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エピソード11 ゲーム

Episode11

登場人物

加地 伊織:主人公

池内 瑠奈:正義のヒーロー目指してます

山猫 :救世主 目指してます


山猫 (マシンボイス):「簡単なゲームです。 メカアニマルが加持伊織を殺せれば僕の勝ち、メカアニマルを全滅させて加持伊織を護れれば、聖獣の勝ちです。」


高原中に 怪しいアナウンスが響き渡っている。 …近所の住人って気にしなくても良いのだろうか?


瑠奈:「なんで、私たちがそんな事につきあわなければならないの? どうして、そんなくだらないゲームをやる必要が有るって言うの?」


負けじと、瑠奈も声を張り上げる。


山猫(略):「理由は簡単です。 僕のメカアニマルが聖獣よりも優れている事を証明できないと、これから起きる「神の戦争」の参加資格がもらえないんですよ。 まあ、本戦前の予選みたいな物ですね。」


伊織:神の戦争?


山猫:「勿論、聖獣を破ったというお墨付きが有れば、いろんな国の軍隊やら警察やらからオファーが来るでしょう。 ビジネスとしても成功し、たくさんのお金も手に入ってしまうかも知れない。 でも、僕はそんなモノには興味は無いんです。」


山猫:「僕にとって重要な事は、人類が「神の戦争」に巻き込まれて、翻弄されてなす術も無く 滅亡してしまうのではなく、人類自身が立ち上がり、その知恵と力で戦い、生き残り、自分達自身を 護る事です。 この高尚な目的を果たす為には、参戦のエントリーチケットを手に入れる為には、その力が資格が有る事を証明する必要が有る訳です。」


碧じゃないけれど「はぁ、意味判んない。」だ。 人類滅亡だとか、最近どっかで聞いた様な気もするが。 21世紀に流行るフレーズではないだろう。


山猫:「これまでは結構順調に 行ってたんですよ。 貴方の聖獣使いが僕のメカアニマルを次々倒してしまうまでは。 ところが、最近私の製品はまるっきり聖獣に歯が立たないなんて、良くない噂が広まり始めている。  ここは一挙挽回しておく必要が有る訳です。」


瑠奈:「製品って、あの毒ガスロボットとか、ヘビみたいな奴の事か?」

山猫:「よく判りましたね。 それでは早速始めましょう。 …時間がもったいない。」



伊織:「いや、なんで俺を殺す必要があるんだって聞いてるんだ!」


今度は伊織が声を張り上げる。 こんな訳の判らない妄想に巻き込まれて殺されるのは御免だ。


山猫:「今回のイベントを企画するにあたって、「彼ら」からいくつか交換条件を提示されたのですよ。 聖獣の契約者を殺さない事、できればイベントに乗じて最後の聖獣の契約を完了させてしまう事。 加持伊織を排除すること。」


伊織:「だから、何故、俺を排除する必要が有るのかって聞いてるんだ。」


山猫:「知りませんよ。いちいち面倒くさい人ですね。 私は「彼ら」ではないですから。」

山猫:「でも、まあ、聖獣を支配下におこうとしている「彼ら」にとって、聖獣の契約者を意のままにできる加持伊織が邪魔な存在だって事くらいは直ぐに判るでしょう?」


山猫:「じゃあ、ゲームスタート!」

伊織:「ちょっと、待て、「彼ら」って…。」



地響きとともに、何かが走って来る。 遠目には、馬? でもそれらには首が無かった。 どちらかと言うと、学芸会で人間が二人入って演じる馬、その首が取れちゃった…みたい。 それも一頭ではない、少なくとも6頭、いや10頭以上は居る。


山猫:「解説しよう。

馬型ロボット。 首は飾りだから今回は付いてない。 不整地でも1tの荷物を運びながら時速60kmで走行可能だ。」


馬型ロボットは、やがて涼子が架けられている十字架を遠巻きにグルグル回り始める。 瑠奈が警戒するが、少しまだ遠いらしく、間合いに入るまで朱雀を待機させている。


やがて、馬型ロボットは、円の半径を縮めながら、そのお尻から黒くて長い筒状の物を放出し始めた。


伊織:うんこ?



