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ロリ巨乳美少女にTSしたら、Vtuberなお姉ちゃんにVtuber界に引きずり込まれました  作者: 九十九一
2023年 10月

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#48 事情説明と、大規模な

「――はぁ、なるほどねぇ~~~。まさか、TS病以上のファンタジーが存在していたなんて……」

「あ、あはは、僕も驚きでした……」


 まさかの遭遇を果たした麗奈ちゃんに事情を説明すると、麗奈ちゃんはすごく驚いていたけど、僕のお話を信じてくれました。

 ちなみに、お姉ちゃんはりなちゃんと一緒に遊んでます。


「けどまぁ、TS病っていうファンタジーな病気があるんだもんね、変身しても不思議じゃないよね!」

「それはどうかなぁ……」


 少なくとも、全くの別物……あ、考えてみれば、性別が変わっちゃってる以上、TS病も一種の変身な気が。

 僕の人生、すごいことになっちゃってるなぁ……。


「その組み紐が変身アイテムなんだよね?」

「うん。これを着けて、『転神』って言うとこの姿になるの」

「へぇ~~~! 本当に魔法少女みたいだね!」

「一応、魔法じゃないんだけどね」

「そうなの?」

「うん。なんとなく、違う気がしてます。一応霊力、って呼んでるけど」

「ほほう! いいねいいね! いやぁ、魔法少女な友達ができるとは思わなかったよ!」

「僕は女の子になった挙句、まさかVTuberの姿になるとは思わなかったよ……」

「あははー、それはそうだよねぇ」


 僕の言葉に、麗奈ちゃんは苦笑いを浮かべました。


「それで、その姿の活用方法とかってあるの?」

「特にないかなぁ。だって、出来ることは水や風を出したり、灯りを出したり……あとは、壁や天井を歩いたり、怪我の回復をしたりするくらいだもん」

「それで十分だと思うよ!?」

「そ、それはそう、なんだけど……ほら、一応TS病はあっても、こんな風に耳とか尻尾が生えることなんてないでしょ……? だから、人前では……」

「え、でも、りなには普通に姿を見せたよね? それはどうして?」

「んっと、怪我を治してあげたいのもあったんだけど、ほら、りなちゃんは小学生だから、その方がいいかなぁって」

「そっか。いやもう、妹を助けてくれて感謝感謝! あとついでに、棚ぼた的にリアルみたまちゃんが見れて満足ってもんです!」

「そ、そっか」

「でも、あの山の中に神社があったなんて初耳」

「そうなの?」

「うん。というか、若い人ってあの山に行こうと思わないしねぇ。椎菜ちゃんはどうして行くようになったの?」


 麗奈ちゃんが言うように、実際にあそこに行く人は少ない。

 だから、麗奈ちゃんはどうして僕が山に行くようになったのか尋ねてきました。

 うーんと、ちょっとだけ考えてから僕は口を開く。


「ちっちゃい時かなぁ。多分、好奇心だと思うんだけど、ふと山に入っちゃってね。それで少しだけ迷っちゃって」

「あららー。それで、どうなったの?」

「歩いても歩いても元の道に出なくて困っていたら、なぜか神社に行きついてね? たまたま持っていたお菓子をお供えして、お参りしたの。そしたら、普通に帰れちゃって」

「へぇ~~。それって偶然だったの?」

「うーん……実際に、帰れなかったし、あんなにすんなり帰れなかったんだけど」


 あの時、本当に泣きそうだったと言いますか、実際にちょっとだけ泣いちゃってたしね……。

 街に出られた時は安堵してぽろぽろと涙が出た物です。

 ちなみに、その時はまだお母さんと二人だけの生活だったので、お姉ちゃんはいません。


「もしかしたら、神様が助けてくれたのかも! なんて思って、それから通うになったんだぁ」

「なるほどねぇ。子供ならたしかに通っちゃうかもなぁ」

「うん、その時は神様がいるんだー! って思ってたからね。もちろん、歳を重ねてくうちに、いないと思うようになったけど……今日の一件で本当にいるのかも、なんて思うようになったかなぁ」

「あはは、だろうねぇ。そんな立派な耳と尻尾が生える人なんて、この世界にはいないもんねぇ」

「うん」


 それに、あの手紙、僕のことを神子って言ってたし、本当に神様がいるのかもしれないしね……じゃないと、こんなことにはならないと思うし。


「……」

「麗奈ちゃん?」


 ふと、視線を感じて麗奈ちゃんを見ると、じーっと麗奈ちゃんが僕を見つめていました。

 な、なに?


