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チート勇者の異世界冒険記  作者: 松竹梅
プロローグ
2/66

第零話 召喚される勇者達

これはある意味2つ目のプロローグと思われる気がしる・・・ま、いっか!

「お父様、準備が整いましたよ。」

「そうか・・・。」

「・・・お父様、やはりこの召喚術式は使わないほうが良いのではないでしょうか?」

「私もそう思う。だが、私達にはもうコレに頼るしかないのだ。分かってくれ。」

「・・・分かっております。」

「さぁ、始めよう。『召喚の儀』を・・・」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「オラっ!ホラッ!」


バキッ!ドカッ!


とある私立高校の体育館裏で、まだ沢山の部活が朝練をしている中、見るからにヤンキーな男が何やらとても怒った様子で、1人の男子生徒に対して暴行を加えていた。


「ったく。もううんともすんとも言わなくなっちまったぜ」

「アニキ〜。もうそんな雑魚は置いといて、行きましょうぜ〜」


ほんの少し離れたところで見ていたヤンキーの仲間が、退屈そうに話しかけた。


「まぁ確かにそうだな。今日はもうこんな雑魚は置いとくとするか。おいテメェ!これに懲りたらもう二度と!白河様や多香美様、そして天美様に話すのはもちろん、近づくのもやめるこったな!」


ザッザッザッ・・・



「おいおい、本当に大丈夫なのか?ジン?」


ヤンキー男が見えなくなった頃、少し遠くから見守っていた黒髪茶色目の男ーー雨宮大斗(あめみやだいと)が声を掛けてきた。


「ああ。どこも怪我なんてして無いさ。あんな赤ん坊も殺せない拳で俺を殴ろうなんて、百年はやいぜ」


そう言って、殴られていた男ーー哭動神鬼(こくどうじんき)は自分の制服についた土をはらいながら応えた。


「にしても、なんでお前やり返さないんだよ。お前だったら手加減しても勝てる相手だろうに」

「簡単なことさ。勝ちたく無いから(・・・・・・・・)だよ。」

「なんでさ?」

「 考えてもみろ。あいつは一応、この学校の力での支配者なんだぞ?そんなやつを倒したら、この学校で目立っちまうからな」


そう言って土払いが終わった哭動は、雨宮と教室へと歩き始めました。


哭動神鬼は普段はとても目立たない格好をしている。髪は黒く前髪は目にかかるぐらい伸ばしている。とてもヤンキーみたいな奴らに呼び出しをくらうやつではない。背はそこそこ高いというくらいで贅肉も全くと言っていい程少ない。「中肉中背」というやつだ。


しかし、それは本当の神鬼の姿では無い。実は神鬼は、日本を古くから護り続けている武闘家の家『哭動家』の一人っ子なのである。

神鬼は哭動家の中でも特に優れていて、ありとあらゆる武器を使いこなし、5歳にして地球上で敵うものはなくなった程である。


そもそも、『哭動家』という名前の家は裏表両方の世界で有名なのに、なんで神鬼が普通に殴られているのかと言うと、神鬼は「哭動神鬼」ではなく、「進藤奈木(しんどうなき)」と名乗っているからである。


そんな神鬼の産まれた哭動家には、古くから伝わる言い伝えがあった。それは、


『哭動の家に生まれし者、名につけられし鬼がやどる』


というものがあった。名に付けられし鬼、つまり、神鬼が宿している鬼は『神の鬼』なのである。


しかし、神鬼は今までに『鬼の力』を使ったことが無い。それは、鬼の力が『使えない』からなのである。

普通、5歳位になると少しづつ力の片鱗が見え始めてくるのだが、神鬼には、今まで1度も鬼の力が出たことはなかった。

だが、神鬼が殴られたりされていたのは、他に理由があった。それは・・・


ガラガラッ。


「おはよう。ジン君。今日もげんきそうだね♪」

「おはようジン君。今日も少し遅かったわね。何かあったの?」

「おはようございますジン君。ちゃんと宿題はやってきましたか?やってないんでしたら、私のを見ても良いですよ?」

「・・・おはよう。そしてなんで多香美先輩がいるんですか。ここ1年の教室ですよ?」


・・・この3人の女子生徒がその原因なのである。


最初に声をかけてきたのは、髪は茶色で目はやや茶色に感じる薄茶色。この学校の中でトップ3と言われるほどの美形で、顔良し、頭良し、性格良しの三拍子すべてが揃っている、しかしたまにドジっ子なところもあってとても可愛いと言われている白河朱美(しらかわあけみ)である。


次に少し堅いイメージのある口調で話しかけてきた人は多香美雪音(たかみゆきね)である。彼女もこの学校でトップ3に入る美形で、その美貌とキッパリとした性格、そしてカリスマ性に心惹かれる人はとても多い。髪色は黒で肩に掛かるぐらいに長い。目の色はくらい茶色をしていて、背は高めで胸は少し控えめ。ちなみに2年生である。


最後のほんわかしている口調で話しかけてきたのは天海鈴果(あまみりんか)と言う。彼女も最近トップ3の仲間入りを果たしたのである。髪は金色、目は普通の茶色。背は低めで胸は普通の人よりふた回りは大きい。何時もほんわかしていて、叱る時も優しく諭すようなところから「女神様」と呼ぶ人もいるとか。


そして、3人共神鬼の婚約者なのである。


「まぁまぁ。いいじゃない。私もこの2人に用事があったのよ。」

「そうだったんすか。ちなみにどんなy「兄様っ!お弁当忘れてますよっ!」・・・お前なんで来たんだよ、優里」


いきなり教室の扉を勢いよく開けて現れた少女ーー不動優里(ふどうゆり)に神鬼はうんざりするような目を向けた。髪は薄い青で、目も碧眼という感じ。背は標準の中学生ほどで、胸は本人いわく、まだ成長途中との事。ちなみに、優里は本当の兄妹では無く、優里がそう呼んでいるだけである。そして、優里はこの高校の付属中学の2年生である。


「だから、兄様がお弁当を忘れていたからと言っているじゃ無いですか。」


不動優里の産まれた家である『不動家』は、神鬼のところの哭動家とはとても長い付き合いがあり、『不動家で産まれた女は哭動家の男と婚約すること』という家訓がある程である。


不動家も哭動家の者程では無いが、武術の達人ばかりである。

そんないつも通りの日常を過ごしていた神鬼達に、とある変化がいきなりやってきた。


「ああ。そういえば玄関に置きっぱだったな。さんk「なんだっ?!床が光り始めたぞ⁉︎」

「キャアアっなにこれぇぇ⁈!」


突然、床が光り始めた。


「なっ、なにこれ?!」

「っ。なんだか嫌な予感がするわね」

「あわ、あわわ。どうしましょう〜」

「っまさか、これは!?」

「兄様、何か知ってますか?!」

「多分異世界召喚とかだろうな。しっかりなんかに捕まれ!・・・なんでお前ら俺をつかむんだよ。しかも大斗まで・・・」

「いいだろうか!お前のそばにいれば大体のことはなんとかなるしよー!」

「んなむちゃな・・・っ!」


・・・この日、にほんのとある高校の1年3組にいたクラスメイト33+2が、集団失踪事件に巻き込まれたと報じられた・・・。

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