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深呼吸は平和の証  作者: Siebzehn17
機甲都市ロバス
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デー・・・ト?


「コージ、つぎはあっちに行きましょう」

「うん、セリナ」


僕とセリナは町の中を仲良く腕を組んで歩いている。


何故こうなったっかって? うん、学園に行くっていうのをセリナに言うのを忘れていたからなのだ。学園に行く話しをしていた時にセリナが居なかったので、仲間はずれにされたと思ったらしく、ミミから自慢げにコージとヒロコと一緒に学園に行くのって聞いた瞬間のセリナの顔の絶望感は半端なかった。一生懸命なだめて、ようやく落ち着いてきたんだけど、なかなか許して貰えず、結局、今日1日二人きりでデートすれば許してくれるという事になったのだ。


まぁデートと行っても、普通に買い物をして町の中を案内してもらったり、観光案内所に行って、面白そうな所を教えて貰って一緒に回るってだけなんだけどね。ま、それでセリナの気が晴れるなら安いもんだよね。僕としても、可愛い女の子と一緒に回れるのは役得だし。


てなわけで、楽しもう!




「これは由々しき事態なのです、ヒロコ」

「うん、ユユシキジタイです、ミミ」

「コージはみんなの物であるからして、独り占めは駄目なのです」

「マスターはボクのだよ?」

「めっ!」

「うみゃー」


ヒロコも分かってないです。コージはミミが皆に貸してあげて居るだけなのに。大好きなセリナとヒロコだから貸すんですよぉ?


「えっへん。セリナがコージに・・・じゃない、コージがセリナの物にならないように見張らないと駄目なのです」

「そうなのです」

「でも、ミミはそんな見張れる魔法が使えないのです」

「あれ? ミミは魔法使えるんじゃないの? 使えるでしょ?」

「魔法なんて知らないから使えないのです」

「そなんだ」


習ってないから、魔法なんて知らない。素質はあるみたいだけども。


「魔法なんて要らないのです! こっそり、後をつければ良いのです!」

「うん、がんばろう!」




えーっと・・・ミミとヒロコの声がよぉく聞こえる。セリナとデートするってなった時に二人ともすっごく不満そうな顔をしてたから、何かするとは思ってたんだけど、彼女達はきっとこっそり後をつけているつもりなんだろう。うん、確かに姿は見えないよ。姿は。だけど、そんなに大きな声を出してるとばれると思うんだ。ていうか、ばれてるし。ミミは最初出会った頃の儚い美少女系が、非常識な美少女妹系に変化している。一体何があった!


セリナをふと見ると、余裕の笑みだ。後をつけてくる事は予想済みって事だったのかな? 意外と鋭いよねセリナって。ぐいぐいと僕に身を寄せながらセリナは上目遣いで覗き込んできた。だからでかい!


「行きたい所があるんですが、良いですか?」

「う、うん。良いよ良いよ」


可愛い女の子に、上目遣いでお願いされて断れる奴がいるだろうか。いや居ない!


慣れた足取りで、地下へと進むセリナ。地下と言ってもお外の光が届くように工夫されているし、届かないような所は魔法か何かで明かりが灯されている。そしてガイアフレームが通れるだけあって、広々としており地下の圧迫感はまったくない。


「道に詳しいんだね、セリナ」

「はい、今から行く所はかなりお世話になったところなので覚えちゃったんです」

「へぇ~」

「でも、そこ以外はあんまりなんですけどね」


えへっと笑うセリナ。そういえば、年に一度くるか来ないかって言ってたもんね。


「地下にも一応お店があるんだねぇ」

「はい、商売する人はたくましいんですよ? それに地下にお店があると雨の日とかでも全然関係ないですから、意外と便利なんですよ」

「ふぅん、デパ地下みたいなもんなのかな?」

「え?」

「なんでもない。こっちのこと」


大雨が降ったせいで地下街が水没! とか新聞やニュースで見た覚えがあったけど、ここの地下は大丈夫なのかな? ・・・きっと大丈夫だよね・・・?


「あ、こっちです。ここから上がります」


どうやら目的地は西ブロックにあるようだ。地下に道を作ったときに、通る人が迷子にならないように、案内板が結構置いてある。だから、おおよその方向は地下にいても分かるようになっていて非常に便利だった。すごく細かい配慮がされていて、この地下道を作った人は凄いなぁって思った。


「ここなんです」

「おー・・・」


セリナが案内してくれたのは、歴史を感じさせる非常に大きな建物だった。尖塔が四つあり、何か浮いているのを見ると魔法関連の施設かな? 正面に厳重に警戒されている門があり、入館する人を制限しているようだった。


「はい、これです」


門番に近づいて行き、ギルドカードを見せるセリナ。門番さんがカードを見た瞬間、背筋がピンと伸びて、セリナに敬礼してた。セリナってここのお偉いさん・・・?


「さ、中に入りますよぉ~」

「う、うん」


僕の姿を見て何か言いたげな門番さんをスルーして、魔法の舘? へと入っていった。なるほどぉ。後ろの二人が追って来れないようにここにきたんだ。ここまで来る間もミミとヒロコの大きな声が追ってきていたんだけど、尾行なんかじゃなくミミとヒロコが何をしたいか、何を見ているか大きな声で説明してくれるので非常に恥ずかしかった。


あの子達はほんと一体何がしたいんだろう・・・? でも、とりあえずここに入ってしまえば、二人は追って来れないはずだから安心だ。


ミミ。生き生きとしています。

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