エレベーター
さて。
「とりあえず、キラーマシンを出すとしますか」
今日得た情報によると、キラーマシンにはカードがあるはず。認証カードというか、そんな感じな奴。昨日みつけた非常口なんだけど、あそこはどうやら非常口だけではなくエレベーターも兼ねる物らしい。入り口であり出口であり、一方通行にもなるしエレベーターにもなる。それを利用するにはカードが必要になるらしい。でも魔物はどうやって入ってきたんだろう? カードを使ってるとは思えないし。謎なのである。
とりあえず、非常口にしろエレベータにしろ、カードがあれば利用できるという事だ。
バラバラになってるキラーマシンを、丁寧に床に並べる。やっぱり頭にありそうだよね、そういうカードって。手や足なんかは、戦闘に使うはずだから衝撃が凄そうだから、カードが曲がったり欠けたりしそうだし。そう思い、頭部をじっくり調べて見るといくつかカードが入りそうな隙間がある。後頭部の下側にあるスリットを調べる為、どんどん解体していく。あった。プラスチックでできているみたいなそのカードは残念ながら、少しひびが入っていた。倒した時の衝撃でひびが入ったんだろうか。ひょろいカードである。
「でも、使えるかもしれないから取っておこう」
こういうのって、中にICチップが入ってたりしてそれを読み取ったりするかもしれないから、カードが少しぐらいひびが入ってたって、使えるかもしれない! これで、今日は試す事が一つできた。
「コージ、今大丈夫です?」
コンコンというノックの音とともに、セリナがそう確認してきた。どうしたんだろ?
「うん、大丈夫だよ~」
「えっと、そろそろ遺跡に行きませんか? あんまり遅いと眠る時間が無くなっちゃいますし」
「あれっ、もうそんな時間なの?! ごめん、夢中になってた」
「だと思いました。じゃあ行きましょ?」
「うん」
危ない危ない。解体って意外と時間が経つのが早いんだよね。カードも一応確保できた事ですし、遺跡へ向かうとしましょうか。
今日はセリナ様のギルド証を入り口で提示して、遺跡の中へと入る。門番の人は良く知ってる人だったけど、僕以外にもこうやって遺跡へ潜る人間も居るんだろう。特に何も言ってくる事はなかった。こづかい稼ぎしたいもんね、やっぱり。
「まずは十五階層に行くね」
「はい、分かりました」
今日はヒロコは居ない。学校ではしゃぎすぎたのだろうか、早く就寝していたのだ。なので、セリナ、ミミ、白夜と一緒に来ている。無理に起こすのも可哀想だから起こさなかったんだけど、なんかヒロコが居ないと落ち着かないねぇ。でも、ヒロコは戦わないから遺跡に潜るのに特に居なくても大丈夫っちゃ大丈夫なんだよね。うん。
夜の遺跡はちょっとだけ魔物が強くなるらしい。だけど出てくるオークは大概どれも一撃で沈むから強さが変わっても大差ない。そして特に何事もなく十五階層へ到着した。この間、一方通行になっていた非常口へ行ってみましょう。
「こんな行き止まりに何かあるんですか?」
「うーん、たぶんこのカードで良い事あるはずなんだけど」
カードをかざす場所が分からない。持っていれば発動するのかなぁと考えてたんだけど、とりあえずこの当たりで動き回るしかないか。
ピコン! “認証しました”
「え、なんですか?! 呪文・・・?」
「よっしゃぁああ! ビンゴォ! よーし、これで使えるようになった!」
カードを認識するのに少し時間がかかっていたようだった。ひびが入ってるからたぶんそのせいだ。じゃないと非常口なのにあれだけ時間が掛かってたら、逃げれるものも逃げられなくなっちゃうもんね。そうして、僕は壁に近づいていった。
ガシュゥゥウンッ!
