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先輩にそのBL小説はまだ早いと思います。  作者: 七賀ごふん
先輩、お付き合いします。

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#4



朝から既に疲労困憊だ。眠いし疲れたし、本は見つからないし……もう嫌だ。何かもう何もかも嫌だ。

「はあぁ……未早ぁ……」

一応恋人の席に座り、突っ伏すようにして顔を伏せた。俺の教室の机とちょっと肌触り違うかも、とか思いながら。

ここでいつも勉強してんのか。スベスベの冷たい天板が気持ちいい。

他人の席なら何とも思わないだろうに、まるで特等席のようだ。何度か触って、自分の顔を沈めていた。


「紅本先輩、何やってんですか……」

「うわああぁっ!?」


頭上から聞こえた声に驚き顔を上げると、未早がドン引きした顔で佇んでいた。


「おはようございます。でも何で先輩がここにいるんですか? しかもそこ俺の席だし」

「ち、ちが……これは……そう、抜き打ちチェック! お前が危険なモン学校に持ってきてないかっていう、大先輩の粋な計らいを!」

「だから俺どんだけ危険人物……てか、こんな早くにですか」

「俺は早寝早起きなんだ! お前こそ何でこんなはっやい時間に来てんだよ!」


心臓バクバクしながらも問い掛けると、未早はにっこり笑った。

「荷物置いてから音楽室行って、楽器の手入れしようかなって思って。朝練がない日も早起きしちゃうから大変ですよね。先輩も一緒に行きません?」

「……おぉ」

思ったより真面目なところにビックリした。失礼だけど、未早は絶対そんな細やかな人種じゃない。

いや、違うか。

真面目とか不真面目とかじゃなくて、こいつは単純に楽器が好きなんだ。俺と同じに。



職員室で鍵を借りて、やや薄暗い音楽室の照明を点けた。

「あぁー、暖かくなってきたけど朝の走り込みが始まったら嫌だなあ」

倉庫室から楽譜と楽器を出して、空いてる椅子にどっかり腰掛ける。

「冬はずっと指かじかむし、楽器も温まらないしで良いことないよ。お前ももっと優しい環境で吹いてほしいよなー、アベル君」

「誰ですか、アベル君て」

「俺のトランペット!」

「名前つけてんだ……」

未早の氷のような視線を華麗に受け流し、オイルを注入して手入れを済ませた。

「楽器は相棒だぞ。お前も本当に愛してんなら名前のひとつでもつけてやれよ」

「ハイハイ。じゃあ……魔王で」

それ名前じゃなくて称号……。

ふと、壁に掛かった時計を見るともう八時過ぎだった。朝練のある他部活の生徒なら来てもいい頃だ。

「そろそろ教室に戻るか」

未早と倉庫室へ入り、楽器を棚に仕舞った。倉庫室は照明を点けなかったから、夜のように暗かった。




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