#6
小説はあくまで創作物。誰かが生み出した架空の世界。フィクションなんだからささいな事は気にせず楽しむべきだった。そんな基本的なところが俺には欠けている。
最初のショックが強すぎたけど、幸せの形は人それぞれ。そこを履き違えちゃいけないんだ。
先輩は……。
少しだけ奥の部屋を覗くと、先輩はBLとは関係なさそうな書き物をしていた。
今なら18禁の本を見てもバレないかもしれない。
とにもかくにも俺は知識が乏しすぎるんだ。ここは置いてある本を全て読破しよう。先輩のことは抜きにして、もっともっと、俺はBLのことが知りたい。
そう思って、結局興味津々のR指定の漫画を手に取った。
────やがて、時が経つのも忘れるほど耽読していた。
日は傾き、部屋の中は窓から射し込む夕焼け色に変わってきてる。
読んでいた漫画は悲しい話も楽しい話もあり全体的に面白かった。それは良かったんだけど、ここで一つ大事件が発生した。
先輩の言うとおり、やっぱり俺には刺激が強すぎたのかもしれない。どエロいイラストばっか見ていたからか、身体が火照ってきた。
そんな俺の元へ、限りなくバッドタイミングで紅本先輩がやってきた。
「未早お前、ずっと本読んでたのか? ったく、無理すんなっつってんのに……」
ちょっ何で今来ちゃうんだ。俺は呪われてるのか。
「あのさ、苦手なもんを無理して読む必要は本当にないよ。別に意地悪で言ってるんじゃなくて、俺個人としてそう思う」
「いえ、面白かったです! 十冊は読みましたよ。レポート書けますが、書きましょうか?」
「いや、いいよ……」
先輩は神妙な顔で隣に座ってきた。何でこんなときに限ってそんな近付いてくるんだ?
身体が熱くなってることがバレる。咄嗟に持っていた本で顔を隠した。……が。
「あ! お前、その漫画18禁だぞ! 見ちゃダメだって言ったろ!」
「わああぁっだめだめ、ちょっと待ってください!」




