探す。
「簡単そうなのはこの辺りですかね?」
ルナが指したのは薬草採取や低ランクモンスターの討伐だった。
「いいじゃん。適当にブラブラしとけばクリアできそうなやつじゃない?」
「でもこれあまり聞かない物ばっかりだよ」
「そうですね。どれもあまり聞いたことが無い物ばかりです」
俺|(達?)は少し悩んで結論付けた。
「よし、じゃあ適当に魔物倒しながら見つけたら回収する感じでいっか」
「そうですね」「決まり!」
俺達は街の外に出た。当然のごとく俺が知らない道に入ろうとしたのを二人掛で止められた。わざとじゃないのに必死だった。
「この草原ってあんまり魔物居ないよね」
「確かにそうですよね。少し移動しますか」
「あ!、なんか向こうから嫌な予感がする」
イリが急に指さしながら叫んだ。俺とルナもイリが指さした方向を見る。
「確かに嫌な感じがしますね」
ルナも険しい表情を浮かべながらそう言った。
「え? 嘘でしょ? 俺だけ?何も感じないのって」
「「……」」
二人は何も言わずに息を飲む。無言が一番怖いって知らないの?
「俺になくて二人にあるのって、あ!『危機察知』のスキルか」
俺がそう言うと途端に俺も嫌な気配を感じた。危機察知が危険信号を出しているらしい。
「これ大丈夫なの? 危機察知って自分が危ないときに反応するスキルだよね?」
「向こうに行ったら多分死にますよ」
「あっちに行くは嫌だよ」
イリもルナも恐怖の顔に染まっている。俺も手足が震えだしてきた。
「いや、逃げてもダメだよ。どんどん近づいて来る。倒すしかないと思うよ」
「嫌だ! 死にたくないよ!」
「本当に近づいてきているのなら逃げるしか…」
イリもルナも手足に力が入らなくなって来たのか及び腰だ。俺は杖を構えている。逃げてもすぐに追いつかれるそうだし。
「3、、、2、、、1、、、」
俺のカウントが終わると同時に閃光が走った。次の瞬間、
「グハ、、、」
俺は脇腹を深く斬られて倒れてしまった。
「アイトさん!」「アイト兄ちゃん!」
ルナとイリが駆け寄ってくる。危険な状況だっての分かってないのかな?
「大丈夫だ。これくらい『再生』でき、、グハ」
俺は少し血を吐きながらも立ち上がる。イリは傷口に手を当てて補助をしてくれている。
「精霊魔法『大地の癒し』 無理しないで下さいよ」
ルナは俺に回復魔法をかける。『再生』の仕組みが分からないから助かるよ。アニメの見様見真似だったからな。
「二人とも下がって!!」
俺は二人を遠ざけた。途端に俺の腹部に巨大な樹木の様なものが貫通した。
「ルナの魔法に似てるな。魔力が吸われてるのか。仕方ない、『魔力刃』」
俺は自身に貫通している樹木の様なものを斬った。すると、樹木の様なものは消えた。
「『大地の安らぎ』!」
ルナの回復魔法も相まって穴は直ぐに塞がった。しかし、体内の血管の再生はまだ不完全な状態だ。出血は無くなったが止血がまだできていない。さっきの回復を再現しつつ『再生』するんだ。
「見えない敵って想像以上に怖いね」




