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深呼吸は平和の証  作者: Siebzehn17
ステップ!
171/293

色々見てみよう

「むあ…もうこんな時間なのかぁ」


重力兵器をいじくってたんだけど、気付けば寝てて良い時間になっていた。重力兵器のどのパーツを組み合わせれば良いかは分かってきたけど、僕が同じものを作ろうとするとなると、耐久性のない物ができあがってしまう。コアとなる重力素子なるものが、どうしても安定して固着してくれないのだ。


「でも、大量に作って誤魔化すのもありかなぁ? とりあえず、魔力を使わずに重力を限定的にでも操れるのは強いよね」


ホワイトファングの重力制御型の飛行ユニットは魔法で重力を操っている。今回の武器に関しては電力を利用している。まぁ、その電力の元となるのが魔力なんで結局一緒の事だとは思うんだけど…


「魔力にしろ電力にしろ結局はエネルギーなんだよね。もっとこうエネルギーを純粋に取り出して、効率よく運用する事はできないもんかなぁ?」


それか使うエネルギーを統一して変換ロスをなくすとか。なんで魔力で動くエンジンを積んでいるのに、電力で動く武器を持っているかが謎だ。まぁ、ルーツに限っての話なんだけどね。ルーツ以外の作られたフレームは、すべて魔力で補っている。魔力を電力に変換するとどれだけのロスがあるか調べてないけど、等倍という事はないと思う。


「ん~…っ」


考え出すと止まらない思考を、伸びをして一旦リセットする。ずっと同じ姿勢で考えてたみたいで、体中が結構いたい。とりあえず、保存と読み込みをして寝るとしますかね。明日は、気分転換にフレームでも見に行ってみよう。何か良いアイデアが浮かぶかもしれないし。


足元から毛布を引っ張り出し、くるくるっと丸まって明日の予定をつらつらと考えていたら気付けば僕は寝入っていた。


「むはっ?!」


朝日が僕の顔を直撃している。机の上を見ると、朝食がさりげなく置いてあった。そういえば、昨日はご飯を食べていない気がする。おいしそうなオムレツとパンに鶏肉と野菜の炒め物が今日のメニューだ。冷蔵庫にはしっかり果物のジュースが入っている。ご飯のおいしそうな香りが胃を直撃し、はやく食べさせろとぐーぐー主張している。早食いは太る元だから、落ち着いて食べなきゃね。


パンに鶏肉をのっけてもぐもぐとかじる。今日はリックさんの所だけじゃなくて他のブロックのお店も見に行ってみるのも良いかな。魔道フレームも良いけど、多脚型のフレームも興味がある。そういえばエディさんは元気かなぁ? 四足型フレームでぐるんぐるん回りまくって戦ってたけど、あれは僕には真似できそうにない。きっとエディさんは三半規管が猫なみかそれ以上なんだろうなぁ。


もぐもぐと朝ごはんを食べながら思い出す。今更なんだけど、僕ってご飯用意する係りだったっけ。こっちの世界じゃゲームなんて無いから、時間の感覚が分からなくなるまで熱中する事なんて無いと思ったけど、ロボットって凄いよね。


「さてさて…そうと決まれば善は急げだ。ぶらぶら出かけるとしましょうか」


お金の方は金策が結構稼いでくれてるみたいで、軍資金も申し分ない。さすがにルーツは買えはしないけれど、よさそうなフレームがあれば買えるぐらいはある。なので、パーツを買うには十分だろう。まずは多脚型フレームのある北側のブロックを目指すとしますか。


行ってきますと母さんに声を掛け、家を出る。今日は歩かずにバスを使って北ブロックを目指す。通学路とは反対の車線のバス停から北ブロック行きのバスがある。前のバス停を発車してるみたいなので、もうじきバスが来るだろう。バス停には結構な数の人が並んでいて、ちょっとした通勤ラッシュだった。


結構押し合いへし合いしながら、立ったままバスに乗る。料金が安く、歩くよりかなり早いという事もあって利用する人はかなり居る。学園行きのバスも勿論出ているんだけど、数回このラッシュを経験してからは歩いて行く事にしたのだ。セリナ達が痴漢に会うかもしれないというよりも、セリナ達がある意味痴漢じゃなくて痴女だし。バスの中で密着しているのを良い事に、色々とけしからん事を仕掛けてくるのだ。あ、思い出すのは駄目だ。実にやばい。うん、窓の外を見て気分転換しよう。