山猫:「解説しよう。

それは決してうんこではない。 蟻型ロボットを格納したコンテナだ。 市街地で使う場合このコンテナは鞄にいれて持ち運ぶ事もできるし、宅急便で送る事も可能だ。」


山猫:「一本のコンテナに格納された蟻型ロボットは何と5000匹! 今回は特別にコンテナ5つ! ご用意しました。」 


山猫:「この蟻型ロボットは、指定されたターゲットだけに取り付き、体内に格納された塩酸を注入する事ができます。 勿論今回のターゲットは加持伊織くん! あなたです。 一匹辺りの塩酸の量は約0.2ml、でも、5千匹分 合計すると1Lだ! 結構な量だね! 体中の皮膚がぼろぼろになっちゃうかもよ。 …因みに平均速度は時速1kmだ!」


不整地にばらまかれた蟻型ロボットは、もう何処に行ったんだか判りやしない! 展開された場所が100m位先だとして、約6分でここまで到達する計算だ。 しかも、360度 全方位から忍び寄ってきている。



瑠奈が、朱雀を放つ! 十字架から半径50mくらいの所で同じ様に円を描く様にして高速移動し始めた。 ドーナツ状に地面を熱して、蟻型ロボットを近づけさせなくする作戦らしい。


山猫:「あらまあ、ご心配なく。 蟻型ロボットが到達するまでの時間、退屈させる事は有りませんよ。」


上空に、いつぞやのラジコンヘリが飛んで来る。 旋回しながら、朱雀が疾走する半径50mの超高熱帯の内側に、何か紐状のものをバラバラ落とした。


山猫:「一つはっきり言っておきたいんだが、このヘリコプターは全く僕の趣味じゃない。 街中で目立たない様にって…客先からデザイン指定されちゃったんだ。 本当ならカラスかコウモリにしたかった所だよ。」



墜落?着地?した紐状の物体は、やがて蛇行しながら伊織達の 方に向かって近づいてきた。 少なくとも十匹以上は落ちた様に見えた。


山猫:「解説しよう

ヘビ型ロボットは、もう知っているね。 グラスファイバー製のボディにフレキシブル装甲、材質は秘密だよ。 壁に張り付いてコードのふりをするのが得意。 隠密行動とか偵察行動にもってこい だね。 細いから大抵の所には潜り込めるし、必要なら先端に内蔵したドリルで穴を掘って通り道を作る事だって可能だ。 超小型カメラで撮影した映像は格安のマイクロ波通信機で基地まで転送可能だから、どんなお宝映像だって撮り放題って訳! 更に、先端から飛び出す針金を使って敵を攻撃することだって出来る。 因みに今日はアコニチンを塗ってあるから、あんまり沢山刺されると大変な事になるかも知れないよ。 最高時速は6kmだ。」


瑠奈:「エエぃ。 ちまちましたゾロメカばかり出しやがって!」


池内さん、ちょっと言葉遣いが乱暴なのでは…?


瑠奈は仕方なく、一旦朱雀を戻す。 何処から来るか? いつ姿を現しても直ぐに飛びかかれる様にしている。



草むらの陰から二匹! 結構な勢いで近づいてきた。 それを朱雀が燃やす。 一匹につき0.3秒。 白熱して熔解!分断されるヘビ型ロボット。


続いて三匹が出現 。 これも燃やす。


その隙に別の二匹が朱雀を突破する。 一直線にこちらに近づいて来る。 朱雀がとっさに引き返して来て、それを溶解する。 まるでモグラたたきだ。


更に三匹、今度は左右から出現。 左の一匹を燃やす内に、右のもう二匹が突破して来る。 次第に朱雀の防衛ラインが狭まって来る。 更にバックステップして残りを破壊!


瑠奈:「ちぃっ! 後何匹いるんだぁ?」


伊織の所からだと瑠奈の背中しか見えない…のだが、一体どんな形相で立ち向かっているのだろう。


その時、背後から地面を引き摺る音! 振り返ると後方からも二匹のヘビ型ロボットが接近して来ている


伊織:「瑠奈さん! 後ろからも来てます!」


とっさに、「瑠奈」とか叫んでしまった。


瑠奈は振り向きながら朱雀を跳ばす。 背後の二匹を撃破。 速い。 一体どれくらいのスピードで朱雀は移動できるのだろう。 


…でも、零秒ではない。


ヘビ型ロボットは周囲360度方向に展開、今度はそこから分散して攻撃して来る。 目視確認できただけで五匹。 次々にそれを撃破して行くが、 更に接近距離は縮まってしまう。



