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深呼吸は平和の証  作者: Siebzehn17
再会そして反撃開始
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うっかりさんは血筋です

夜、そんなに遅くない時間に父さんが宿に帰ってきた。宿「トリプルセブン」この宿の名前の由来は父さんが乗っていたルーツにあやかったものである。なので父さんに聞いてみた。


「なんでスリーセブンじゃなくて、トリプルセブンなの?」

「単純に俺が間違えて覚えてただけなんだよなぁ。でも、もうトリプルセブンで定着しちまってるから言い出せないんだよね。うはは」

「・・・うっかりな所は父さんに似たんだね、僕」

「それだけじゃないぞぉ。女性に弱いところもそっくりだ!」

「もぉ父さんは、相変わらずだねぇ」


ひさしぶりに再会して二日。まだ父ちゃんを見る度に、うおー父ちゃん! って言いながら飛びつきたくなる自分がいる。僕ってこんなに父ちゃんっ子だったっけ?あ、そうだ。プリン作りながら考えてたんだけど、楽に敵を倒す方法を思いついた。


「父さん、聞いて欲しい作戦があるんだけど」

「お? 何か思いついたのか?」

「うん、僕の力って結構なんでも有りなのは知ってるよね?」

「そうだな、漫画みたいだったな。いや実際漫画の力なのかあれは」

「ゲームも混じってるけどね。でね、とりあえず僕って一度行った所はテレポートできるんだ。だから、王宮にテレポートで飛んで行って、誰だっけファウンデルス卿? をささっととっ捕まえたら戦争なんてしなくて済まない?」

「あー、わりぃそれは無理なんだわ。グレイトエースを造る時に色々と細工しちゃっててさ」


どうやら魔法がろくに使えない父さんは、グレイトエースを作るときにそういったもので簡単に王宮を攻め落とせないように、空間転移すればスポットと呼ばれる所に必ず飛ぶように設定してあったり、魔法が全く使えないように魔力がまったくない空間、ゼロ空間を王宮内の侵入されそうなところに設置してみたり、特殊なコインを持ってない者は通れないようになってる通路とか色々工夫を凝らしたらしい。


もうなんていうか、こういう事に頭が回るのって父ちゃん譲りだったのね。


「まぁ、そういう訳であいつも安心して王宮に閉じこもっているわけだ。だから首都を攻め落とすには正攻法しか無いんで、かなり無茶があるんだわ」

「正攻法っていうなら、僕が準備してる方法が役に立つかな?」

「ん、何か準備してるのか?」

「うん、異空間倉庫って言えばいいかな? まぁ僕が用意できるだだっぴろい空間があるんだけど、そこで戦争に役に立つ道具をたんまり作ってるよ。あと、ガイアフレームをね改良して遠隔操作できるようにしたりしてるの。とりあえず道具の説明するから使えそうかどうか判断してくれる?」

「おう、分かった」


父ちゃんに、僕が今まで造ってきた道具の説明を丁寧にしていく事にした。冷蔵庫や電子レンジにコンロ。携帯電話に結界装置。光る浮き輪君やふよふよ絨毯に、電卓に懐中電灯。戦闘に役立つアイテムは、「ノーミス」「月光」「ギル」「千変万化」などのカートリッジ方式の武器に、フィールド反転君にセイフティベルト、アタックオプションなど。それぞれ取り出して見せて使い方を実演した。あと、今考えて製作中のアバターシステム。これはあまり数をつくれないんだけど、こういうのがあるよっていうのを伝えておく。というか、僕はこのシステムを使って大暴れするつもりなんだよねぇ。あとは、今後製作する予定のアイテムの仕様を説明し、作って欲しいアイテムがあれば作る事を伝えた。


最初は話だけだったんで、たいした物は作ってないと思ってたみたいなんだけど実物を使って実演しだすと道具の出来のよさに父ちゃん驚いてた。そして、なんとかいけるかも? って喜んでた。ただ、僕が道具を山ほど作る事になるぞーとは言っていたんだけどね。ふふふ。大量生産の体制もばっちりなのだよ父ちゃん。


「あー、そうだ。ガイアフレームもいじれるんだよな、光ちゃんは」

「うん、まだまだ勉強が必要だけどね。試行錯誤してもっといじれるように頑張ってるんだ」

「おー・・・じゃあ、俺専用にちょっと造れるか? スリーセブンは王宮に置きっぱなしで乗れる機体が無いんだわ」

「うわーそういう事は早く行ってよ、父さん。ルーツなんて置いて来たら絶対敵に回るのは目に見えるよ・・・? 対策考えないと駄目じゃないかぁ。うーん、とりあえずスリーセブンの性能教えて頂戴?」

「すまんすまん。性能って言っても俺は細かいスペックはうといからなぁ。だいたいで良いか?」

「うん。性能もだけど、どういった敵を相手して、どうやって戦ったかも教えて欲しいな」

「おう分かった」


父ちゃんの話から、スリーセブンの性能を推測するとどう考えても化け物です。さすがは3桁ナンバーなのである。まぁホワイトファングも実力のほとんどを出し切れなかった状態で、既存のガイアフレームなんかは一蹴できる実力だったしね。

だけど、スリーセブンは高速機動一撃離脱型とも言えるほどのスピードに特化した機体で、飛行ユニットこそ付いて無かったみたいなんだけど、空中に足場を発生させる事ができるので、ほとんど飛んでるのと変わりない動きもできるらしい。そしてもっとも凄いのはコックピット内には慣性制御が使用されてるっぽくて、スリーセブンで無茶な機動をして血を吐いたり、身体に急激なGを感じたりという事はほとんど無かったそうだ。


「とまぁ、こんなぐあいでな父ちゃんスリーセブンに乗ったら強いんだぞぉ」

「で、そんな強いスリーセブンが敵に回るというわけね。ありがとうございました」

「う、なんだその言い方は。父ちゃん傷つくぞ? 大丈夫だって、スリーセブンは一応俺しか動かせないようになってるから、向かってくる事はないぞ?」

「甘いね父ちゃん! そんな化け物機体があったら僕だったらなんとしてでも使えるように考えるもん。たとえ機体の性能を半分も出せないとしても、充分に脅威になり得る機体だからね」

「むむむ・・・」

「だがしかぁし! そういう機体があると分かっていれば手の打ちようはある!」

「おお! 頼りになるな光ちゃん!」

「父さんも一応アバター作っておくね。じゃないと機体のGに耐えられないと思うし」


それに死んじゃったら元も子も無いし。


「あー、それは俺はいいや。生身でないと感覚が掴めないし殺気も感じられないからなぁ」

「いや、そこら辺は調整すればきっとなんとかなるって!」

「悪い。俺のこだわりなんだ、これは。わがまま言ってすまんな」

「うー・・・」

「おいおい、そう睨むなよぉ。大丈夫だってこれでも父ちゃん強いんだからな」

「じゃあ、僕とガイアフレームで模擬戦して」

「ほぉ? 言っておくが俺ってかなり強いぞ? ゲームだと父ちゃん弱いけど」

「とりあえず、僕が納得できる強さか見せてくれるよね、父ちゃん?」

「おう! 見せてやるぜ光司! まっかせろい!」


よし、ガイアフレームを準備して模擬戦をしますか!



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