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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

最果ての監獄から始まる英雄譚 ─ 魔喰いの彼女と、最高の楽しい人生が始まりました

冤罪で“存在ごと”抹消された少年、カイル。送り込まれたのは、人としての尊厳すら奪われる地──監獄《ジ・アビス》。
狂気と絶望に支配されたその最底辺で、彼は“奇跡のような少女”と出会う。──その光景は、まるで幻だった。
月光のように滑らかで、銀糸のように煌めく長い髪。腰まで届くその髪は、一歩動くだけでふわりと揺れ、地獄の空気すら清めるかのような気品と柔らかさを漂わせていた。肌は陶器のように白く滑らかで、頬のラインは華奢で繊細。唇は薄く整い、声を発せずとも静かな感情が伝わるような表情を浮かべている。

そして、決定的なのはその瞳だった。大きく潤んだ茶色の瞳。無垢でありながら、どこか深い哀しみを宿し、初対面のカイルをまっすぐに、迷いなく見つめてくる。否定も拒絶もなく、ただ優しく、温かく──それは、今まで誰にも向けられたことのない視線だった。

囚人服の上からでもはっきりと分かる、ふっくらと形の整った胸元と、華奢ながらもしなやかに引き締まった腰のライン。“美少女”という言葉では足りない。幻想的で、どこか儚く、それでいて近寄れば壊れてしまいそうな危うさを纏った存在。

名は、イリス。ただ美しいだけの少女ではない。彼女は“魔力を喰らう”という危険な異能《魔喰い》を持ち、その力ゆえ、この監獄に封じられた存在だった。──けれど、彼女は言った。「私は目を見ればわかるの。あなたは、悪い人じゃない」誰にも信じてもらえなかったカイルを、初めて肯定してくれたのは、この少女だった。

カイルのスキル《観察眼》は、ただ“見る”だけの最弱能力。だが、イリスと出会い、彼女の力と重なったとき──絶望しかなかった世界に、一筋の光が射し込む。
「もし一緒に出ていけたらさ……」
「そのときは、笑おう」冤罪で地に堕ちた少年と、世界で最も危険で可憐な少女が出会い、地獄から未来を切り開く英雄譚が、いま動き出す。そして──彼女の微笑みが、俺を英雄にする。
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