邂逅
ヒューイックの町につきハーベイさんの工房へ直行する。まぁ、ほんというと道順を良く覚えてなかったのでハーベイさんに時々、指示されたんだけどね。あはは。ガイアフレームにレーダーは一応あるんだから地図機能とかも付けてくれたら良いのになぁ。
ん? レーダー・・・?
「あぁっ!?」
「うぉおお、なんじゃコージ!? 急に大声だすな、びっくりするじゃろうが!?」
「あーごめんなさいハーベイさん、ちょっと自分の馬鹿さ加減にびっくりして」
「そうかそうか。馬鹿なのは知っとるぞい?」
いまさら言う事ではなかろう? とハーベイさんに呟かれてしまったけど、いやいまさら言う事なんですよこれが!
以前作った魔物の素材から魔物を探すレーダー。これにもう少し機能を追加すれば母さんの居所も探せるじゃないか・・・あほだ僕。
「じゃあハーベイさん、早速で悪いんですけどエンジンをばらしてくれます?」
「あぁ、それは構わんがおまえはみとらんで良いのか?」
「あ、このマジックアイテムで録画させて貰いますので大丈夫です。ちょっと僕も急いで作らないと駄目なものができちゃったんで」
「録画・・・? まぁ、大丈夫っていうなら構わんが。じゃ解体しとくぞ」
「はい、お願いします」
動画を取るアイテムを取り出し、ハーベイさんの作業を撮れるようにセット。念のために2個セットしておく。ハーベイさんがエンジンをばらしている間に、魔物探知のアイテムを改良しよう。
うーん・・・おかしい。
僕の血を媒介にして、似通った血の人間をまぁぶっちゃけ肉親を探すように探知アイテムを作り直したつもりなんだけど、何故か反応が三つある。ひとつは勿論僕なんだけど、あと二つ。ロバスの方面で固まって行動してるみたいだ。最初は誤作動というか、表示がにじんでるだけかと思ったんだけど、倍率を変えてみたら明らかに二つある。何度か作り直してみたけど、結果は何度やっても同じ、必ず三つの表示が出てきた。
作業をしているハーベイさんにちょっと協力してもらったけど、子供さんが二人いるそうで画面の表示はやっぱり三つだった。ハーベイさんの両親は亡くなってるそうだし、奥さんとは血が繋がってないから表示されないって事は、ちゃんと血のつながりを追いかけてるのは間違いないはずだし。え? お孫さんがいる? てことは、親子関係までしか追跡しないって事か。まぁそれはそれで故障ではないなぁ。
よし、機械が間違ってないという前提なら母さんと・・・父さんが一緒に居るって事なのか?
いやいや、いくら行方不明で生死が分からないとはいえ、まさか同じ異世界に飛んでるわけないよね? いや・・・ちょっと待って?
「もうすぐあえる」
逆なんだ。僕と母さんは偶々飛んだんじゃなくて、父さんに呼ばれたんだ!
あのメッセージは父さんが送って来てたらなら、話は繋がる! 何かの原因で父さんが異世界に飛ばされて、しばらくこっちで暮らした後に僕達をどうやったか分かんないけど、この世界に呼び寄せた。母さんにもメッセージを送ってたから、あの黒い渦に向かってまったく恐れずに飛び込んだ、いやむしろ僕を巻き込んだ母さんの行動も納得できる。いや、単純に面白そうってだけでも飛び込むか、あの人は・・・
急に居なくなった父さん。大好きだった父さん。いつも遊んでくれて、何かと教えてくれて、めちゃくちゃ叱られたりもしたけど僕にとって、一番大好きで凄い人だった。
居なくなった時、しばらく立ち直れなかったけど母さんや弘子が居たおかげでなんとか立ち直れたけど。
ちょっと落ち着こう、深呼吸だ。
すーはー。
よーしよし。あくまでもこれは推測だ。もし間違ってたら目も当てられない。父さんが大好きだったから、こんな希望的観測が出てくるのは仕方ないとは思うけどあくまで推測の一つなのを理解しよう。とはいえ自分的には確度の高い推測であるとは思っている。
やばい、会いに行きたい。すぐにでも確認したい。
「だったら、すぐにでも行こう! そうしよう!」
だいたいなんでもできる僕の力なら、ここから飛んでいくのも簡単な事。むしろガイアフレームより早く飛べる自信がある。というか、ロバスまでテレポートしてから飛んで行けばあっという間だ!
「ハーベイさん、ちょっと大事な用事ができちゃって今から行って来る!」
「お? 行って来い行って来い、こっちは程ほどに解体しておくからの」
「はい、行って来ます!」
よし、行くぞっ!
「なんだか、疎外感を感じるわぁ」
「訳のわかんないこと言ってないで、ちょっとは手伝ってくれよ、るり!」
「リリィ!」
「はい!」
「“風よ!嵐よ! 其の力をとくと知らしめよ! ウインディーズ!”」
「またそれか! ええぃ! “絶刃裂波”」
そう言って男は片手に持ってる剣を地面をえぐるように振り抜く。突き進んでくる魔法に衝撃波がぶつかり威力を相殺する。
「そろそろお疲れでしょ? いい加減諦めてお城に戻ってはいかがです、陛下」
「手下にばっかり働かせやがって、おまえは本当にいい性格してやがるな!」
「部下の使い方がうまいと褒めて貰えるんですけどね、これでも」
「あ、来たっ! おーい!」
「どした、るり?」
ゴオッ!
何かが凄い勢いで飛んできてそして通り過ぎて行った。
ロバス近郊の森までひとっとびした後、そのままレーダーの指し示す方向へと飛翔する。あわわ、速く飛びすぎると衝撃波が地面えぐってる!? 慌てて高度をとってさらに加速する。衝撃波が出るって事は音速超えてるのかな? あははーどんだけハイテンションなのさ僕。あと少し。あと少しで真実がわかる。そろそろだから、ちょっと減速しよう。
「あ、来たっ! おーい!」
そんな甲高い少女の声が聞こえた。勢い良すぎた僕は、素通りしちゃった。ちらっと一瞬見えたけど、誰かが争ってるように見えた。僕に声を掛けてきたのは黒髪の女の子・・・?ちょっと距離があったから分からないけど。母さんにしては、ちょっと若すぎるような?
とりあえず停止してからテレポートしますか!
「ほい! アクセル!」
さっき飛び去った所へテレポートし、即座にアクセルで状況を確認する。
僕の右手に男女の二人組み。左手には女性の二人組み。どっちも二人組みだけど、男女の方の女性は見覚えがある。・・・母さん若返ってない? それと父さん。
よっし! 父さんだ間違いない! なんか記憶の中の父さんより若返ってる気もするけどあのニヤリとした顔は間違いなく父さんだ! 生きてたんだ父さん! だけど、なんかこっちの女性二人組みが父さんたちを襲ってるみたいだ。こんにゃろぉ!
「ボォオオオルサンダァアアアア! ダァァアアブルッ!」
「ボォォオオル・シュゥウウトォオオオオッ!」
気合を込めてびりびり麻痺まひ球魔法をぶち込む! おとなしく痺れてろ! いきなり攻撃魔法を撃たれても仮面をしてる女性は回避しようとしているが、逃がさない。僕は球魔法をコントロールし、二人に球魔法が直撃した。
あとは、盗賊を縛るための紐でふんじばってと。準備完了。
「エンド! 父ちゃん!」
父ちゃんに突撃した。
急展開。急展開過ぎる? うん、ぼくもそうおもう。