024 最初の武器と金物店
前回のあらすじ
Q 冒険者ギルドへの登録が完了しました。カードが送られてきたら冒険者の仲間入りです
A おめでとうございます
「はぁ、本当にどれもこれも鋳造だなぁ……」
現在、俺は武器屋を回っている。
あの後、入り口付近で立ち話していた冒険者達と少し話をして、ちょっとした情報を手に入れていた。その中の一つが、冒険者ギルド周辺は武器・防具屋が軒を連ねているというものだ。
そして、その情報を頼りに色々な武器屋を回っているのだが、これが芳しくない。
剣かナイフを護身用として購入しようとは、武器を買ってくるように言われた時から考えていた。だが、それが全てと言って良い程に鋳造の品ばかりとは思わなかったのだ。
鋳造とは、鋳型に溶けた金属を流し込んで形を得る加工法である。その性質上、『鬆』と呼ばれる気泡が出来る場合があるのだが、これが曲者なのだ。
現代地球においては技術的な進歩やダイカスト法によって必要十分な性能を持った鋳造品は山ほどある。だが、このアマツチと現代地球では、比較するのも馬鹿らしくなるほどに技術的な開きがあるのだ。
スキル試験で使った刺突剣もそうだったのだが、表面に小さな凹凸が幾つか見られた。鋳造でも仕上げに打って削るらしいので、あれは鬆である可能性が高い。
鋳造と鬆は切っても切れない関係性があるので、この世界の技術力ではどうしても発生してしまうのは仕方がないことだとは思う。だが、限度というのもあるのではなかろうか。
今まで見たきた物は、長持ちしないのがすぐに分かるほどの品ばかりだった。とんでもないことだ。
もう諦めてしまうのも一つの手かもしれないが、なるべく最後まで粘りたい。せっかくの最初の武器なのだから、長く使いたいと思うのは当然のことだと思う。
鬆の嫌な点として、それが内部にあった場合が挙げられる。表面に小さな鬆がある程度なら、まあ目を瞑るのも良いのかもしれない。だが、内部に鬆があった場合はかなり厄介だ。
表面から見えない上、もしあったら大変。鬆が入っている部分は弱くなっているのだから。
もし内部に大量の鬆を抱えている剣を買ってしまえば、すぐに折れてしまうだろう。それはお金をドブに捨てるのと同じなのではないのだろうか。
その辺の事情を後ろで通行人から痛々しい視線を頂戴している母上様から聞きたいのは山々なのだが、それはちょっと可哀想なので止めておこうと思う。
結果、俺は幾つもの店を冷やかすだけのクソガキと化していた。
「鍛造のは高すぎ。予算500ブールだと手が出ない」
ちなみに、この国の通貨単位はブールだ。日本円に換算すると、1ブール=約10円になると思う。
なので、予算は日本円にして5000円。子供が持ち歩くにしては多すぎるきらいがあるものの、武器を買うとなれば微妙かもしれない。
ギルドの登録費用が600ブール(ギルドカードが届いてからの後払い)、タマネギとニンジンの為に多いとは思うが100ブールも取っておくとして、残りがその500ブールである。
対する鍛造の剣は、一万ブールが最低ラインだ。つまり、10万円。引くレベルだ。いや、日本刀なんかを考えれば安いのかもしれないが、『折れる』で有名なアマツチの剣なので、到底手を出す気にはなれない。
そんなこんなで、実は選択肢の内から剣が除外され始めている。
「剣って鋳造でも最低ラインが500ブールなんだもんな、高いんだか安いんだか……」
なので、俺が目を通すのはナイフになりつつあった。
だが、それでも不満は幾らでも出てくる。
7件目の武器屋に入って、何度目かの溜め息が零れた。
「はぁ……」
「どうですか、美しいでしょう? 君のような少年でも扱い易く、薄く軽く作られている一品です。値段も手頃でして、450ブールとなっております」
これまた何度目かの、店員さんのゴリ押し。溜め息の種類が分からず、感嘆の息と取られたのだろう。
