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深呼吸は平和の証  作者: Siebzehn17
ホップ!
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収穫

今日は徹底的に非常口の場所をしっかり調べようと思う。光って無くてもひょっとしたら誤作動で外から魔物を入れちゃうかもしれないし、ひょっとすると何かの条件で外に出れたり他の階層に行けたりするかもしれない。形や大きさなどの特徴も入念に調べよう。


「今日は、8体ほどだな。昨日あれだけ倒してまだ居る事に驚くが、ベルスイートが動いてるからそれぐらいが当然なんだろうな」

「しかし、手が足りんって言うけど冒険者に依頼しとらんのやろか?」

「オーガを倒せるランクの人が出払ってるのかもしれないね。レッドベアを倒した方が実入りは良いだろうし。オーガはあんまり旨みがある獲物じゃないからなぁ」


遺跡の中で言えば確かにそうだ。外だとオーガの被害に困った人が依頼してくるのでそれなりの依頼額が手に入るだろうけど、遺跡の中だとオーガの素材しか儲けはない。素材といっても角や爪ぐらいで、それは他の物でも代用が利くからあんまり高額じゃないんだよね。


「でも、練習には丁度いいからそれだけ居れば十分だよ。うん」

「まずは八階層あたりだな。だいぶ上がって来てるようだな。急ごう」

「うん」


そういって、僕達は八階層目掛けて急いで走り出した。






「“絶刃裂波”」


僕が衝撃波を放つと


「“穿光”」


すかさず近づいたセシリアが刺突技を繰り出し、オーガに穴を開ける。レイピアでも、刺し所が良ければ一撃必殺になり得るのだが、セシリアはあくまで練習のようで刺突回数をどうすれば増やせるか、考えているようだ。


いまだに僕の技はオーガに一撃で致命傷を与えられる程ではなく、再生能力が少し上回る。だけど、連射能力はあるので少しずつオーガを削る結果となった。セシリアもつくつくしていたので、オーガは結局何もできずに沈んだ。気力をもっと溜めれば、技の威力を高められるんだけど、そうすると隙が大きくなるので使えない技になっちゃう。なので気の練り方を繰り返す事で、もっと効率の良い方法を自分で編み出す事が技の威力を上げる近道になりそうだ。八階層のオーガを倒した後は、一気に十五階層へ向かう。どうやら上がってきたのは一匹だけで他のオーガは十五階層もしくは十六階層に居るようだ。とりあえず十五階層のオーガは一掃する事にしよう。






今日は探索アイテムをバルトが持ってくれているので、戦闘が凄く楽だった。それにペース配分も考えてくれているのか、昨日と違ってじっくり慌てず戦闘ができ、慌てて移動しなくても的確にバルトが次の敵へと誘導してくれたのだ。やっぱり賢い人がやると、効率が違うもんだね。うん。おかげで今日は遺跡内部の非常口をじっくりと探す事ができた。


「次で最後だな。さすがに今日は早かったな」

「だね、だけど良い練習になったよ。ありがとうバルト」


気付けば十六階層のオーガも上がって来ていたらしく、この階層に居るのが全てのようだ。


「まぁ、たまには人に任せるんだなコージ。俺がお前をうまく使ってやるぞ?」

「まだまだ未熟だから、一人前になったらお願いするね」


覚える事は山ほどあるからね。あと魔法の作成というかなんというか。セリナ達とも色々一緒にやる事があるので、なかなか一人前になれたと思えない。確かにそこそこは強くなったとは感じるんだけど、アイテムや魔法の力に頼りきってる所もあるからね。僕自身が強くなれば魔法の効果ももっと上がる筈だから、もっと鍛えて損はない筈だ。


うん・・・? 奥の方で聞き覚えのあるローラー音がしたような・・・? 


「ちょっと貸して! バルト!」

「あ、おい!?」


急いでキラーマシンの部品を入れてサーチする。居る! この階層にキラーマシンがまた出てきてる! ひょっとしたらエレベータの場所が分かるかも!


「皆、キラーマシンが出てる。僕ちょっと行ってくるよ!」

「あ、おいコージ! 一人じゃあぶないって!」

「だいじょーぶーーーー!!!」


探査アイテムを片手に通路をひた走る。あ、オーガだついでに倒しておこう。気づいて無いようだから、気力をかなり込めて撃つ!


「“絶刃裂波”」


ばしゃっ!!!


ハルトと同じぐらいの強さの衝撃波がオーガを真っ二つに切り裂く。これでよし。証明部位は後回しにして、キラーマシンに急ごう。指輪に探査アイテムを仕舞いこむ。さらに「ギル」を二本取り出してモードを「光」にしてあとはBボタンを押しながらAボタンをスライドするだけだ。


バシュッ!


