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深呼吸は平和の証  作者: Siebzehn17
機甲都市ロバス
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来ちゃった王都

王都グレイトエース。


バルトス王国の首都である。以前は海側にあるバルトスという王国の名前と同じ名前の都市が首都だったんだけど、ガイアフレームの発達によって、物流が海に頼らなくても済むようになり、もっと守りやすい都市を最初から計画して作って、そっちへ遷都しようということになって、今に至るということらしい。


グレイトエースが首都になってまだ5年程で新しく綺麗な町並みらしい。庶民上がりの王様が計画に携わったらしいのだが、才能があったのか今のところ都市機能に関して、不満は特に挙がっていないそうだ。首都機能を移すとなると、今までの行政を滞りなくできるように、無茶はできないはずなのに遷都は一ヶ月もしない内に終わったらしいし。なんだか凄い王様なんだなーってファラスさんから話を聞いてて思った。


そして今首都のゲートをくぐる為の検問が厳重に行われている。首都というより要塞のような厳しい印象を受ける。まぁ、ガイアフレームなんて物があるせいで、被害を抑えようとしたらどうしても物々しい雰囲気になるのは仕方ないんだろうなぁ。


「失礼する。・・・よし」


声がしたかと思うと、いきなり馬車の扉が開き兵隊らしき人が中を確認して戻っていった。検問の応対をファラスさんとエリツォーネさんに任せているので、馬車の中は未成年が4人いるだけだから、簡単に確認しただけっぽい。書類とかは皆の分を書いてファラスさんに渡してあるしね。めんどくさかった・・・


さて、首都に来たのは良いんだけど、何か雰囲気がおかしい。兵士たちが殺気立ってる感じがするし、どうも旅行者の行く先を制限しているらしく観光もほとんどできないみたいだ。わざわざこんな時期に来るなんてついてないって思ったけど、ファラスさん達はこの原因を探る為にきっと来てるんだろうなぁ。


「それでは、まず宿を探してゆっくり休む事にしよう。観光は明日からだ」

「はい、分かりました。それでお願いします」


なんというか、道中はずっと雇い主と護衛という関係を演じてたおかげで、自然と言葉使いや振る舞い方がそれっぽくなっている。意外となれるもんなんだねぇ。


「セリは、どうする? 何か調べておく事とかある?」


一応、この世界に縁も所縁もない僕とヒロコ以外は名前を微妙に変えて呼ぶことにしてある。セリナはセリ。ミミはミーシャ。最初はミーちゃんだったんだけど、なまってそうなった。


「いえ、特にこれといっては無いですね。この首都には初めて来たので勝手も分かりませんし。とりあえず、案内所で何があるか調べるぐらいはしておきましょうか?」

「まぁ、観光できる所を調べるのも良いかもね。行くかどうかは別にして」


首都の地理を把握してないと、何かあった時に逃げられないだろうし、合流するときに場所が分からなかったら、目も当てられないしね。でもなんていうか、この首都は道が凄く通り易くできていて、碁盤の目のように整然とした造りになっているので迷子になる事は少なそうではある。こんなに通りやすかったら攻め易くて危ないんじゃなかったっけ?


「いえ、それがそうでもないみたいですよ。むしろ、通り易くしておかないとガイアフレームをスムーズに戦線に送り込めないみたいで、こっちの方が何かと都合が良いようです」

「へぇ~、エリツォーネさんて詳しいんだねぇ」

「首都には結構頻繁に訪れていますからね。色々聞いているんですよ」


にこっという感じではなく、そっと笑うエリツォーネさん。そろそろエリさんって呼んでも馴れ馴れしくない・・・よね? いい加減、舌を噛みそうになるんだよねぇ。

そうこうしている内に無事に宿に着いた。


「スーパーパワーホテル」


んー・・・なんというかネーミングセンスが欠如してるよねぇ? 僕のいた世界にも同じ名前のホテルがあったんだけど、そっちは全国にチェーン展開してて結構はやってたけど。

でも、どうやらこのホテルも首都のなかでは、有名らしく宿泊客も多いらしい。案内所が配っている冊子にも紹介されているぐらいだ。


宿について荷物を下ろし、落ち着いた所で今までしてなかった宿題とも言えるギルドの登録をここで済ませようと思う。そう、ロバスでも結局ギルドの登録ができずじまいだったのだ。なんだかんだで1つの町でゆっくりしてられなかったからねぇ。ギルドの登録してないと検問がめんどくさいのよ・・・


「それじゃファラスさん、ギルドに行って来ますね」

「スリにだけ気をつけてな」


ひらひらと手を振って、作業の手を休めずそう注意してくれるファラスさん。まぁすぐ近くだし、1人でも大丈夫だろう。あ、ミミはともかくヒロコは登録しといた方がいいよね。


セリナ達の居る部屋へ行き、ドアをノックするとミミが出てきた。


「お兄ちゃん何?」

「あ、ミミじゃないんだ。おーいヒロコー、ギルドに行くよー」

「ほーいマスター」


少し不満げなミミを置いて、ひさしぶりに二人きりな僕とヒロコの暢気なコンビは、ギルドへ行くために宿を出た。ギルドで絶対登録するぞー!



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