「あの、この切り欠きって意味があるんですか? 応力集中が起こると思うんですけど……この部分から折れたってクレームとか来てませんか? ピカピカ光ってて綺麗だとは思うんですけど、これって磨いてるだけで防錆処理とかじゃないですよね?」
「……お帰り下さい」
終始、こんな具合である。こんな年端もいかぬお子様にごちゃごちゃ言われる店員さんも嫌だろうが、こちらにも事情というものがあるのだ。
と言うのも、恐らく今回の武器は母上様からの誕生日プレゼントになる。実は僕ちゃん、近々6歳になるんです。
母上様は今日の買い物に対して、それとなくそんなことを言っていたし、子供に持たせるには大きい金額だということも、そう考える理由だ。
そんな訳で、この買い物は大切な意味を持っている。半端な品では、後々の後悔が大きくなってしまうだろう。
だが、現実は非情だ。また店を追い出された俺は、もう何度目か忘れてしまった溜め息を吐く。残念なことに、さっきの一軒で武器屋の看板を下げた店は全て回り尽くしたことになるのだ。
「どうしますかねぇ……」
あと残っているのは、防具店と金物屋だけ。
防具店も少し見て回ってはいたのだが、確かにナイフ程度なら置いてある店もあった。だが、その質は今まで見てきた武器屋の物と大差なく、むしろ悪いと言える物の方が多数を占める。なので、もう防具屋も見て回る気がしない。
そうなると、残されたのは金物屋となってしまうのだが……。
「この辺だと金物屋はここだけか……ちょっと小ぢんまりしてるな。後、看板が汚い」
目の前には、『ファンデル金物店』の看板がある。『金物』の部分が激しく手書き感に溢れ、見る者に不安感を与えてくれるのだが、どうか。
とにかく、看板を眺めているだけでは何も始まらない。俺は頭を掻きつつ、その店へと足を運んだ。
鈴の付いた暖簾を手で払い、小さな段差を乗り越えて踏み入った店内。陳列棚はお世辞にも大きいとは言えず、やはり内部は外観通りの広さしかない。
だが、その品揃えには少々唖然となった。
雑然としていると言えば良いのだろうか、とにかく金属製品が溢れかえっている。
「お! お客さんか? らっしゃ……なんだ、ガキンチョじゃねえか……」
そんな不思議空間で出迎えてくれたのは、可愛らしい猫耳をつけた……M字ハゲのヒゲ親父だった。
「すみません、ナイフとかってありますか?」
「ん……? ああ、あるぞあるぞ! そこの棚に積んであるだろ。一応、シースには入れてあるが、気をつけて手に取れよ。スパッといっちまうからな!」
ガハハと豪快に笑うそのオッチャンは、なかなか野趣に溢れた外見をしている。腕は獣人らしく太く、毛深い。体格もかなりのもので、身長は180センチを超えているだろう。髪の色は赤に茶色がメッシュの様に複雑に入っている。その色から、彼が火と土の魔法に長けているだろうことが予想できた。いかり肩には、かなりの筋肉が付いている。
ただ、そこから垂れ下がっている前掛けが可愛らしい。淡い黄色のエプロンなのだが、猫のシルエットが描かれている。
「ありがとうございます、早速見させて頂きますね」
そんなオッチャンから促されるまま、ナイフが山積みとなった陳列棚へと向かう。
なかなか自信に溢れた言葉を頂戴できたので、少し希望が持てる……かと言えば、実のところはそうでもない。他の店でも、言葉の丁寧さは違えど、皆似たり寄ったりな事を言っていたからだ。
オッチャンのはセールストークとしてどうかというのはさておき、あまり期待せずに見るのが良いだろう。
「なんで鍋の横に置いてあるんですか……?」
「そりゃ店が狭いからだろ。ミッドラル王都に店を構えるってだけで馬鹿高いからな。工房まで作るとなりゃ、自然とそうなっちまうんだ」
「な、なるほど……」
他の店はどうだったかと言うと、工房と店の両方が広かった。