よし、戦闘準備完了! あとは向かうだけだ。近づくとどうやら先客が居たようで、三人でキラーマシンと戦っている。ベルスイートの先輩達のようで緑色のネクタイをしているから二個上の先輩のようだ。少し苦戦しているようだから、助太刀するとしよう。


「先輩! 今助けますからね!」

「はぁっ!? おい危ないぞ!?」


その言葉の後には既に僕にマシンガンの狙いを付けているキラーマシン。


ギィイィイィイィィイイィイィィイイィッ!


既にマシンガンじゃない音を奏でながら、僕を粉々にしようと弾丸が僕の周りを飛び回る。実弾は大きく避けないと危ないので、全力に近い踏み込みをする事で一気に狙いから外れる。そうして、剣の間合いまで入ればこっちのものだ。キラーマシンを駆け上がり首だけを切り取って、最小限の攻撃でキラーマシンを無効化した。


あー・・・だけど、今はベルスイートの腕章を付けてるから、これって提出しないと駄目なんだよなぁ。はぁ・・・残念。でもとりあえずは、エレベータかそれに近いものが近くにあるはずだ。時間が経つと分からなくなるかもしれないから急ごう。


「じゃあ、先輩! 後はよろしくです!」

「え、ちょっと、おーーい・・・」


どうせ手に入らないなら、ここでまごまごしてたら勿体無いからね。とりあえずこの通路の先に急ごう!






「あ、先輩! お疲れ様です! うわ、キラーマシンですね。これはまた綺麗に倒しはりましたねぇ。あ、すいませんここをこんぐらいの背丈の黒髪の一年生が通っていきませんでした?」


コージを追いかけて遺跡内を走って行くと、オーガの死体の次はぐったりしている先輩とキラーマシンを見つけた。コージの奴こっちに来てるはずなんやけどなぁ・・・


「あ、あぁあれはお前達のメンバーなのか。あいつ暴走しないようにしっかり見張っておけよ。まぁ、あれだけの実力があるなら突っ走るのも仕方ないかもしれんがな」

「あちゃぁ・・・なんぞ迷惑かけましたか・・・?」


あいつ何しよったんや? 時々、とんでもない事しよるから油断できんわ。


「ううん迷惑じゃないの。帰り際にキラーマシンに遭遇して苦戦してたのを助けて貰ったのよ。でも、あっという間に通路の奥に行ってしまったわよ?」


あぁ、技を覚えて使いたくて仕方なかったんやろな。まぁ困ってる人がおったらあいつは、すぐに助けに入るからな。迷惑をかけてないなら、良かった良かった。そやけど、あいつはなんであんなに急いどったんや?


「あ、情報ありがとうございます。ほな、わい達はこれで。みんな行くで!」


先輩達に一礼をして、奥へと進む。ほんまにあいつはしゃーないやっちゃ。勝手に突っ走って行ったかと思うと、オーガは倒すし、人助けしてるし、どっかへ行ってまうし。ちょっと説教せにゃあかんな。この先か。あ、おった。あいつは行き止まりで何をしとんや? なんやえらいニヤニヤしとるけど、なんぞええもんでも見つけよったんか? 壁になんぞ文字みたいなんが、動いとるけど、なんや? あ、消えてもた。


「おい、コージ。おまえ一人で突っ走ってったらあかんで。おい、聞いとんか?」

「え?」


あかん、かなりトリップしとる。あのにやけ顔は、セリナちゃんやミミちゃんにくっつかれとる時と同じ顔や。何かよっぽどええ事があったな。


「あ、ハルト」

「あ、ハルト、じゃねーよ。一人で突っ走るな、心配するやろが」

「あー、うん、ごめんごめん。でも、ここらなら僕でも大丈夫だって。心配してくれてありがと」

「まぁ、おまえの実力なら大丈夫やろけどな。万が一って事もよう考えとけよ?」

「はーい」

「で、コージ。なにやら先程から浮かれた顔をしているが、何か良い事でもあったのか?」


バルトが浮かれてるコージに尋ねる。そや。わしもそれが気になるなぁ。


「うーん・・・まだ内緒。セリナ達とちょっと調べて大丈夫ならまた皆にも教えるね」

「なんやそれは?」

「んー・・・凄く良い事だよ、うん。ぐふふ」


あーあの気持ち悪い笑いはフレームの事を考えとるな。まぁ、教えて良くなったら教えてくれるやろ、コージなら。それまで待つとしますかね。今日のノルマは果たした事やし、さっさと遺跡から出よかいな。


「じゃ、また今度教えて貰うわ。みんな帰るで」


そうして、ベルスイートの活動二日目が終了した。

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