表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
先輩にそのBL小説はまだ早いと思います。  作者: 七賀ごふん
先輩、必死です。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/49

#4



これ以上の快適を望んでいるわけじゃなくて、今の生活を壊されたくないだけだ。表では部活と勉学に打ち込み、裏でひっそり腐活動をする。住み分けをして誰かに迷惑をかけないよう気を配っている。卒業まであと少し、平穏な日々を送らせてほしいだけなんだ。


部活が無事に終わり後片付けをしていると、またしても未早がわざとらしい笑顔でやってきた。

「紅本先輩、お疲れ様でっす。このあと予定入ってたりしますか?」

「何。特にないけど」

「なら良かった。ちょっと付き合ってください」

「つ……っ」

まさか、また何かよからぬことを企んでるのか?

油断できない誘いに思わず後ずさる。すると彼は気まずそうに首を振った。

「あ、勘違いしないでください。付き合うって、ソッチの付き合うじゃありませんから……」

「わかってるよ!」

────本っ当に腹が立つ。

それなのに何かほっとけない気になるのは、何故なんだろう。

結局、俺は家に直帰せず、小雨が降るなか未早の予定に付き合うことにした。


「え。ラーメン?」


でも、本当に気が抜ける。

「はい。何か急にラーメン食べたくなっちゃって」

そう言う未早に連れてこられたのは、ここら辺じゃ有名なラーメン屋だった。

「先輩も合奏中にラーメン食べたくなること、よくあるでしょ?」

「ねーよ」

冷たく言い捨てると、彼は悲しそうに呟いた。

「そうですか……俺は塩か味噌か、麺は細目か太めか、トッピングは何にするかまで悩んでて……今日はずっと演奏に集中できませんでした」

本来なら平手打ちのひとつもかましたい所だけど、人前なんで大人しく空いてるカウンター席に座った。

「豚骨にしよー。太麺野菜増し増し。先輩は?」

「どうしようかなぁ……」

「初めてなら俺と同じのにしましょうよ。美味いですから」

未早がそう言うので、同じもので量は普通にした。その判断は正解だった。普通なのに尋常じゃない量が盛られてる。でも俺よりも未早の方がボリュームがあった。

「ええぇ……お前、それ食えんのかよ?」

「はい。練習で腹減ってますもん」

割り箸を割って、彼は食べ始める。体は細いのに、よくそんなん入るな。と心の中でツッコんで俺も食べた。味はめちゃくちゃ美味かった。

やっぱりラーメンってうまい……。

久しぶりに食べたら美味すぎて、スープまで飲み干してしまった。例えようのない満足感に思わず息をつく。そこでハッとした。


何で俺、こいつと仲良くメシ食ってんの?


できることなら全力で挫折を味わわせてやりたい、憎しみのあまり一度は自作で散々キャラ崩壊させた人間なのに。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