気にしたら負けということなのかもしれない。少なくとも、オッチャンがこの店を構えるのに苦労したのは事実だろうから。
なので、俺もちゃんと客として振舞うべきだろう。……買うかどうかはさて置くとして。
「…………おぉ!?」
そんな失礼なことを考えていたのだが、俺は一本のナイフをシースから抜いたところで目を見開いていた。
鋳造のナイフではある。だが、表面に鬆が全く見られない。材料は地の色と重量感から、他の店とそう変わらない物を使っているらしい。
なのに、この質の高さはどういうことなのだろう。
350ブールで価格は全て統一されているのだが、それは今まで見てきたどの店のナイフよりも無骨で、そして実用性だけを考えられて作られているのが分かる。華美な装飾は一切無く、だが鍔はしっかりとした大きさを持っていた。
「……オッチャン、結構儲かってる?」
知らず、動揺から敬語が崩れてしまう。
だが、オッチャンはさして気にしなかったようだ。
「ガキンチョがそんなの聞くもんじゃねぇよ。俺は武器屋としてやっていきたかったんだが、今じゃこの様だ。今日はお前が3人目の客ってところから察しろ」
現在、昼の15時過ぎ。ここらの店の開店時間は朝の7時かららしいので、この店も同じ時間から開いているはずである。
だが、それにしては来客数があまりにも少ない。確かに、この店は少し外れた場所にあるし、見た目もパッとしないが……。
「他より良い物作ってるのに?」
俺のその一言で、オッチャンは大きく目を見開いた。
確かに、このナイフはあまりに無骨だ。お世辞にも綺麗とは言い難い。慣れぬバフ掛け(光沢を出す為の磨き)の跡も見えるし、パッと見では鉄の塊といった印象を受ける。
だが、鋳造ながらもシースから抜き放つ時、確かな手応えを感じたのだ。
「シースが傷付くほどの切れ味と、鬆が殆ど見られない確かな仕事。見た目はオッチャンの趣味なのかな? 売れそうとはお世辞にも言えない見た目をしてるけど……うん、決めた。ここで買うよ」
「……坊主、分かるのか?」
オッチャンの声は信じ難いといった響きをしている。だが、俺もこう見えて元工学部。金属に関しては講義による知識だけではなく、実物にも触れてきた。分からないはずがない。
「正直、鋳造だからって舐めてたよ。十分な刃厚もあるし、変なフィレットや切り欠きも無い。耐用年数はどれくらいで考えて作ってるの?」
「おう……おう! そいつだと雑に使って5年ってところだ。それに、ウチのは全部投げナイフとして使えるぞ。先重りがするだろ?」
「本当だ。へえ……色々考えて作ってるんだなぁ」
今度こそ、本当の意味で感嘆の息を吐く。これで全部のナイフに目を通さないなんて、ありえない。
幸いにして、価格は全て350ブールだ。ならば、その中で一番良い物を買うのは当然のことだろう。
(もうちょっと装飾とかにも気を使えば人気出るんだろうな)
そんな感想を抱きつつ、6本目のナイフをシースから抜き放ち……また目を見開いた。
絶対にお目にかかれないと思っていた物が、急に目の前に現れたからだ。
いや、もしかしたら金を積めば再現は可能な物かもしれないのだが、予算500ブールでは絶対に無理だと断言できる。
目の前の一本のナイフ。これまた燻そうとして失敗したのだろう、ムラだらけの上、燻す際に気泡が入った跡があるのは残念としか言えない。ハッキリ言えば、下手くその一言だ。柄は太い紐を巻いただけなので、他よりも更に地味な印象を受ける。
だが、駄目な部分はそれだけ。刀身自体は全く別の評価になるのだ。
形状は他のナイフとほとんど変わらないものの、気持ち薄めに作ってある。ただ、本来なら他より強度が低い要因ともなるそれは、生憎とそうはならない。
何故なら、これは鍛造で作られた物なのだから。