山猫:「はい、お待たせしました。 団体様のご到着です。」


地面を覆う黒いベールが視界に映る。 小さな黒い蟻の大群の様なロボットが、ゾロゾロと包囲を縮めて来る。


朱雀がそれを片っ端から燃やして行くが、数が多すぎる。 同時に迫り来る数匹のヘビ型ロボット。 朱雀の防衛ラインは既に10mを切っていた。



瑠奈は、伊織の居る十字架から約5mの位置に立っている。 とうとう、其処をヘビ型ロボットが突破する。 朱雀を跳ばして伊織の眼前まで迫ったその蛇行する紐を間一髪 熔かす。


気がつくと、瑠奈の足下に蟻型ロボットの大群が押し寄せている。 次々と瑠奈の脚を這い上がる蟻型ロボット。 


瑠奈:「くそぉ! 気持ち悪ぃ!」


その隙にもヘビ型ロボットが他方向から接近。 瑠奈はそっちに意識を集中する。 一匹を撃破!


瑠奈の体中に取り付く蟻型ロボット。 衣服や下着の中にまでどんどん入り込んで来る。 …たまらず、膝をつく瑠奈。 朱雀が、瑠奈に取り付いた蟻型ロボットを焼き払って 行くが、きりがない。 同時にしたたか燃え落ちる服。



瑠奈の視界が顔中に這いずる蟻型ロボットで邪魔される。 取り逃がした三匹のヘビ型ロボットが、とうとう伊織に到達する。


伊織:「うあっ!」


瑠奈がとっさに朱雀を送り返して二匹を撃破。 残る一匹も破壊。


伊織:「刺された!」


しかし一瞬間に合わず、伊織の足首に突き刺さる細い針。


瑠奈:「じっとして!」


伊織の脚に取り付き、何とか、伊織の体内の毒を浄化しようとする朱雀。

その間にも 、更に押し寄せてくる蟻型ロボット。



瑠奈:「こんな小さいのに一つ一つカメラとか付いてる訳無い。 どこかに指令を出す奴が居るはず!」


見ると…白い、少し大きめの芋虫みたいな奴が、他の小さい蟻に運ばれている。 一応、女王蟻っぽいと言う事だろうか。


山猫:「おっと、指令虫に気付いたみたいだね、でもご用心、そいつを壊しても攻撃はやまないよ。 しかも司令を失った蟻達は、もう見境無しに攻撃してくるからね!」


既に、瑠奈の体中は蟻にたかられていた。


瑠奈:「それでも、伊織だけやらせる訳には行かないんだよ!」


更に接近する数匹のヘビ型ロボット。


瑠奈:「くっそおぉ!」


伊織は、何を考えてるんだか、とっさにその白い司令塔ロボットを蹴っ飛ばした。


瑠奈:「何を! 伊織!」

伊織:「駄目だ! こいつを壊したら瑠奈までやられちゃうんだろ!」



伊織:「うわあ!」


次々と伊織の脚に這い上がって来る蟻型ロボット。 瑠奈はそれらに朱雀を立ち向かわせる。 伊織の表面をなめる様に燃やして…


いつの間にか忍び寄っていた二匹のヘビ型ロボットが、伊織の脚を刺す。 一体どれくらいの毒が伊織の体に入ったのだろう? 致死量まで後どれくらい?


ヘビの毒の消去が先!


しかし更に、数匹のヘビ型ロボットが瑠奈を突破する。


瑠奈:「もう、間に合わない!」




ズーンと、脳に響く振動音。

これが、毒が回る感覚なのだろうか。


とうとう、伊織は、その場にしゃがみ込み…


伊織:やれやれ、こんな筈じゃなかったのにな。


…倒れる。


伊織に向けて手を伸ばしてくる瑠奈。


何だか、体中がしびれて来た気がする…。


瑠奈が、…泣き叫んでいる。 何かを、伊織に伝えようとしているみたいだ。


その背後に、立つ。 …凸凹の人影。




優美:「貴方、相変わらず無様ね。」

優美:「仮にも私の友人なのだから、もう少ししゃんとして欲しいモノだわ。」

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