テストテストただいま武器のテスト中
やばい、どうしよう。これって滅茶苦茶横取りだよね・・・?
ちょーっと高そうなモンスターだったから、張り切って倒した挙句、素材まで剥ぎ取っちゃう僕って、極悪人だよね・・・
えっとこんな時こそ深呼吸。
すーはー。
うわぁん駄目だ、お兄さん達が凄い真剣な目で僕を見てる。落ち着かない~!
「えっと、この一番高い背中のピロピロは渡しますから、許して貰えます?」
背中のピロピロは、レッドベアの中で一番高い素材なんだ。なんでも、煮込み料理にすると一緒に煮込んだ野菜やお肉が凄く深い味わいになるという高級食材なんだって。
せめて、他の素材はお金儲けの為にも譲って欲しい・・・
「あー、いやなんだ。少年、ちょっといいか?」
リーダーっぽいお兄さんが、凄い真剣な顔でそう切り出した。
「えっと、はい何でしょう? やっぱり、ピロピロだけじゃ駄目?」
「いやそういう事ではなくてだな、君のおかげで俺達は助かった訳で非常に感謝してるんだ。あーっと、俺の名前はケイン=リカルド。見ての通りの冒険者だ」
よろしくな。とケインお兄さん。さらさらの茶色の髪の毛を後ろで括り、額には大きな傷が走っている非常に筋肉質の頼もしそうなお兄さんだ。
「ご丁寧にどうも。僕はコージ=ヒロセです。えっとお兄さん達ってレッドベアを狩ってたんですよね?」
「いや、俺達は残念ながら襲われて、やられそうになってったんだ」
あ、そうだったんだ。じゃあ人助けになったって事かな。ちょっと安心。
「コージ、大丈夫ですか? 怪我してませんか?」
「おーいマスター、だいじょーぶー?」
とそこへ、セリナとヒロコがやって来た。
「あ、セリナにヒロコ。丁度良かった。僕の旅の仲間です」
「はじめましてセリナといいます。お怪我は大丈夫ですか?」
「ボクはヒロコだよ。よろしくね」
と、僕達が自己紹介をするとケインさんが仲間を紹介してくれた。
「こっちの神官がリリアで、こいつがヨハン。そっちのエルフがラサリャーサで、向こうでぽけーっと座ってるのが、アルハーンだ」
あ、エルフの人がいる。気付かなかった。初めてエルフの人を見るけど綺麗だなぁ。
「むぅ」
と唸ったかと思うと、ぎゅっと僕の腕を抱え込むセリナ。・・・でかい!
「えーっと、このレッドベアの素材は山分けって事でいいですか?」
お兄さん達を見れば、怪我は治ってはいるけども装備が結構ひどい有様になっている。
なので、レッドベアの素材は山分けにして少しでも、装備のお金の足しにでもして貰おう。
どうせ、僕達はじゃんじゃん狩る予定だし。
でも、お兄さん達は僕が倒したんだから全部持ってけーとか言う。いやいやだめだめ、こちらこそいやいや等と訳の分からない取引をした結果、なんとか半分に分ける事ができた。
「で、ちょっと聞きたい事があるんだが良いかな?」
取引が成立した後、ケインさんがそう僕に切り出してきた。
「コージ君のギルドランクはいくつになるんだい? 俺達はここら辺で結構依頼をこなしてきたんだが、君達を見かけた事がまるで無いんだが、よその町から来たのかい?」
「いや、僕はギルドに登録してないんです。今まではタタ村って所で狩りをしてただけですし」
この町で狩りをするのは初めてなんです。と言うと驚いた顔をしている。
「そうかぁ、登録して無い上に今日が初めてって言うなら、会ってなくて当然だな」
なるほどなるほど、と納得顔のケインさん。
「さて、ひきとめて悪かったね。今日は早いけどこれで一旦町に帰るよ。縁があればいずれまた。君達なら大丈夫だとは思うけど、気をつけてな」
「はい、ケインさん気をつけて帰ってくださいね」
さようならーと、挨拶をしてケインさん達と別れた。
さて、気を取り直して狩りをするとしましょう!
とりあえず、運よくレッドベアを狩れたので、次はホーババードを狙って見たい。
ホーババードは足が滅茶苦茶速い飛べない鳥だ。
ジャンプ力も物凄くて、ある意味飛んでるとも言える飛距離を出すそうだ。でかいんで見つけ易いんだけど、やられそうになるとすぐに走ったりジャンプしたりして、逃げてしまうので大変貴重な素材として有名なのだ。
だけど、僕にはちょっとした秘策があった。これが成功したらちょっと楽しい。
手に握るのは「月光」モードは「眠」そして実体剣にしてある。
そう、眠りの刃と化した「月光」でひたすら攻撃すれば、ホーババードを眠らせたまま倒せるんじゃないか? と思ったのである。
「ケェェエエエエエエエエエエエエエエ!」
って、まだ遠くに居ると思って油断してたら一瞬で間合いを詰められた!
「ていっ!」
すかさず「月光」をホーババードに当てる!
「ぎゅぅううううううぅぅ・・・」
「月光」を当てた瞬間寝た! 寝たまま凄い勢いですっ転んでいった!
「シューーーール・・・」
「はわー・・・」
「あははははははははは」
3者3様の反応だった。
ホーババードの勢いが凄かっただけあって、寝た瞬間のずっこけっぷりがとんでもなく間抜けだった。とりあえず、手早く眠ったままのホーババードを倒し、素材に変えた。
で、この調子でどんどんホーババードを狩るつもりだったんだけど、たまに眠らない奴がいてあっという間に逃げられた。あの逃げっぷりは確かに誰も捕まえられないと思った。
なんだかんだで、あっという間に夕暮れが近づいてきた。
今日1日でだいぶ稼いでしまったと思う。この調子でやっちゃうと、町の近くに獲物が綺麗さっぱり居なくなってしまうかもしれない。
「コージ、今日は一杯狩れましたね。こんなに狩れたのはわたしも初めてです」
「意外となんとかなるもんだよね。でも、この調子で狩りしてて大丈夫かなぁ?」
「あー、そうですねぇ。獲物が居なくなるのもそうなんですが、お店が買い取りきれないかもしれませんねぇ。高級な素材や食材が綺麗に取れましたからねぇ・・・」
あ、そっかぁ。獲物だけの問題じゃなくて買い取ってくれるお店の問題もあったか。
うーん、どうしよう。
「とりあえず、明日は遊ぼうよ。ね、マスター」
君は今日も遊んでなかったかい? すっごくウロウロしてたよね?
でも、今日1日でだいぶ稼げたから、明日は町を見て回っても大丈夫だと思う。
「まぁいっか。明日は町を見て回ろうか」
「やったぁー!」
嬉しそうにはしゃぐヒロコ。セリナも嬉しそうににっこりしていた。
「・・・明日こそは好感度アップです」
「ん? 何か言ったセリナ?」
「ううん、こっちの話ですコージ」
ふーん、なんだろうね? っておおぅ腕組んだら気持ち良い!!!
ちょっと幸せな気分になりました。マル。ありがとうセリナ!
おっぱい大好き。