地下通路を抜けて、北ブロック側の地上に出る。


北ブロック名物の女神像の看板があちこちに目立つようになってきている。まぁ、北ブロックの真ん中にあるわけだから、看板が無くても大体の方向は分かるんだけどね。でもあの縦穴って、最初からあんな風にあったのかなぁ? フレームで掘って作ったのだとしたら物凄い労力だと思うんだけど。今度行ったら、成り立ちが詳しく書いてある看板をしっかり見る事にしよう。


窓の外の景色を見ながらそんな事を考えていると、目的地の広場前のバス停に着いた。ここで働いている人も結構乗っていたようで、降りる人が僕の後からぞろぞろと出てきた。ちなみに僕はバスに立って乗る時は、なるべく前のほうに行って前方の景色を見る派だ。何故かこの世界のバスにはつり革が無く、ポールだけしかない。そんなにスピードが出てる訳じゃないからこれぐらいで良いのかな?


ブロックの中心部にあるフレームのお店は、大体が地下にスペースを持っている。地上はお店がひしめきあってるから、あんまり広いスペースをとる事ができないんだよね。それはパーツだけを売ってるお店も同じで、地上にはちょっとしたスペースと看板があるだけで、メインは地下になっている。なんででっかいビルを建てないんだろうね?


どうでもいっか。僕としては色々見て回れればそれで幸せだしね。開店してるお店を片っ端から冷やかしていくとしましょう!






多脚型のフレームとその関連パーツがひしめく北ブロック。ここを見て回って分かった事がある。なんかコックピットの作りが全然違う! 僕の住んでる東ブロックは人型という事で、トレースモードと術式モードの選択ができるコックピットなので結構スペースをとった造りになっているんだけど、多脚型は違う。術式モードでしか操縦ができない為にパイロットを縛り付ける勢いの狭いスペースのコックピットなのだ。


主にパイロットに掛かる荷重を軽減する為と安全性を確保する為に、乗り込んでしまえばがっちり固定され、動かせる部分は本当に手の先と足の先。首から上に関して言えばまったく動かすことができない。それだと首を動かして周りの状況の確認ができないんじゃないかなって思ったんだけど、首から上を固定している拘束具が魔法の物で、頭を実際に動かしては居ないのだけど、ちゃんと見回す事ができるのだ。


そして機能だけ考えれば、凄くお高い気もするんだけどトレースモードを取っ払っているせいで、値段的にはそこまで差が無いのが実情だ。これだけ、安全性が確保されているならエディさんがくるくる回っていても、大丈夫だったのに納得できる。


そして、ここで売られているフレームの形。それは本当に自由である。多脚型のフレームだけではなく、むしろ手が何本もあるフレームだったり球形のフレームだったり、ケンタウロスのような人型と多脚型が融合した形だったりと、自由な形のフレームばかりである。うん、これってトレースモードで操縦するのは無理…だよねぇ。人の形してないもん。


でもだからといって、ここにある多脚型のフレームが弱いという事は無い。トレースモードは確かに身体能力が高い人が乗れば、初めて乗った人であってもそれなりに戦えるフレームになるのは間違いない。だけど、術式モードでは身体能力が高い必要はない。手や足を使っていかにフレームに素早く正確に指示を出せるかが問題になるので、僕みたいなゲーマーであっても、いやむしろゲーマー向けの操作方法なのだ。そう、どんくさい人であっても、フレームに乗れば凄い人になれる可能性があるのだ。うん、あそこでずっこけてる女の子も意外と侮れないライダーかもしれない…って、派手にこけたよねっ!?


「だ、大丈夫?!」

「ふぇっ…」


展示してある商品を回避しようとして、まず柱にぶつかり、よろめいて大きく動いた先にはフレームがあって、そこで後頭部を強打。派手な音を響かせて頭を抑えながら転がりまた最初の柱にぶつかって、自分に止めを刺していた。この間約二秒。なんというか、どんくさい事をしているはずなのに、やけにスピーディにこけている不思議な状態だった。


「凄く頭を打ってたけど、痛いよね? “我に与え給え聖なる奇跡! ヒールタッチ!”」

「え、あのっ、はうっ」


盛大に打ち付けていた後頭部に回復魔法を掛ける。頭の中身までは分からないけれどとりあえず内出血とかはこれで大丈夫だと思う。


「あ、ありがとうございます。もう大丈夫、大丈夫ですからっ」

「そう? じゃあ気をつけてね」

「え、あっ!」


なんか放っておくと、盛大にこけたりしそうな感じだけどずっと見てる訳にもいかないから、ささっと離れることにした。女の子は何か言いたそうだったけど、お礼とかはもう言って貰ったからそれ以上は要らないしね。


別に知らない女の子と話するのが苦手って訳じゃないんだからねっ!


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