「……ねぇ、椎菜ちゃん、その耳、触ってもいい?」

「ふえ? 耳? あ、うん、いいけど……んと、じゃあ、はい」


 突然耳を触りたいと言ってきた麗奈ちゃんにすすす、と体を寄せて少しだけ頭を麗奈ちゃんの方に向ける。


「やった! じゃあ、失礼して……わっ、すごい、あったかい! それに、もふもふ、ふさふさ! あ、ぴくぴく動いてる! え、これ本当に体の一部なんだ!?」

「んっ、あぅっ……れ、れなちゃん、く、くすぐったいっ……」

「え、これくすぐったさとかあるの? じゃあ、これは?」

「ふゃぁ~~……」

「気持ちよさそうな声だねぇ。もしかして、結構気持ちいいの?」

「う、うん、その、くすぐったさもある、けど……すごく気持ちいい、よ?」

「マジかー。ちなみに、尻尾は……って! すごい! ふりふり揺れてる!」

「ふえ? あっ! ほ、本当に動いてる!? も、もしかして、感情で動いちゃう、のかなぁ……?」


 麗奈ちゃんに耳を触られたことがよかったのか、気が付けば僕の尻尾はふりふり、と左右に揺れていました。


「ということは、感情が丸見えってことに……とりあえず、元に戻った方がいいんじゃないかな、椎菜ちゃん」

「う、うん、そうだね……感情を見透かされるのはちょっと気恥しいです……」


 麗奈ちゃんに言われて、僕は組み紐を外して元の姿に戻りました。

 やっぱりこっちの方がしっくりきます……。


「おー、本当に魔法少女みたい……! あ、その組み紐ってずっと付けてる感じ?」

「うん、デザインが気に入ったし、それに折角貰った物だから」


 変身しちゃうのはともかくとしても、デザインそのものは好きだし、本当に神様がくれたものなら、それこそ無下に扱えないしね。する気はないけど。


「そっか。でも、言葉には気を付けないとね? 人前で間違えて言っちゃった時は大変だよ?」

「そ、その時は気を付けます……」


 電車の中で変身しちゃうとか、間違いなく大惨事になるよね……。

 変身するにしても、人目につかないところでしないとすごいことになりそう。

 SNSとか……。

 まあでも、『転神』もしくは、読みが『てんしん』な言葉って少ないと思うし、多分大丈夫なはず!


「さてと、あたしはそろそろ帰ろっかな。お昼まだだし!」

「あ、そうだったんだ。うん、じゃあ僕たちも帰るよ」

「はいはい! じゃあ、また明日ね、椎菜ちゃん!」

「うん! また明日!」

「りなー帰るよー!」

「お姉ちゃんも帰るよー」

「「はーい!」」


 早くも麗奈ちゃんに変身がバレるなんてことがあったけど、すんなり信じてもらえてよかったよ……。

 あとは、柊君とからいばーほーむの人たち、かなぁ。



 お家に帰って、のんびりと休日を過ごしていると、ふと事務所の方から電話がかかってきました。


「もしもし、桜木です」

『もしもし、桜木さん、今お時間よろしいでしょうか?』

「あ、はい、大丈夫ですけど……」

『そこに愛菜さんはいます?』

「いますよ。あ、お姉ちゃんに変わった方がいいですか?」

『いえ、一緒に訊いて欲しいのスピーカーでお願いします』

「わかりました。お姉ちゃん、マネージャーさんから連絡で、僕たちに聞いて欲しいんだって」

「りょーかーい!」


 すぐ傍にいたお姉ちゃんにそう言うと、お姉ちゃんは嬉々として僕の近くに。

 それから準備が出来たことをマネージャーさんに伝えると、お話が始まりました。


『まずですね、実はと言うか……少々ライバー間でその、不満が出ておりまして』

「不満!? え、どゆこと!?」

「あの、何かあったんですか……?」

『あ、いえ、別に事務所の存続にかかわるような深刻な物、というわけではなく……まあ、主に原因はお二人なんですが……』

「ふぇ!? ぼ、僕、な、何かやっちゃいましたか……?」

「マネージャーさぁん……椎菜ちゃんを不安にさせるとかぁ……覚悟、できてるぅ?」

『いえ、そう言う意味ではなく……というより、これは椎菜さんが悪いわけではなく、どちらかと言えば、愛菜さんでしょうか』

「え、私?」

『はい。その、愛菜さんが『神薙みたまちゃんと一緒に暮らせてるし、コラボしたい放題にできるぜ! フハハ! 羨ましいだろう!』というようなニュアンスの言葉を言っているそうで、それが他のライバーたちから『ずるい!!』と言われてるんです』

「あ、不満ってそう言う……」

「え、えと、どういう、ことなんですか?」


 お姉ちゃんは今のお話で納得したみたいだけど、僕はいまいちピンと来てなくて、眉を曲げながら首を傾げる。


「簡単に言えば、みんなみたまちゃんとコラボしたい! ってことだね」

「そ、そう、なの?」

『そうですね。三期は全体的にコラボしたいと思われてますが、みたまさんはダントツですね』

「え、えぇー……」


 僕ってそんな風に思われてたの?