壁が真ん中から両側に音を立てて開く。僕は特に警戒せず中に入る。その様子を見ておずおずと入ってくるセリナとミミ。白夜はというと堂々としたものだ。
「ここ、なんですか・・・?」
「ちょっと待ってね、僕の考えが正しければとっても役に立つものなんだ」
「役に立つ・・・ですか?」
中は少し広めの部屋が広がっていた。僕達が中に入ると入り口脇にある壁に文字が浮かび上がる。“出口”という文字と“数字を入力して下さい”という文字と数字が浮かび上がっている。これはタッチパネルだね。試しに“65”と入力してみた。
ガシュゥゥウンッ!
「あ! コージさん! 壁が閉じます!!!」
「大丈夫、落ち着いてセリナ。ミミ、驚かなくても大丈夫だから」
こういった物に慣れていない二人はずっと警戒しっぱなしで、ちょっと可笑しくなってしまった。これは大丈夫だと、しっかり言い聞かせてようやく落ち着いてきたようだ。扉が閉まると、わずかな振動と共にかすかな音とともに少しずつ降りているのが分かる。
「これ、動いてるんですか・・・?」
「うん、エレベータって言って遺跡を移動できるものなんだ。しかも結構大きめだからガイアフレームも搬入できるんじゃないかなぁ」
これだと外に直通で出れるみたいだしね。荷物運搬も兼ねているに違いない。
「確かにこれだけの広さだと、ガイアフレームも入りそうですね」
「いま、どこに行ってるのぉコージ? なんだか降りて行ってる気がするんだけど」
「ミミ、正解。今65階層を目指してる所だよ。ほら、もう着くよ」
「「え!?」」
驚いてる驚いてる。そりゃあ驚くよね。十五階層から一気にものの数分で六十五階層まで移動できたんだもん。一応、この先は危険だろうから武器を出して警戒しておく。
「そろそろ着くから、戦闘準備お願いね。すぐ戦闘もあるかもしれない」
そういうと即座に準備を整える二人。白夜はそのままで平気だ。
ポーンッ! ガシュゥゥウンッ!
そんな軽い音が響き、扉が開いていく。結構大きな音なので、魔物が傍にいれば気をひいてすぐにでもこちらに気づいて襲ってくるだろう。うん、大丈夫そうだね。よし、キラーマシンを探そう。この階層ならすぐにでも見つかるはずだ。そしてカードをたくさんゲットしよう!
この階層のキラーマシンはちょっと手強かった。メインコンピュータがどうも胴体部分にあるらしく、首を落としただけでは止まらなかったのだ。まぁ四肢を切り飛ばせば大丈夫だろうと、即座に切り落としたんだけども今度は、隠し腕と隠し足まで生えてきた。切り飛ばされて軽量化されたせいなのか、動きがかなり素早く面倒な相手になった。でも、カードが欲しいのでまたまた動けないように手足をなんとか切断し、無事にカードを取り出した。あとは同じ要領でキラーマシンを倒して行ったんだけど、見た目は同じなのに隠し腕を出す奴と出さない奴がいるのだ。だから、隠し腕を出さない奴は急に動き出してもすぐに倒せるように慎重に解体したりしたので、それに結構時間がかかった。
「でも、カードですか? それのおかげで戻るのに時間が掛からなくて良いですよね」
「うん、おかげでこれからは気軽に遺跡を探索できるよ~」
「コージ、良かったねっ」
そう言って飛びついてくるミミ。セリナも慌てて飛びついてきた。白夜はすでに僕の背中でくーすか寝ている。素早く動くキラーマシンを足止めしてくれたので、疲れたんだろうな。白夜が居なければもっと時間が掛かってたと思う。なにせ、真っ向勝負で力負けしないんだもん百夜は。さすがはフレームなだけの事はあるね。
とりあえず、カードをたんまりゲットできたのでベルスイートとして遺跡に潜るのに問題は無いね。明日はみんなと一緒に遺跡に潜るとしますか!
今日からしばらく更新回数が不安定になります。
11時の更新は必ずしますが、夜の更新があったり無かったりします。
なるべく更新するようにはしますが、来週の頭まで少し不安定になります。
ごめんなさい。