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第4話 知られざる最強

朝の演習が終わった後、灯里は宿屋で魔力石の手入れをしていた。地味な作業だが、これも成長の一部。毎日の小さな積み重ねが、いつか大きな力になると信じている。


「今日も無事に終わった……」


そこへ、リオネルが息を切らしてやってきた。

「灯里、大変だ! 昨日の演習での君の補助魔法、騎士団の一部に伝わってしまった」


「え……伝わった、ですか?」


灯里は戸惑う。目立たないように気をつけていたのに、それが評価されるとは思っていなかった。


「君の働きで、隊列の乱れがほとんどなくなったらしい。指揮官たちが『凡人とは思えない』と口々に褒めていた」


灯里の頬が熱くなる。目立たない努力が、誰かの目に留まっていた――思わず小さくガッツポーズをした。


その日、演習場に再び呼ばれた灯里は、今度は他の騎士たちから具体的な依頼を受ける。

「灯里、火矢の補助は君に任せる。君の魔法なら確実に命中する」

「回復魔法のサポートを頼む。凡人なのに、よく働くな」


派手ではないが、確実に戦局を安定させるその働きぶりに、灯里は徐々に信頼されていく。


休憩中、リオネルが近づいてきた。

「灯里……君、本当に地味な努力を怠らないな。凡人と言ったのは私だが、見くびっていた」


灯里は小さく笑う。

「地味でも、努力すれば結果は出るんです」


その言葉に、リオネルは真剣な表情で頷いた。

「そうだな……これからも頼む。灯里」


夕暮れ、城の塔の上から街を見下ろす灯里は、静かに思った。


「目立たなくても、役に立てる。凡人でも、最強になれる――」


彼女の胸に小さな誇りが芽生え、周囲との絆も少しずつ深まっていく。静かながら確かな成長――凡人少女の異世界戦記は、着実に歩みを進めていた。

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