ムラのある燻しの隙間から見える、綺麗な木目模様。それは、金属をパイ生地の様に何度も折り曲げて鍛えた証だ。そしてこの様な木目模様を持つ鋼は、特別な名で呼ばれる。
(ダマスカス鋼かよ!? こんなの他で見なかったぞ……)
知らず、ナイフを持つ手に力が入った。本当なら小躍りしたいくらいの心境なのだが、それは後回しだ。先ずは切れ味を知りたい。
「オッチャン、何か試し切りできるような物ってない? できれば木とか紙とか」
「お、坊主もやっぱり男だな。そのナイフが気に…………マジか、それが気に入ったってのかよ!?」
「オッチャンも人が悪すぎ。何でこんなの混ぜてるんだよ……逆に理由が聞きたいんですけど」
そう言って、お互いにニヤリと笑う。俺は良い商品を見つけたことで。オッチャンはそれを見つけられたことで。
おかしな話だが、その時、俺もオッチャンも男の子の顔になっていたと思う。
肝心の切れ味の方はというと、カミソリ並だった。
ただ、刃厚が結構あるので、切るのには向かないらしい。そもそも、ナイフは切るより刺すのに向いているのだとか何とか。
勿論、人間相手なら切るのもいけるだろう、とオッチャンは言っていた。だが、生憎と俺にはその予定が無い。
「そうか、まあそういう奴も結構居るな」
「あ、やっぱりそうなんだ? まあ本当に危ない目に会わされそうになった時はどうするか分からないけど、それでもそういった機会は遠慮したいかな」
それは偽らざる本心だ。平和が一番。『世は並べて事もなし』をモットーとしていたい。
「それな、そのナイフ。今まで抜いた奴は、一瞬でシースに戻しやがるんだよ。まあ、俺も色々とやろうとして失敗した部分もあったんだが、それでもなぁ……。そのうち、それで剣を作ろうと思ってるんだが、まだまだ問題もありやがるし」
「へえ、どんな?」
「硬てえんだよ。それに、まだまだ粘りが足らねえ。ナイフくらいなら問題にはならねえんだが、流石に剣にすると折れるだろうな。まあ、そのナイフが分かる奴の手に渡ったのは良かった。坊主が冒険者ギルドに登録するようになったら、ウチの宣伝とか頼むぜ?」
「実はさっき登録に行ってきたところなんだけど……。でも、駆け出しの宣伝って効果あるの?」
俺がそう答えると、オッチャンは驚いているのやら、悩んでいるのやらで難しい顔をし始めた。
「マジか、もう登録してんのか。最近のガキはませてやがんな……。しかしそうか、まだ駆け出しならな……確かに坊主の言う通りかもしれねえ。まだ人気店になるのは無理か……それでも、見た目だけの武器作るってのもな……」
これは、なんとなく分かる。この世界の剣やナイフ、武器の類は、装飾やらバフ掛けやらで人目を引くように作っている印象だ。
オッチャンが作りたい物は、機能性のみを重視した、所謂機能美を追求した物なのだろう。
逆に、こだわりがあるからこそダマスカス鋼なんて物まで作ったのだとも考えられるのだが……。
しかし、やはり売れる売れないを考えるならば、もっと分かり易い宣伝文句が必要となってくる。
ではダマスカス鋼のナイフはどうかと言うと、少し地味かもしれない。しかもこのナイフは試作品らしく、もしこの価格で量産するとなると店が潰れるのだとか。
確かに、鍛造で他とは一味も二味も違う工程を経て作られているのだ、これで350ブールは破格もよいところである。
もしちゃんとした形で売るとなれば7~8000ブールは取りたいとのことらしいのだが、これはこれでナイフとしては高すぎるのだから、オッチャンの苦悩が分かろうというものだ。
「槍は? ナイフとちょっと変わる程度でしょ?」
「それは一度考えたんだがな……柄との重量配分で躓いてる。木材は癖が強すぎる上、均質じゃねえからな。それに専門外も良いところだ」
「鋼管で柄を作れば良いんじゃないの?」
「ウチの設備じゃ鋼管は作れねえよ。いや、やろうと思えばできるんだろうが、鋳造になる。槍の柄として使えるような代物じゃねえな」
