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嫌われ魔眼保持者の学園生活 ~掲示板で実況スネーク活動してたんだけど、リアルで身バレしそうwww~  作者: ぺぱーみんと
【何故】配慮なんて知るか!!全部実況する!!(ヤケクソ)【こうなった?!】
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■■■


ユートは携帯端末をポケットに突っ込むと、魔眼を使用した。


「魔眼保持者とは珍しいな」


何度目かの魔法攻撃の応酬のあとに、スレ民がガーラと書き込んでいた魔族がそう呟いた。

しかし、その呟きにユートは一切応じない。


(これやるとガチで疲れるんだよなぁ)


だからあまりやりたくはないのだが、これ以上戦闘を先延ばしにしても、疲れるのは目に見えている。

要は、早いか遅いかの違いでしかない。

ユートの頭の中へ情報が流れ込んでくる。

その間にも、ガーラが魔法を展開する。

腕を高く掲げ、その先に魔法陣が現れる。

街ひとつを焼き尽くす、【地獄の業火】とも呼ばれる魔法だ。

魔族の魔法技術研究者達が作り上げた魔法である。

その構成は、魔眼保持者であってもそう簡単には無効化できないようになっている。

ユートがこの魔法を解析し、解除する頃には【地獄の業火】は学園を飲み込み、また街を焼いていることだろう。


「防ぎきれるか?

魔眼保持者(バケモノ)


ユートがこれ以上学園の校舎を破壊しないよう、生徒や教師に犠牲者が出ないよう気を使っていることに、ガーラは気づいていた。


だからこそのこの魔法であった。

ユートは、いつも通り指を中空に滑らせる。

その瞳には、あの禍々しい赤が宿っていた。


――世界記憶遺産(アカシックレコード)に干渉――


――過去に干渉――


――魔族ガーラが放つ魔法を、過去でキャンセル――


――未来に干渉――


――魔族ガーラが放った魔法を、未来にてキャンセル――


一瞬で、ガーラが【地獄の業火】を放つ、あるいは放ったという事象を現在から書き換え、キャンセルする。

その仕上げとして、ユートは指をパチンと鳴らした。

魔法が霧散する。

組まれていた術式が全てキャンセルされる。


「!!??」


ガーラの顔が驚愕に変わる。

もう一度、【地獄の業火】の魔法を展開しようとするが出来なかった。

そうなるように、ユートが世界を書き換えたからだ。

今度は、ユートの番であった。

未来視をする。

直近の未来、ガーラの取りうる行動全てを一瞬で見通す。

何千、何万の未来を見通す。


「吐きそ」


あまりの情報量に、ガチで吐きそうになる。

口に片手を当て、吐き気をグッとこらえる。

空いているもう片方の手で、魔法を展開した。

ガーラが逃げようとする。

空間を裂いて、その先に逃げようとする。

それを、しかしユートはお見通しだった。

静かに、ユートは詠唱する。


「闇色の金字塔、敵を穿て」


ガーラはその詠唱を聞いて、驚愕の表情を浮かべる。

同時に、彼の背後に真っ黒な円錐が現れる。

そして、ガーラの体を貫いた。


「きさ、ま、まさか」


血を吐きながら、ガーラは屋上に立つユートを見た。

その瞳には恐怖が宿っている。

なにも出来なかった、その事実がガーラを打ちのめしていた。

魔法の使用を制限された。

それも、並の制限ではなかった。

まるで、世界から魔法を使うこと、それ自体を拒絶されたような、そんな感覚だった。

その事実が、ガーラの脳裏にとある情報をよみがえらせた。

神のように世界に干渉し、事象を操ることができる化け物の噂。

神が零落し、姿を変えたとさえ噂される化け物の噂。

ほかの出来損ないの魔眼保持者(化け物)とは一線を画す、化け物の噂。

その化け物を、人間たちの女王が飼っている、飼い慣らしているという、そんな眉唾な噂。

それをガーラは思い出していた。


「きいた、ことがある。

人間どもが、かっている、かいならしている、バケモノがいる、と。

はは、あはははは!!

そうか!お前がっ!!」


ユートは面倒くさそうに、頭をかいて息を吐き出した。


「あー、はいはい、たぶんそうですよ、化け物ですよガオ〜」


そう答えたユートの声は、うんざりしていた。

何度目だよ、ほんと。

もうちょい、反応のレパートリーないのかよ、と言いたそうだった。

ユートは、ガーラが絶命したのを見届けると、そのまま落下させた。

円錐は消えている。

あとは、駆けつけた警察とかが調べるだろ、と考えユートはそこから転移した。

転移先は、チェスタをきた喫茶店だ。

一仕事終えたので、コーヒーか紅茶が飲みたくなったのだ。

休憩も兼ねている。

このあとほかの犠牲者達の蘇生を行わなければならない。

そのために休憩するのだ。

あと、チェスタに念の為アリバイ工作を頼むつもりだ。


■■■


355:底辺冒険者

行ったら全て終わってたでござる

(´;ω;`)


356:名無しの冒険者

マジかwww


357:名無しの冒険者

魔眼保持者、仕事早いwww


358:底辺冒険者

というか、学園に行く途中にある喫茶店前で、魔眼保持者氏に呼び止められたでござる

考察厨兼迷探偵氏とお茶飲んでたでござる


359:名無しの冒険者

マジかよww

なにげに余裕だな、魔眼保持者www


360:魔眼保持者

情報処理諸々で気持ち悪すぎて

トイレ借りて吐いてた


361:名無しの冒険者

情報処理って

え、それでどうやって倒したん??


362:名無しの冒険者

魔眼使ったんだろ


363:魔眼保持者

魔眼でアカシックレコードに干渉して

そこからガーラって魔族の過去、現在、未来に干渉して

魔法使えなくした


364:名無しの冒険者

わお、オーバーキルwww


365:魔眼保持者

めちゃくちゃ疲れるし、吐き気やばくなるから

あんま使いたくなかったんだけどなぁ


366:魔眼保持者

ペパーミントティー、美味い

胃がスッキリする


367:特定班

無事だったか

良かった

仕留めたんだな?


368:魔眼保持者

魔眼でちゃんと確認した

ちゃんと死んでた

本当は生け捕りにしたほうが良かったんだろうけど

未来視で生け捕りにした場合をみたら、あ、ダメなやつだってなって、殺した


369:名無しの冒険者

まぁ、仕方ないよな


370:名無しの冒険者

元々処刑されて死んでた扱いのやつだしな


371:名無しの冒険者

でも、国としてはだいぶ荒れそうだな


372:魔眼保持者

とりま、お茶のお代わりもらお

まだ胃がムカムカする

あとで目薬も買わないと

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