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深呼吸は平和の証  作者: Siebzehn17
すれ違う王
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売れる? 売れない?

「ほぉ、魔石エンジンか。程度のいいものであれば結構な値になるぞ。しかも星8型だとかなり良い物じゃな」

「はい、確か星8型って書いてました。直前まで動いてたんで状態は良いとは思うんですけどね。そこは見てもらわないと分からないですねぇ」

「ふむそうか。なら少し期待させて貰うかの」


知り合いの工房に行く道すがら、そんな話をハーベイさんとしながら歩いていた。


「一応、魔石エンジンを積んでた古代遺跡で出会ったロボットの残骸もありますから、それも見て貰っても良いです?」

「おうそうかそうか。古代遺跡のロボットとはまた珍しいものを・・・」


どうも古代遺跡にはロボットが出るには出るんだけど、深い階層に出る事が多いので残骸を持ち帰る事ができないそうだ。やってやれない事もないそうだけど、それ専門の為にパーティを組んで腕の良い冒険者を雇わなければ駄目なので、よっぽど良い素材となるロボットが出ない限り儲けが少ないらしい。


「おぅ、ここじゃここじゃ」


東ブロックに入ってブロックの中央から、東よりのエリアにその工房はあった。フレームの工房としては大きくも無く小さくも無い感じだった。あ、大きさと感じ的にヒューイックのハーベイさんのお店に似てるなぁ。


「トロッター商会?」

「うむ、わしの知り合いがやっとる店で色々と風変わりな職人も抱えておるんじゃ」

「へぇ~、そうなんですか」


風変わりな職人とか言われると、どう返せばいいか分からないですよハーベイさん。


「おーい、リック居るかぁ? ちょっと工房を貸してくれんかぁ」


ハーベイさんの声を聞きつけて、青いつなぎを来た30代ぐらいの茶髪を短くかった男性がこちらへやってきた。


「あぁハーベイさん、ご無沙汰です。またなんか面白いもんを見つけたんですか?」

「面白いもんを見つけたのは、このコージでな。コージ、こいつはリックだ」

「どうも始めまして、コージ=ヒロセです。お邪魔します」

「ははっ、礼儀正しいねぇ。俺はリック=トロッター、ここのオーナー兼職人だ」


おー、この人はフレームを造ったりするのかな? 凄いなぁ~。


「まぁ、立ち話もなんだし早速工房にいくとしよう。足が痛うてかなわん」

「はいはい。どうぞどうぞ」


と、苦笑しながらリックさんが工房へと案内してくれた。





「小型魔石エンジン星8型じゃと・・・」

「ですね、これ・・・」


さっき星8型って言った時は驚いてなかったのに、なんかすごく驚いてるハーベイさん。


「エンジンの型の説明からさせて貰うとな、1から10までの型があり数が大きければ大きいほど高性能なんじゃ。出力や耐久性、魔力変換効率などが型が1つ上がるだけで大きく変わるんじゃ」


うんうん。ていうと8型ってのはかなり高性能なエンジンなんだ。


「で、エンジンの心臓部の魔石シートの形もさまざまな種類があってな、今見ている星型に楕円型、丸型、四角型などの形があり、これも形によって出力や特性が変わってくる。星型は汎用性の高い型じゃな」


だったら、結構汎用性の高い高性能エンジンってことか。良い物拾ったなぁ~


「あとどの型でも最高の10型は滅多に出ないんじゃ。8とか9もかなり珍しいが10ほどじゃない。現にこの店にも2台かの? 無い事も無いんじゃ」


ふんふん。だったら別に驚かなくても良いんじゃないの? これ8型だし。


「ただ、小型となると話が変わる。8型が最高なんじゃ」


おぉ! じゃあこれって滅茶レア物ってことなんだ! ハーベイさん喜んでくれそうだ。


「ある意味、10型を見つけるより難しい代物でなぁ。しかもこれだけ完全な状態となるとちょっと値がつけられんぞぉ」


え! ひょっとしてレアすぎて売り物にならない・・・? うそーん。


「あと、このエンジンをどっから出したかも疑問なんじゃがまぁいい。ロボットの残骸もあると言ってたが、それも見せてくれんかの? このエンジンを積んでたからには装備にも珍しい物があるかもしれん」


おー、職人から見れば売れる物を掘り出せるかもしれないってことだね。よし。


「ちょっとあっち向いててくださいね」

「ん、分かった」


ハーベイさんとリックさんが向こうを向いたのを確認した後、指輪から残骸を取り出した。


「はいどうぞぉ、これです」

「・・・これはキラーマシンか?」

「ですね、いやはや興味深い」


フレームを扱う二人は、ロボットの残骸を見て機種が分かったらしい。さすがに色々見てきてるだけはあるんだなぁ。今度、古代遺跡に着いて来て貰おうかなぁ。


「ほぉ、頭部を綺麗に焼ききっておるなぁ。・・・ん? 魔法でここまで焼ききるとなると、とんでもない技量なんじゃが、コージおぬしか?」

「ううん、このセリナですよ。魔法が得意なんですこの子」

「はい、わたしがびびっとやりました」


えへって笑って応えるセリナ。うんうん、仏頂面を出さないように頑張ってるようで偉い!


「お、おぅそうか・・・、てことは、機体表面のこの傷はコージがしたんかのぉ」

「あ、それはミミです。見た目と違って凄いんですよ、ミミは」

「う、うん、ミミがやりましたぁ」


初対面の人はやっぱりちょっとおっかなびっくりなミミ。だけど、ハーベイさんのおかげで助かったと分かってるので、笑顔で答える。


「そ、そうか。コージよお嬢ちゃん達ばかり働かせて何をやっとるんじゃ、おぬしは」

「いやぁ、あははは」

「コージさんが、注意をひきつけてくれたから魔法が撃てたんです! 凄いんですよコージさんは!」

「そうだよ、ミミが動き易いようにできるのはコージだけだもん!」

「おぉぉ、分かった分かったすまんかったなぁ、嬢ちゃん達」


セリナとミミがハーベイさんを責めるけど、別に間違った事言ってないのになぁ。とりあえず、二人をなだめてその場を治める。


「ほほぉ・・・これは興味深い」


空気を読まずに一人、解体作業に没頭していたリックさんがそう呟いた。



説明です。なんとなく設定はあるんですが、なんとなく設定なので固めないとヤヴァイ。

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