「う~ん……」
いつの間にやら、商品開発にまで話が及んでいる。
だが、オッチャンも理系で、俺も理系だ。協力したいという気持ちは大きい。
「ここって特注品とかも受け付けてるの?」
「ん? ああ、勿論だ。坊主も何か作ってほしいなら、注文すればいい。稼げるようになったら、な」
そう言って、オッチャンは意地の悪い笑みを浮かべる。
「それは武器以外でも?」
「ここは不本意ながらも金物店だ、注文に贅沢は言わねえよ。何だ? 本当に何か作りたい物でもあるのか?」
「あるにはある、かな……資金も、もしかするとどうにかなるかもしれないし」
俺が思案気にそんな呟きを漏らすと、オッチャンは耳ざとくそれに食いつく。
「おいおい、妙に頭の良いガキだと思ってたら、お前貴族か何かなのか? ウチの顧客になってくれるってのか!?」
「いやいや、ただの平民だよ。親父は金持ってるとは思うけど、母上様が財布の紐をガッチリ固めてるから、財源は俺の稼ぎ一つになります」
キッパリとそう言うと、オッチャンは見る見る内にしょぼくれ始めた。
だが、確かに策はあるのだ。それは、オッチャンがこのナイフを350ブールという破格で売ってくれたことによって浮いた資金によって可能になった。
それに俺自身の得意技を組み合わせれば、とある物を作り出せる。
「多分、俺の金策はなんとかなる。それに俺がオッチャンに作ってほしい物は、量産は難しいとは思うけど、結構な利ざやを取れる商品になると思うよ。俺はその商品を作ってもらえればいいし、オッチャンはその商品のアイデアを丸パクリしていいから」
「いやいやお前、ウチみたいな弱小でも特注品はそれなりに金とるぞ? 酔狂で商売してるんじゃねえんだからな」
「10万ブールとかふっかけられたら困るとは思うけど、数万ブールはいけるかもしれない……。まあ、相場次第なんだけど」
「おい、お前本当に子供かよ!? ガキが口に出して良い金額じゃねえぞ、それ」
確かにオッチャンの言う通りではあるが、俺の精神年齢は20台後半だ。金銭感覚はちゃんとしている……と思う。
とにかく、もし俺が前に読んだ本の記述が確かならば、俺は簡単に小金持ちになれるだろうという確信もある。こんな歳からそれに手を染めるというのはどうかとも思うが、やはり子供の財布事情では限界があるのは、今日という日で嫌というほど身に染みた。
「三日……うん、三日後に来れたらまた来るよ。ギルドカードの送付が早くて明後日とか言ってたけど、3日位は掛かりそうだし」
「お、おう……期待しないで待っててやるよ。何かお前、面白い奴だな。子供じゃねえみてえだ……名前は?」
「エイルだよ。エイル・ライン。オッチャンは?」
「ファンデル・ムーアだ。もう帰るんだろ? 気ぃ付けて帰れよ。寄り道なんぞしてると、すぐに日が暮れちまうぞ」
オッチャンから少し名残惜しそうな雰囲気が感じられたが、それは俺も同様だ。なかなか面白い話も聞けたし、有意義な時間を過ごせたと思う。何より、素晴らしいナイフも手に入れることができた。
だが、このまま居座っていてる意味はない。まだ俺の用事は全て終わっていないのだ。
それに、寄り道する所も増えてしまった。
「分かってるよ。えっと……紙に定規。あと、あれはさっき行商人の露店で売られてたよな。ああ、ニンジン1ザルにタマネギ5個……あれ、6個だったかな? まあ、タマネギなら日持ちするから大丈夫だろ。じゃ、またねオッチャン」
「おう、気を付けて……お前、お使いの途中なんじゃねえか!? やっぱりただのお子様じゃねえか!!!」
そんなこんなで、俺の始めての『ファンデル金物店』イベントは終了したのだった。
補足
時間に関してはオリジナルの物を使うと混乱を招くだけに思えたので、地球と同じに。
ダマスカス鋼はウーツ鋼の物ではなく、現代のダマスカス鋼に近い物です。




