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深呼吸は平和の証  作者: Siebzehn17
再会そして反撃開始
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対策

僕は、昨日ハーベイさんから貰った飛行ユニットの改良案を、じっくりと眺めてさらに効率を良くできないか考えていた。もともと飛行ユニットは、大雑把に飛べればそれで良いって物で、操縦者の魔力をばかすか食っていたのだ。僕も改良したかったんだけど、それをどうすれば効率よく改良すれば良いのかわからなかったのだ。


ハーベイさんの設計図を見ると、それがなんとなく分かってきた。僕は魔力を常時吸い出して飛行する為のエネルギーにしていたんだけど、ハーベイさんは最初に大量に魔力を吸い出すのだけど、吸い出したエネルギーが3割切るまでは魔力を吸い出す事をせず、3割を切ればまた大量に吸い出すという方式にしていた。さらに、魔力を貯めるタンクをわざわざ1個から2個にふやしていた。容量は1.5倍ほどなんだけど、タンクに貯まった魔力は増幅器を使ってもう1つのタンクへと移していき、少しでも余剰魔力を作るようにしていた。他にはエネルギーの伝達回路の変更だ。今までは、タンクから直接エンジンに向かって一つ一つラインが通っていたんだが、大きなラインをまず左右のエンジンに向かって引き、そこからエンジンへ流れるようにして、あとは無駄なバイパスはごっそり省いており、それで効率は大分上がっているようだった。


でも、これって先に作った飛行ユニットを改良するより最初から作り直した方が早い・・・


ハーベイさんの凄さが良く分かり、僕のずさんな設計が良く分かるなぁ。だけどこれなら、もっと楽に空を飛べるようになる。最初は飛行ユニットの改良をする暇がないと思っていたので、父ちゃんにロバスにいるエース級のパイロットを選んで貰うように頼んでいたから、このおかげでさらに楽になる筈だ。


「でも、あのルーツが出てくるかも知れないんだよねぇ・・・」


父ちゃんの愛機「777」

3桁のルーツであり、父ちゃんの話を聞いた限りでは厄介な性能を持ち、邪魔をされるとどう対応すれば良いか分からない。最悪、僕が囮になって引き付けるしかないとは思っているんだけど。


市販されているフレームに乗った父ちゃんにすら勝てなかった僕。確かに、機能的には市販とはいえない部分はあるけども、そうでなかったとしても僕は負けてた気がする。色々考えて装備をつけたつもりだったんだけど、結局それは机上の空論なわけで現実には思ってた程うまく動けなかった。


もっともっと反則的な装備を考えないと駄目だよね! ちょっと父ちゃんに相談してみよう。


「で、俺のところに来たわけか。でも、父ちゃんはそういったアイデアはてんで浮かんでこないんだけどなぁ」


部屋で寝ていた父ちゃんを叩き起こして、何かアイデアが無いか聞いてみたけど、帰ってきたのはそんな言葉。フレームライダーとしては一流なのにてんで使えないなぁ。


「でも、あれだけ見事にフレームを操れるんだからさ何かない? 追加してほしい機能とか、武装とかさー」

「んー・・・、ちょっと待ってくれ。寝起きで父ちゃん頭がまわらん」


まだ夜の10時ぐらいなのに父ちゃん寝るの早いよ。朝起きるのも早いし。すっかりこっちの生活に慣れてるよね? ちなみに母さんはさっきミミと話しこんでた。ずいぶんと仲良くなっているみたいで僕としても嬉しい。


「んーっと、光司ちょっと飲み物貰ってきてくれるか? あっつい奴」

「ほいほい、お願いする立場ですから速やかに貰ってきます!」


父ちゃんに敬礼して、下の食堂で熱い珈琲でも貰ってこよう。ついでに僕もなにか炭酸の入った飲み物を貰うとしようかな。でも、ほんと何か良い案ないかなぁ? 


「んー・・・やっと目が覚めてきたかな。そんで、なんだっけフレームの新しい装備? だっけか?」

「うん、父さんの愛機が出てきたときにどうにかしたいなぁって思ってさぁ。何かないかな? 「777」限定で効きそうな物でいいからさ~」


とりあえず現状は「777」を抑え込める何かがあれば事足りるからね。あんまり欲張って色々な物に対応できるような物を考えようとすると、きっと時間が足りないだろうし。僕の言葉に父ちゃんは、目を閉じて考えるそぶりを見せて黙考。うんうん唸ってるけども、そのうち段々静かになり、そして・・・


「父ちゃん寝るな!」

「おおぉ!? ごめんごめん、で、なんだっけ?」

「なんでループになってるの!? だから対「777」用の新しい装備だってば」

「うーん、とは言ってもあれを抑え込む為の装備ってもなぁ・・・弱点らしい弱点といえば装甲が若干薄いってことぐらいじゃないか?」

「装甲が薄いってことは、でかい一撃あてれば即沈みそうなの?」

「当たればな。でもあれって作られてから一度も攻撃を食らってないみたいなんだよな。回避能力が馬鹿高いし、フレームのくせに空蝉の術も使えるし。どうやって当てりゃ良いんだ、あれ?」

「いや、それを僕が知りたいんだけどもさぁ・・・」


なんか首を傾げて凄く不思議そうな顔で僕を見る父ちゃん。そんな顔されても困る。


「罠・・・にひっかかるもんでもないし、複数で掛かっても反撃を食らうだけだろうしなぁ。抑え込むとか無理なんじゃね? それにあれは俺しか動かせないから大丈夫だと思うって前にも言ったんだけどなぁ」

「でもきっと出てくるよ。僕は最悪な場合を考えて準備しておいたほうが、いざって時に慌てなくて済むから、考えておきたいんだよね。保険はあったほうが良いでしょ? 出てこなかったらそれはそれで、儲けものだし」


でもなぁ・・・と呟く父ちゃん。いまひとつ納得がいかないようだ。だけど、こういう愛機が立ち向かってくるっていうのはお約束だと思うんだ!


「じゃあ逃げる範囲を想定して、その範囲全てに攻撃をしかけるようにするのは駄目か?」

「使いどころが難しいんじゃないかなぁ、それ。でも、範囲攻撃っていうのはアリかなぁ。一発で沈める気でやるんじゃなくて、何十回も当てて弱らせて行く感じで」

「地道な努力をするしか無いって訳だなぁ。そうだ、高速で動くのを逆手に取るってのはどうだ?」

「というと?」

「目に見えないぐらい細かい粒子をばらまいてさ、普通に動く分には問題ないんだけど、高速で動くと少しずつ削れていくようなそういう具合な物は作れないか?」

「そんな粒子を作る方が難しいような気がするんだけど。目に見えないって事は、風で流れそうだし、高速に動いてる時に当たると削られるって事は、高速でこられると吹き飛ばずにぶつかってくれるって事にならない?」

「そう言われると、なんか出来なさそうだよなぁ」

「んー、でもなんか良い案にも思えるんだよねぇ。・・・そうだ! 粒子っていうかナノマシンにして、間接部分に徐々にくっついていって、しまいには動きが鈍くなるって感じにしよう。で、ある信号を出すと離れるようにしておけば、僕達についたナノマシンは無効化できるって具合に」

「なるほど、動きを鈍らせさえすれば、なんとかなりそうだな。うん」


あ、父ちゃんも納得してくれたようだ。父ちゃんに相談してよかったよ。これは一人だと考え付きそうに無かったし。これで少しは「777」に対抗できそうだ。



閲覧数がすごく増えてびっくり。そして喜び。わーい!


調子に乗ってすいません・・・


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