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プロローグ②


「でもそんな大きなことをするなら、それをできるだけの力がほしいですね」


笑顔があふれるような世界にする、なんてアバウトだけど大変そうなことするんだからね。

それにせっかく異世界転移するんだから楽しみたいし、すぐ死んだり痛い目にあったりするようなことになったら嫌だからなぁ。


不安になってそう言うと、女神様はまかせろとでもいうみたいに満面の笑みでなにかを操作しはじめた。


「それはもちろん、しっかりと力を与えさせてもらいます! まだ神としての力を与えることは無理ですが、このくらいは……よし、できました。これを見てください」

「あ、はい」


そういって見せられたのは、宙に浮いた半透明な画面。

そこには、たくさんの文字が並んでいた。


それを読んでいくと──


「HPとMPが9999999!? しかも魔法は全属性あって、HP自動回復やMP自動回復まで!あ、ちゃんと耐性系のスキルもある。というか、けっこうあるから全部じっくり読もうとすると大変ですね」


ずいぶんとたくさんの力を与えられていた。

しっかりと力を与えさせてもらうっていう言葉に偽りはなかったみたいだ。


ちなみに見せられたステータスはこう。


名前/齋部 和

年齢/15

種族/半神

職業/修行者

天職/神みならい

HP/9999999

MP/9999999


『加護』

女神テラスの加護


『称号』

神を目指す者、加護を受けし者、異世界転移者、魔導王、武道王


『職業スキル』

知識の書/Lv.1、真実の目/Lv.1、巧者(ごうしゃ)の耳/Lv.1、八丁の口/Lv.1、治癒の手/Lv.1、時空の円盤/Lv.1、創造の槌/Lv.1、守護の壁/Lv.1


『エクストラスキル』

HP自動回復/Lv.10、MP自動回復/Lv.10


『耐性スキル』

物理攻撃耐性/Lv.5、魔法攻撃耐性/Lv5、状態異常耐性/Lv.5、肉体苦痛耐性/Lv.5、精神苦痛耐性/Lv.5


『魔法スキル』

火魔法/Lv.5、水魔法/Lv.5、木魔法/Lv.5、風魔法/Lv.5、土魔法/Lv.5、光魔法/Lv.5、闇魔法/Lv.5、無属性魔法/Lv.5


『武術スキル』

剣術/Lv.5、槍術/Lv.5、斧術/Lv.5、槌術/Lv.5、棒術/Lv.5、弓術/Lv.5、体術/Lv.5、盾術/Lv.5


危険察知/Lv.5、気配察知/ Lv.5、気配遮断/Lv.5、錬金術/Lv.5、付与術/Lv.5、鍛冶/Lv.5、建築/Lv.5、家事/Lv.5


色々な攻撃系スキルや耐性スキル、錬金術とかの生産系スキルにくわえて家事スキルまで、ずいぶんと至れり尽くせりのスキル構成だ。


「神みならいに与えられる力とスキル、異世界で役立つようなスキルもつけてありますからね。本当はスキルレベルをすべて最高にしたかったのですが……神みならいスキルは自分で育てないといけませんし、それ以外のものもあなたの器の負担になるのでできませんでした。力を与えると言ったのに、ごめんなさい」

「いやいや、これだけあったら充分ですよ! ありがとうございます、女神テラス様」


ずいぶんたくさん貰えたなぁなんて思っていたら女神様から申し訳なさそうにあやまられて、僕は慌てて礼をいって笑いかける。


本やゲームの中ではろくに力を与えられないこともあるんだ。

むしろここまで力とスキルをもらえたことにおどろきだよ。


これなら、修行も異世界を楽しむのも充分やりとげられるよね。


「そう言っていただけてよかったです。では簡単ですがスキルの説明と使い方を教えますね」

「はい、お願いします」

「この職業スキルは神みならいに与えられるスキルです。スキルレベル以上のことをしようとすればMP消費が多くなったりスキルの発動が遅くなったりしますが、その代わりにこのスキルは世界のルールには縛られない高性能で便利なスキルなので、頑張って育ててくださいね」

「世界のルールには縛られない……はい、わかりました」


まさか、そんなチートと言わざるをえないぶっ壊れ性能のスキルだったとは。


すごいな神様みならいのスキル。これは積極的にレベルを上げていこう。


「『知識の書』は、日本とパスフリーデンの知識が詰まっています。要は百科事典のようなものですね。『真実の目』はいろいろなものを見通せます。これは心を見通すことはできませんが、千里眼のようなものですね。こちらのふたつを合わせて使うと色々鑑定できて便利ですよ」

