第二話 イレギュラー
ちょっと短いです。
ご容赦下さい。
「・・・何だコリャ」
俺は自分のステータスを見た後、そう呟きながら呆然とした。
「どれどれ、どんなことが書いてあったのか、ちょっと拝見させてもらいますよ~。」
そう言って、天海が俺のステータスを覗き込むように見て来たら、ほかの女子連中もやってきた。
「ホウホウ・・・これはすごいね~。ねぇねぇ多香美ちゃん、どう思う~?」
「そうね・・・種族が人族を含めて5つあるし、天職も4つもあるみたい。
一番謎なのは、下の『状態』のところよね・・・」
それぞれいろいろと考えているとき、いつの間にか俺の後ろにまわってきていた男ーー山田元木が、
「うっわ!進藤のステータスマジヤバ!ゴミカスレベルじゃん!!」
と、喧伝し始めた。
「あら、そんなことないんじゃないかしら?彼のステータスが低いのは状態による弱体化のせいでしょう?そうじゃなければ、彼はこのステータスの一千倍よ?」
と、すかさず多香美がフォローしてくれた。正直嬉しい。
「皆さんステータスの確認はし終えましたか?それでは次に、この水晶に手を翳して下しい。」
そう言うと、ルミナス王女は何処からか水晶を取り出した。
「これは?」
「これは皆さんの冒険者としてのランクを測るための水晶で、『位見えの水晶』と呼ばれています」
俺の質問に、王女は手際良く答えてくれた。
「ふーん。何のために?」
「実は、勇者様がたには学園に通ってもらいます」
「えー・・・。何のためにですか?」
白河が尋ねた。
そりゃ気にもなるだろう。
「理由は二つあります。
一つ目は、その学園では通常の剣術などの武術の他、魔術を教えているからです。魔王討伐に行く者は、幾ら程度が低くとも魔術を使えるようにしているだけで、戦い方が格段に増えるのです。
二つ目は、この世界のことを知ってもらうためです。まだあなた方はこの世界に来てからさほど時間が経っていません。なので、この国やこの世界のこと、あとこの世界での常識を知ってもらうことが大切だと思ったからです。
何かご質問はありますか?」
誰もその問いかけに答える人はいない。
「よろしいようですね。それでは一人ずつこの水晶に手を翳してください。因みに、ランクはSからFまでありますよ」
王女の案内のもと、みんな滞りも無くランクが分かっていった。
「やった!オレAだ〜♪」
「や〜ん。あたしBだった〜」
「オレもAだー!!」
みんな結果に一喜一憂している。
「翳して・・・。はい。・・・ワァ!最初からSですよあなた!おめでとう!」
「ありがとうございます。まさかこうなるとは・・・」
俺の前にいた箕田は、どうやらSだったようだ。さて、俺は何になるのかな〜。
「はい。手を翳して・・・。え?」
水晶を見ていた王女が、いきなり変な声をだした。
「だ・・・SSぅ??!!」
そして、いきなり叫びだした。
「どうしたんですか?!まさかジン君がなんかしでかしました?!」
天海がそんな事を聞いてきた。泣くぞ?
「ひゃあ!?」
「うわっ!?」
また所々で変な声があがった。
どうやら、誰か他の奴もSSだったみたいだ。
・・・調査の結果、こんな編成になった。
・S以上教室
進藤、白河明美、多香美雪音
天海鈴果、不動優里、箕田光輝の6名
・Aランク教室
Mob男1など15名が新しく入る
・Bランク教室
Mob女などの13名が新しく入る
・・・大丈夫かなぁ・・・?
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