表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

むかしばなし

むかしむかし


この世界には四つの国がありました


南には、聖なる国と呼ばれたセントリア国が


西には、商人の国と呼ばれたコルシェス国が


東には、戦争の国と呼ばれたメルディオ帝国が


北には、魔族の国と呼ばれたクラシェル国が


それぞれ執拗に干渉することなく、存在していました



あるとき、メルディオ帝国は長い間戦争をしなかったため、お金がなくなりかけていました


そこで、メルディオ帝国は他の国を侵略することにしました


メルディオ帝国は様々な理由でクラシェル国に狙いを定め、戦争をしかけました


メルディオ帝国はとても順調にクラシェル国を侵略していきました


しかし、メルディオ帝国は滅びました




民を殺され怒り狂った、魔王の手によって



魔王の怒りは、メルディオ帝国にとどまりませんでした


魔王は、無関係なセントリア国とコルシェス国にまで戦争をしかけてきました


セントリア国にもコルシェス国にも、戦力になるような人物はほんの一握りしかいなかったため、両国は非常に悩みました


そこで、セントリア国は異界から勇者とその仲間を召喚することにしました


結果、魔法は成功し、九人の異界人が召喚されました


しかし、そのなかにいた格闘家の男と盗賊の女はどこかに逃げてしまいました


こうして七人になった勇者たちは様々な試練を乗り越え、ついに魔王と戦うときがきました


魔王を見据え、いざ、と剣を構えたとき



どうしたことでしょうか


勇者と魔王の間に、逃げたはずの男と女が割って入ってきたのです


驚く勇者たちに、魔王に、女はいいました



話し合いで解決しないか、と……




かくして、戦争は話し合いによって幕を閉じました


男と女はこの世界にとどまってほしいといわれましたが、結局は男の魔法で元の世界に勇者たちをつれて帰っていきました


勇者たちよりも活躍したため、男と女が勇者と呼ばれることもしばしばありましたが、それよりも


男は、その服装と去り際の魔法の色から「漆黒の魔道士」と


女は、その性格と去り際の歌声から「清廉の歌姫」と呼ばれました



彼らを知る人は誰もいません

彼らは何も教えなかったのです


感情も、本音も、顔も、名前さえも


知る人はいません


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