第十二話 学園生活9 魔王とガチンコ勝負
「うーん・・・」
『どうした?早く使うスキル決めちまって、とっとと倒しちまおうぜ?』
うんうん唸っている神鬼に対して、魂は急かすような口調で話しかけてくる。
「いや、こんなスキルがあるぞっていうのは分かったけど、どれを使おうか迷っててさ」
『んなことで悩んでたのかよ・・・。じゃあ、【異空間武器庫】はどうだ?』
「【異空間武器庫】って、これのことか。どうやって使えばいいんだ?」
『簡単さ。まず、手を前に出してスキルを発動させる』
神鬼は言われた通りやってみた。
すると、 目の前に、闇が出てきた。
「うわ、なんだこれ」
『それが【異空間武器庫】だ。正確には取り出し口だけどな。そんじゃ次に、そこに手を突っ込んでくれ』
言われた感じにてを突っ込んでみた。
そしたら、頭の中に様々な武器や防具の名前が浮かび上がってきた。
「なんなんだ?これ」
『今、お前の頭に浮かんでいるだろう様々な名前は、そのスキルの力でとある場所に保管されている物だ。ちなみに、その中には本物の神具もあるぞ』
「まじか・・・」
そうして、使う武器を何にしようか吟味して、ついに決断した。
「よし、これを使う」
『あぁ。そりゃ結構な神具だな。そんじゃ時を動かすから。お前の戦いぶりに、期待してるぜ〜』
そう言うと、またあの時のように、時が動き始めた。
********************
「どうした?人間よ。おぬしはまだまだ戦えるであろう?」
時間を止めていたため、俺が壁に激突して、そこから降りて(落ちて?)間もない状態が今の現状のようだ。
「あぁ。俺はまだ戦えるさ。これがあるから、まだ戦える!」
そういうと、神鬼は手を前に突き出した。
「スキル、【異空間武器庫】、発動!」
神鬼が叫んだ瞬間、魂と会話していたときのような闇が、神鬼の突き出している手の前に現れた。
「なにあれ?!」
「なんなんだ?!あの黒いの!!」
そこかしこから驚愕の声が上がる。
「むっ?」
さすがの魔王も驚いたのか、少し動揺をあらわにする。
周りの動揺もお構いなしに、神鬼はその手を闇に突っ込んだ。
「出て来い!【魔刀・天堕地】!!」
神鬼が叫ぶと、闇は一瞬で手から引いていった。
そして、神鬼の手には、一振りの刀が握られていた。
「人間・・・。その武器、いや、その刀はなんだ・・・?」
魔王は、危険なものに対して接するように、ゆっくりと尋ねた。
「これの事か?これはお前の持っている武器同様、『神具』さ。正確には、神具レベルって感じだけどな」
神鬼は軽く、まるで当たり前のように言った。
「嘘を申す出ない!ただの人間が神具を持っているなどありえぬ!!」
「俺はもう、只の人間じゃない。人間を、やめたんだから」
魔王の発言を簡単に返すと、神鬼は再度、魔王に切りかかった。
「そりゃぁ!!」
神鬼は掛け声とともに、刀を振り下ろした。
「遅いといっただろうが!」
しかし、魔王も先ほど同様槍で防ごうとした。しかしーー
振り下ろした刀が、空中でいきなり加速した。
「なにっ!?ぐあぁぁぁぁ!!!」
魔王は驚愕の声をあげると同時に、身を切られた痛みで大声をあげた。
神鬼は切り終えた後、素早く後ろに引いていき、間合いを取った。
すると、魔王が痛みに耐えながらこっちをにらんできた。
「今・・・何をした、人間?!」
「俺は何もしてないさ。アクションを起こしたのは、この刀さ」
そういうと、神鬼は自分の持っている刀を見つめる。
「この刀の名は【魔刀・天堕地】。この刀は、堕天使の恨みや肉体から作られているらしくてな。上に存在するものを、下へと引きずりおろす。そんな力があるのさ」
神鬼は獰猛な笑みを浮かべながら、刀の切先を魔王に向けた。
「つまり、さっき俺が上段から切りかかったのは、この刀の力を発揮させるためさ」
「クッ・・・!!」
魔王が悔しそうな表情を浮かべ、その一瞬あと、にやりとした。
「ならば、おぬしが上段から刀を触れるような場所に、いなければよいだけだのう?」
そういって、魔王はまたがっている竜に命じて、上空に飛んだ。
「ふん!これならば届かぬであろう!!」
「・・・あぁ。俺が刀を上段から振り下ろすのは無理だろうな。だけど、この刀は、只速くなるだけじゃねぇんだよ」
神鬼はそう呟くと、一瞬で魔王のいるところまで飛ぶと、竜に切りかかった。
「馬鹿め!我の竜は地獄より来たりし竜!そう簡単には・・・?!」
魔王は神鬼を欺いたような表情で神鬼を見ていたが、次の瞬間、その表情は驚きへと変わった。
神鬼の振るった刀が、いともたやすく竜を切り裂いたのである。
「なにぃ!!」
「俺の話にはまだちゃんと説明できてなかったところがあったな。この刀は上に存在するもの、つまり、空に浮かんでいるものや、普段、空に存在しているものに対して絶大な力を発揮するのさ」
また今回で神鬼が無敵っぽくなっちゃいましたね。
安心してください。まだ魔王にも、切り札があるのです!
来週もお楽しみに~。




