念願の・・・?
乗ってしまいました。ガイアフレームの元になった機体ルーツ。
正直たまりません。外でハーベイさんが大丈夫かーとか、ハッチ開けろーとか騒いでいますが、動かして満足するまでは出たくない!
そして、もう1つ出たくない理由が・・・
「オイマスター、コノヤロウ。ナンデダマッテンダ?」
・・・ルーツって喋るんだ・・・
ミナゴロシなデストロイヤー君が動き出し、僕をひょいと掴んで、コックピットへと放り込んだ。正確かつすばやい動作でハーベイさんもどうする事もできなかった。
まぁ、僕も逃げようとか全く思ってなかったのも原因かもしれないけれど。
「えーっと、はじめまして? で良いよね? 僕はコージ=ヒロセ。君はなんて呼べば良い? でっちゃん? みーくん?」
「ドッチモヤダネ。ナンカイイナマエツケヤガレ」
「ホワイトファングとかは?」
「・・・ソレデイイ」
こいつってツンデレか・・・? めんどくさそうな奴だなぁ・・・
「デ、マスターハドウスル? サッソクミナゴロシカ?」
「しねえよ! 物騒な奴だなおい!」
こいつには常識というものが全くなさそうだ。いきなり皆殺しとか無茶を言う。
「ナンダヨ、チキンダナァ。トリアエズブソウダシテクレマスター」
「ぶそう? 武装ね。いや、そんなものどうやって出すのよ?」
「マスターガブキヲイメージスル。ドコニダスカイウ。ソレダケデドンドンデル」
えらく簡単に出せるんだなぁ、おい。でも、どんどん出すな。
「・・・ていうか武器なんか出して何する気なんだよ?」
「モチロン、ミナゴロ・・・」
「言わせねーよ! もう物騒な奴だなぁ。とりあえずお前は落ち着くことを覚えろ」
「・・・? オレトッテモオチツイテイル。ツネニクール。ギャグハブリザード」
「もう、誰だよこいつの教育をした奴は!? 何が狙いなの? 突っ込みしすぎでパイロット死んじゃうよ!」
「ノーノー、パイロットハサイゴニヤルネ」
「お前は一体どこまで本気なんだよ!?」
ちょっと母さんを思い出した。あの人といると常に突っ込み役になっちゃうんだよね。
こんな時こそ深呼吸。
すーはー。
「えーっと、つまりは僕が君のマスターになったって事で良いのかな?」
「アアソウダ。ソシテオレノマスターッテコトハ、ゼンセカイヲテキニマワストイウコトダ」
「お前は、本当に救いようのない馬鹿だな!」
いやほんと、深呼吸しても全く効果がない。
「と・に・か・く! ホワイトファング! おまえは大量虐殺や破壊の申し子みたいな真似は絶対駄目だ。あと誰であろうと殺すなんて事は絶対にしちゃ駄目だ。わかった?」
しっかりと駄目だしをする。誤解の無い様にしっかりと言い聞かせないと、わざと曲解したりする奴もいるからね。AIがそんな事するかはわかんないけども。
「・・・ふむ」
表情なんてものは見えないので何を考えてるのか全くわからないが、納得してくれそうだ。
「破壊を司る我に不殺を命じるか、主よ」
「え、だれ?」
なんか、さっきとちがって綺麗な女性の声で流暢に話しかけてくるんだけども?
「主が名前を付けてくれたではないか。我はホワイトファングだ。まぁ、先ほどまでの我とはとんと違うでな。仕方ないか・・・ギャップ萌えするか?」
「できないよ!」
何を言いやがるかっ!
「何はともあれ、よろしく頼む主よ」
「・・・よろしく」
こうして、ホワイトファングとの出会いは終わった。
ちなみにホワイトファングを買い取りたかったんだけども、腐ってもルーツなわけで500プラチナ(5万ゴールド)もするらしい。量産型のガイアフレームが1000ゴールドぐらいなので、ルーツってだけでかなり高額なのだ。5桁ナンバーなのでこれでも、だいぶ値引きしてあるそうだ。
いつか買いにきます! とハーベイさんに言ってとりあえずお店から離れた。
ちなみに、ヒロコとセリナは試乗してるガイアフレームを見学しておりました。
乗っただけで動かしてない。ガイアフレームに乗るのに免許いらんのかな?