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先輩にそのBL小説はまだ早いと思います。  作者: 七賀ごふん
先輩、必死です。

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35/47

#9



「腹いっぱいになったから眠くなっちゃっいました。家は大丈夫ですよ。俺の家男しかいないんでやりたい放題っていうか、自由放任なんです。兄も最近は遅くまで帰ってこないし」

「そうか……」

兄がひとりいて、父子家庭か。母親がいない。でも理由を訊くのは憚られた。そこはやはりプライベートなことだし、デリケートなこと。踏み込んでいい領域じゃない。

未早は他の一年生の中では落ち着いていて、あまりはしゃがない。強いて言えば俺と関わってる時が一番表情豊かで楽しそうだ。……そう、俺をからかってる時が一番生き生きしてやがる。


「お茶入れてきたから飲めよ」

「ありがとうございます。いただきまーす」


少しむしゃくしゃしていたが、熱そうにフーフー息を吹きかけながら紅茶を飲む未早に思わず相好を崩す。やっぱりなんだかんだ言ってもまだ一年だ。

「ヤケドすんなよ」

「はい」

彼は顔を上げると無邪気に笑った。珍しく素直だ。寝起きだからかな。

「そういえば、さっき何の夢見てたか覚えてる?」

「夢ですか? いえ、見た覚えもないですけど。何でですか?」

「あぁ、寝言で俺のこと呼んでたからさ」

そう答えた瞬間、未早は激しく咳き込んだ。


「はっ……え、冗談ですよね」

「ほんとだよ。二回ぐらいな。気持ち良さそうに寝てるから起こさなかったけど」

「……!!」


それから未早は黙ってしまった。何か少し顔が赤い気もするけど……どうしたんだろ。

「未早、どうかした?」

「あ、いや……そうだ、俺もう帰ります!」

「は!?」

よく分からないけど急過ぎる。未早は立ち上がると、ドアへ向かって部屋から出て行こうとした。

「おい、まだ鞄乾いてないって」

「大丈夫です。お邪魔しました!」

一体どうしたのか、彼は何がなんでも出て行こうとする。あぁ、でも……言っておきたいことがあった。

「未早、ちょっとだけ待て!」

今言わなかったらまたタイミングを逃してしまいそうだから、彼が掴もうとしたドアノブを先に掴んだ。


「あの小説のこと、謝りたいんだ。今まで自分のことばっかで全然考えもしなかったけど……BLが嫌いなお前に、あんな醜いモン見せてごめん」


未早はなにか察したように一歩後ろへ下がった。

「お前に嫌われてること知ってて、わざとあんなノロケ話を書いたんだ。……でも冷静に考えたら、それってすげー最低だよな。究極の嫌がらせ……絶交されてもおかしくないな、って思って」

「ち、ちょっと待ってくださいよ。何で俺が先輩を嫌いってことになってるんですか」

「え」

不思議に思って聞き返すと、未早は真剣な表情でドアに手をついた。


「確かに苦手とは言いましたけど……嫌いなんて言ったことは一度もありませんよ」




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