「まあ、初めての妹枠で癒し枠だしねぇ。そりゃそうなるかー。んで? わざわざそれを言うために呼んだんじゃないですよね?」

『その通りです。三期生の方々も大分慣れて来た、ということで、そろそろ大規模なコラボ配信を行おうかなと考えております』

「大規模……」

「おぉ! いいですね! ちなみにそれ、誰が参加で?」


 まさかの提案に、僕はどこか茫然として、お姉ちゃんはとても楽しそうな反応をしました。


『現状連絡した人は全員参加OKとなっていて、一期生はリリスさん、二期生はデレーナさんといくまさん、三期生はみたまさん以外の全員です』

「ちなみに増える可能性は?」

『……正直、みたまさんがOKを出したことが知られれば、全員参加になるかと』

「さ、さすがにない、と思いますけど……」

「いやいや椎菜ちゃん、それは甘いよ。みたまちゃんの可愛さは既に、この私が事前に布教もしていたし、実際に可愛いみたまちゃんを目の当たりにして、その可愛さに心奪われちゃったからね。そりゃぁ、みんなしたがるよ」


 お姉ちゃん、本当に何してるの……?

 というより、僕が正式にデビューする前に布教していた、ってことだよね……?

 お姉ちゃんの愛が怖いです。


『というわけなのですが、お二方どうでしょうか? 日時は今週の土曜日を予定しておりますが』

「私は大丈夫ですよー。椎菜ちゃんはOK?」

「うん、大丈夫です。それに、折角ですから」

『ありがとうございます! では、その様に調整いたします。場所は事務所の大部屋で行い、時間は十五時頃で考えております。問題ないでしょうか?』

「大丈夫です」

「行けます!」

『ありがとうございます! 細かいことはまた後日メールでお送りします。それから、各自での配信にて今夏のコラボ配信のことを宣伝しておくようにお願いします』

「了解です!」

「わかりました」

『これで以上となります。それでは、次の連絡がありますので、失礼致します』

「失礼します!」

「失礼致します」


 そうして通話は終了。

 通話が終わるなり、お姉ちゃんはニマニマと、どこか楽しそうな笑みを浮かべていました。


「いやぁ、大規模コラボかぁ。いいねいいねぇ! 面白そう!」

「うん、そうだね」


 まだ会ったことがない人ばかりだけど、楽しみなことには変わりないです。

 すごく緊張はするけど……。


「ねぇ、お姉ちゃん」

「ん、なにー?」

「ふとした疑問なんだけど、リリスさんってどんな人なの?」


 たまに僕の配信に来てくれるリリスさん。

 たつなさんはお姉ちゃんとよくコラボすることが多かったからなんとなくわかるんだけど、リリスさんがどんな感じの人なのか、正直よくわからない……それを言ったら、刀さんもなんだけど。


「リリスちゃん? んー、そうだねぇ……あー、椎菜ちゃんに似てるかなぁ」

「そうなの?」

「うん。似てる。純粋な所とか、他にも色々」

「そうなんだ」


 なんだか気になって来たけど……どのみち、土曜日には会うんだよね。

 なんだか楽しみになってきた。


「いやぁ、結構早く全員コラボが実現するかもねぇ。絶対カオスになること間違いなし! 楽しみ楽しみ!」

「か、カオス……」

「うん、カオス。だって、らいばーほーむ全員が集まるとか、地獄絵図みたいなもんだし」

「お姉ちゃんも所属してる事務所なんだよ? それ言っていいの……?」

「いいのいいの! ってか、私が一番頭おかしいって言われてるしね! あっはっは!」

「笑い事じゃないと思う……」


 お姉ちゃんのメンタルってどうなってるんだろうね。

 多分、一生のうちで知る方法はないと思います。

 またしても、12時にできんかったっ……!

 はい、大規模コラボの地雷がセットされました。動かす人数が多すぎて私が死ぬでしょうが、まあ、なんとかなるよね! 未来の自分にぶん投げるぜ!

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― 新着の感想 ―
「てんしん」フラグをひっそりと立てるなあ! ガチバレるやろうがい
[一言] 大規模地雷原じゃなかった大規模混沌スタンバイw
[一言] マネージャーを恫喝するおねーちゃんと、それを軽くいなすマネージャー。うん、実にらいばーほーむだわ(^o^) でも愛菜さん、それ椎菜ちゃんのきょーいくにわるいとおもうの(棒)
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