「それは便利ですね!」


さすがは神様みならいに与えられるスキル、その内容もすごい。


しかもこのふたつのスキルでもすごいチートできそうなのに、まだあと7個もあるよ。


「『巧者の耳』は聴力が操作できて物事を聞き分けたり聞き知ったりするのが早くなり、『八丁の口』は喋ることが上手くなり口が達者になるので、言語理解や情報収集などに便利です。『治癒の手』はあらゆる病気や怪我を治療できます。ですが死者の蘇生はできないので気をつけてくださいね」

「はい、わかりました」


巧者の耳と八丁の口のふたつは一見パッとしないけど有用なスキルだし、治癒の手も死者蘇生ができないものの有用なスキルだ。


このステータスならよっぽどのことがない限り死にそうにないから、そうそうデメリットにはならなそうだね。


「『創造の槌』は想像したものを作り出すことができます。ですがしっかりと想像しないと中途半端なものができるので気をつけてください。『時空の円盤』は時と空間を操ることができます。ですが過去に時間を戻すことはできません」


これは、創造魔法と時空間魔法みたいなものだね。


ふたつとも本でよく見たチート魔法スキルですよ!

あとで絶対、時間停止機能付きの無限収納を作ろう。


「『守護の壁』は見たままのスキルで、害あるものから守ってくれます。こちらは心配なので自動発動にしておきましたが、気になったらご自分で色々と変更してくださいね」


これで神様みならいスキルは終わりだ。

こうして神様みならいスキルの説明をすべて聞いて思ったのは、もう『すごい』の一言だった。


これは、調子に乗りすぎないように気をつけないとな……


「エクストラスキルは特殊な上位のスキルです。HP自動回復とMP自動回復はその名のとおりの効果で、常時発動しています」

「とても有用なスキルですね」


これも本でよく見たスキルだ。

でも、HPとMPが自動で回復するのはすごいけど慢心はしないように気をつけよう、とふたたび自分に言い聞かせる。


調子に乗って自爆するとかよくあるパターンだからね。

気をつけないと。


「残りの魔法、武術、技能、耐性のスキルも見たままのスキルですが、各スキルの説明は……」

「大丈夫です。ありがとうございます」


僕は見たままのスキルといった女神様の言葉にうなずいて、わからないことがあったら知識の書で調べればいいかと考えて断った。


「では、使いかたの説明に入りますね。スキルは基本的に、どうやってスキルを使うかイメージしながら発動を意識すれば使えます」

「えっ、ずいぶん簡単ですね。魔法を使うときとか呪文詠唱はいらないんですか?」


呪文詠唱いらないのか。

無詠唱もよく本で見て憧れてたけど、一度は呪文を唱えて魔法を使ってみたかったなぁ。


「私は神であなたは神みならいですからね、魔力は勝手に出ていくのでこのくらいは簡単です。でも、魔法はイメージが鮮明であればあるほどしっかりとした形になるので、はっきりとイメージをするといいですよ。それと呪文詠唱ですが、それは人がスキルを使うときにしているくらいですね。人がスキルを使うときにはどう使うかイメージをして、それに必要な魔力を放出してスキル発動を意識しなければ使えませんから……呪文詠唱することでスムーズにいくようにしているのでしょう」

「そうなんですか」


呪文詠唱にそんな理由があったなんて。


けど、人が呪文詠唱をしてたのはよかった。

これで呪文を唱えて魔法を使ってみたかったっていう僕の願いは叶うね。


「教えることは以上ですが、質問などはありませんか?」

「いえ、大丈夫です」

「ではあなたを神みならいにして、この力を与えさせてもらいますね」

「はい、お願いします」


女神様の言葉にワクワクしながら笑顔でそう返事をすると、なぜか女神様が気まずげに目を反らす。


「──どうしたんですか?」

「あのですね、お願いしておいて言いにくいのですけれど……そればかり頑張らなくていいですからね」


それを不思議におもって声をかけると、女神様は反らしていた目を僕に合わせてはっきりとそう言った。


「修行は辛く長い道のりです。あせらずゆっくりと、力を入れすぎないように寄り道なんかもしてください。せっかく異世界にいくのです、楽しむのも忘れずに」

「はい、わかりました」


その言葉に女神様の優しさや気づかいがこもっているのがわかって、僕は嬉しくて小さく笑う。


「ありがとうございます」

「いえ……では、いきますね」


そう声がかかった瞬間、目の前が真っ白になって僕の意識は徐々に遠のいていった。


「つぎに目を覚ましたとき、あなたはもう神みならいに転生して異世界に転移しています。あなたがあの世界をどのように変え、そしてどのように成長していくのか……楽しみにしていますね」


はい、楽しみにしていてください。

きっと世界を笑顔であふれさせて、立派に成長してみせますから──

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